【BIM/CIM】3 次元モデル成果物作成要領(案)令和4年3月 | 電子納品サポート

【BIM/CIM】3 次元モデル成果物作成要領(案)令和4年3月

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【 改定履歴 】

  要領名称  年月  備考
  3 次元モデル成果物作成要領(案)  令和 3 年 3 月  制定
  3 次元モデル成果物作成要領(案)  令和 4 年 3 月  改定

1.総則

1-1 目的

 『3 次元モデル成果物作成要領(案)』(以下、「本要領」という。)は、工事における契約図書を従来どおり2 次元図面とすることを前提として、設計品質の向上に資するとともに、後工程において契約図書に準じて3 次元モデルを活用できるよう、詳細設計における3 次元モデル成果物の作成方法及び要件を示すことを目的とする。

【解説】
 3 次元モデル成果物とは、設計業務の成果物のうち、設計計算や細部設計から定められた構造形状を3 次元モデルとして作成した成果物のことをいう。
 本要領は2 次元図面による工事契約を前提としており、詳細設計の最終成果物として3 次元モデルだけでなく2 次元図面の作成も求めることから、最終成果物となる2 次元図面の全ての情報を3 次元モデルとして作成するのではなく、本要領に基づくBIM/CIM の活用目的を達成するために必要となる最小限の仕様を3 次元モデルとして作成することを求める。
 本要領に基づくBIM/CIM 活用目的とは、詳細設計においては「2.3 次元モデル成果物の作成及び活用」、それ以降の工程においては「4.後工程における3 次元モデル成果物の活用場面(想定)」に記載のとおりである。
 これらの目的を確実に達成するため、本要領では、単に3 次元モデル成果物の要件を定めるだけでなく、設計の当初から3 次元モデルを作成し、関係者協議、受発注者による設計確認、設計照査を実施の上、最終的な3 次元モデル成果物につなげるための基本的な作成方法を提示する。

1-2 適用範囲

本要領は、詳細設計業務に適用する。

【解説】
 本要領は道路土構造物、山岳トンネル、橋梁、河川構造物(樋門・樋管、築堤・護岸、水門、堰、排水機場、床止め・床固め)、海岸構造物(海岸堤防護岸、突堤、海域堤防)、砂防構造物・地すべり防止施設の詳細設計を対象とする。概略設計及び予備設計においても準用可能である。

1-3 用語の定義

本要領で使用する用語の定義は、表-1 による。

表-1 本要領で使用する用語と定義

用語定義
3 次元モデル成果物設計業務の成果品のうち、設計計算や細部設計から定められた構
造形状を 3 次元モデルとして作成した成果物。内訳として、属性
情報を付与した 3 次元モデル、3 次元モデルに紐付けられた参照
資料としての 2 次元図面や設計条件等をまとめたドキュメント
等がある。
3 次元モデル3 次元で描画された形状モデル。単に「3 次元モデル」と表現さ れる場合は、属性情報の有無は問わない。
BIM/CIM モデルBIM/CIM モデルとは、対象とする構造物等の形状を 3 次元で表
現した「3 次元モデル」と「属性情報」「参照資料」を組合せたも
のを指す。なお「3 次元モデル成果物」は、本要領に基づき作成
される業務成果物を指す。
属性情報3 次元モデルに付与する部材(部品)の情報(部材等の名称、形
状、寸法、物性及び物性値(強度等)、材料製品等の規格・仕様、
数量、そのほか付与すべき情報)を指す。
2 次元形状データ3 次元モデルから切り出し、または投影して作成した 2 次元の形
状データを指す。最終成果物となる 2 次元図面との整合性確保の
ために活用する。
2 次元図面CAD 製図基準等に基づいて作成された図面。
参照資料 1)3 次元モデルを補足する(または、3 次元モデルを作成しない構 造物等)従来の 2 次元図面等の「機械判読できない資料」を指す。
段階確認設計業務の主要な段階毎での BIM/CIM モデルの作成状況や BIM/CIM モデルによる設計照査状況について、受注者が打合せ 等を通じて発注者に報告し、発注者が確認すること。
リクワイヤメント発注者が BIM/CIM の利用を図る業務または工事等において、実 施すべき BIM/CIM の活用目的を検討し、その内容を設計図書に 指定したもの。
オブジェクトコンピュータでデータを処理しやすくするために、関連するデー
タを構造化して、それぞれのデータを定義するための属性情報を
保持したデータモデル。
階層本要領では、3 次元モデルの構造的なまとまりを、階層として定
 義する。3 次元モデルは階層構造によって、階層 1、階層 2 など に細分化される。 本要領での定義として、階層 1(構造全体)、階層 2(構造体)、 階層 3(構成要素)、階層 4(部材)とする。
アノテーション形状モデルに関連づけて表示する寸法や注記。
アノテーション平面アノテーションを形状モデルに関連付けて作成・表示する場合に 用いる、実際には存在しない概念的な平面。
形 状 情 報 の 詳 細 度 (LOD)オブジェクトモデルの詳細度。オブジェクト自体の再現の有無及 びディテールの再現度を示す。
属 性 情 報 の 詳 細 度 (LOI)属性情報の詳細度(Level Of Information)。オブジェクトモデル の詳細度(Level Of Detail)と区別する。

1) 本要領では、3 次元モデルは、形状情報の詳細度300 を基本としており、構造細部までモデル化されない。また、設計図に記載される寸法、注記情報も記入されない。このため、参照資料は、3 次元モデルを補うための2 次元図面、設計条件のドキュメント等を想定している。

3次元モデル成果物の作成及び活用

2-1 3 次元モデル作成の流れ

 3 次元モデルを活用した設計業務の流れ(図-1 参照)に従って、受注者は、設計業務全期間を通じて3 次元モデルを活用して設計業務を実施する。その上で、設計で決定された構造や形状に施工等で必要な属性情報を付与した3 次元モデルと、3 次元モデルからの切り出し等により作成した2 次元形状データを活用しながら、3 次元モデル成果物及び最終成果物となる2 次元図面を作成する。

【解説】
 BIM/CIM を活用する場合においても詳細設計の基本的なフローは変わらないが、従来2次元図面で実施していた業務項目(設計照査や業務打合せ、関係者協議等)が3 次元モデルを活用した業務フローに置き換わることになる。特に業務フローの中で従来と異なるのは、業務着手時に3 次元モデル成果物の作成、納品等に関する受発注者の事前協議を実施し、それに基づいて受注者がBIM/CIM 実施計画書を作成する点である。具体的には、本要領に基づく業務中間段階での3 次元モデルの活用や段階確認の実施時期、リクワイヤメントに基づくBIM/CIM 活用業務の実施内容、モデル作成の範囲や形状情報の詳細度、使用するソフトウェア及び情報共有環境、ファイル形式、モデル作成方法、電子成果品の納品方法、その他の項目について受発注者が協議を行い、協議結果に基づいてBIM/CIM 実施計画書を作成する。


 受注者は、BIM/CIM 実施計画書に基づき、設計業務全期間を通じて3 次元モデルを活用して効率的に業務を遂行し、最終的に属性情報を付与した3 次元モデル成果物を作成する。
3 次元モデルの作成に当たっては、附属資料3 を参考とする。また、OCF で公開している「BIM/CIM 成果品作成時の留意点」を参考とする。
 なお、上記の内容は、BIM/CIM を活用した効率的な業務を実現するために、3 次元モデル成果物の基本的な作成方法と設計業務における活用の流れを説明したものであるが、各種設計システム等を利用する上でこれにより難い場合は、適宜業務効率化を図れる方法を受注者が選択してよい。ただし、「2-2 業務途中における3 次元モデルの活用」に示す各項目については、設計品質の確保のため、基本的に3 次元モデルを活用することとする。設計照査における3 次元モデルの活用方法については、「BIM/CIM 活用ガイドライン(案)」参1)を適宜参照すること。
 なお、数量算出における3 次元モデルの活用については、受注者の任意とする。

図-1 3 次元モデルを活用した設計業務の流れ

2-2 業務途中における3 次元モデルの活用

3 次元モデル成果物を作成する過程において、業務途中の3 次元モデルを活用して、設計照査や段階確認を行うこととする。

2-2-1設計照査

受注者は、設計中間段階から、3 次元モデルを用いた設計照査を実施する。

【解説】
設計照査は、BIM/CIM を活用した効率的な業務実施と設計成果の品質確保の一環として、後工程で3 次元モデル成果物を利用するための品質確保のために実施する。
具体的には、以下を基本として照査を実施する。

  • 従来2 次元図面で実施している「詳細設計照査要領」参2)に基づく照査項目について、3 次元モデルを活用可能な場合は活用し、設計の不具合がないことを確認する。
  • 上記に基づく照査項目について、3 次元モデルの形状が正しく作成されていること確認する。
  • 用地境界、建築限界等の設計条件等を空間情報として表示する必要がある場合、3 次元空間上に(色分け等により)視認可能な状態で明示されていることを確認する。
  • 3 次元モデルからの切り出し等により作成した2 次元形状データについて、最終成果物として納品する2 次元図面と整合していることを確認する。
  • 最終照査では、「3. 3 次元モデル成果物の要件」に基づき3 次元モデルの形状及び属性情報(参照資料を含む。)が正しく作成されていること、電子成果品として正しく作成されていることを確認する。

「詳細設計照査要領」に基づく設計照査は、3 次元モデルそのものを用いて照査する場合と、2 次元図面を用いて照査する場合の2 通りが考えられる。3 次元モデルそのものを用いる照査の方がより効率良く実施できると考えられる項目は次のとおり(具体的な項目は「詳細設計照査要領」による。)であるが、各照査項目や対象部材等を勘案して受発注者協議の上、効率的な方法を選択する。

  • 設計条件に関する照査項目(地盤条件、近接構造物、支障物件、交差条件、コントロールポイント、用地境界、建築限界、既設構造物や隣接工区との取合い、構造物間の取合い(位置・形状・離隔等)、地中埋設物との取合い、付属物等の設置範囲等)
  • 設計図に関する照査項目(本体、付属物、鉄筋、設備の干渉確認、各構造物の天端高等の整合確認、排水勾配の確保、維持管理スペースの確保、取合い部の構造寸法等)
  • 施工計画に関する照査項目(施工方法及び手順、施工ヤードの確保等)

なお、3 次元モデルそのものを用いて照査する場合においては、用地境界、建築限界等の設計条件等の設計照査項目について、再度2 次元図面を用いて設計照査することは不要である。2 次元図面でしか設計照査ができない場合(3 次元モデルに記載しない構造物の寸法等)は、2 次元図面によって設計照査を行う必要がある。

表-2 最終照査項目一覧表

2-2-2 段階確認

受発注者間にて、3 次元モデルを利用して詳細設計の成果を段階的に確認して設計成果の品質を確保するとともに、手戻りなく3 次元モデルを作成することに努める。

【解説】
段階確認は「BIM/CIM 実施計画書」に基づいて、以下の項目について実施する。

  • 3 次元モデルの作成目的、仕様等が明確化されているか。
  • 関係者協議にて利用できる3 次元モデルとなっているか。
  • 設計条件を十分に確認して、設計条件に沿った設計成果となっているか。
  • 設計照査が適切に実施されているか。
  • 成果品となる3 次元モデル成果物が適切なものであるか(モデルの詳細度、属性情報など)。

 なお、発注者が指定するリクワイヤメントがある場合、リクワイヤメントが適切な時期に達成されていることを確認するため、いずれの設計業務においても段階確認を行う必要がある。

 段階確認を行う時期については、業務特性に応じて示された内容より選択して実施する。
一例として、業務着手時・設計条件確認・関係者協議・設計照査・施工計画確認・完了検査等とし、BIM/CIM 活用に関する受発注者の事前協議の際に決定しておく。また、発注者が段階モデル確認書を作成し、受注者に対して提示した場合は、段階モデル確認書にある情報確認要件(確認の時期、確認項目等)に基づいて、段階確認を実施する。

 段階確認は、業務打ち合わせ時に実施するが、打ち合わせ前に発注者が確認できるように情報共有システム等を活用し、3 次元モデルを共有する。業務打ち合わせでは、発注者が設計照査内容等を確認するために3 次元モデルを閲覧するが、閲覧は打ち合わせの方法(対面か、Web 会議か)や3 次元モデル閲覧環境に応じて適切な方法で行う。また、発注者が確認したことを記録として残すために、打ち合わせ簿等に記録し、それを情報共有システムで保管、共有することを基本とする。

 なお、段階確認等を効率的に実施するために情報共有システムを活用する場合は、使用するシステム、設計業務における活用方法等について受発注者間で協議しておくことが望ましい。また、段階確認した3 次元モデルは、他のデータと混在しないように、情報共有システム上で適切に管理する。

 情報共有システム上でのデータ管理方法については、「土木工事等の情報共有システム活用ガイドライン」参3)を参照する。概要は以下のとおりである。

  • 受注者が作成中の3 次元モデルは、作業中フォルダで管理する。
  • 受注者が作成し、発注者との段階確認にて用いる3 次元モデルは、共有フォルダに移動する。共有フォルダには、段階確認における中間段階の3 次元モデルが多数存在するため、適切なリビジョン管理を行う。
  • 確定情報フォルダには、最終成果品を格納する。受注者は、共有フォルダに格納された最終打合せ時の成果品を確認して、確定情報フォルダに移動する。
  • 確定情報フォルダのデータを用いて、完了検査を実施する。

図-2 情報共有システムでのファイル管理イメージ

2-2-3 3 次元モデルから切り出した2 次元形状データの活用

 受注者は、3 次元モデルからの切り出し等による2 次元形状データを活用しながら、最終成果物となる2 次元図面を作成する。ただし、3 次元モデルからの切り出し等が困難な場合はこの限りでない。

【解説】
 本要領では、従来のように2 次元図面を作成した後で3 次元モデルを作成するのではなく、3 次元モデルから切り出し、または投影して作成した2 次元形状データを元に、寸法線や注記情報を加えて、最終成果物となる2 次元図面を作成することを基本とする(図-3)。
これは、3 次元モデル成果物と最終成果物となる2 次元図面の整合性の確認作業を手戻りなく合理的に実施できると考えられるためである。

 本要領では3 次元モデル成果物の形状情報の詳細度を300 としているため、例えば鉄筋コンクリート構造物では3 次元モデルは外郭形状のみとなり、鉄筋等の情報が入らない。また、3 次元モデル成果物は必要な場合を除いて寸法、注記等が不要である。そのため、最終成果物となる2 次元図面を作成するためには、2 次元形状データに必要な情報を追記する必要がある。この際、整合性を担保するため、3 次元モデルから切り出し、または投影して作成した2 次元形状データと追記する情報を別のレイヤで管理する等、変更があった場合に合理的に各データの修正作業を行えるようにしておくことが望ましい。

 なお、設計専用ソフトウェアでは、設計数値データをもとに3 次元モデルと2 次元図面を作成するものがあるが、3 次元モデルと2 次元図面の形状データの整合性を確保できれば、この方法により最終成果物となる2 次元図面を作成してもよい。例えば、橋梁上部工では、橋梁専門ソフトウェアを利用する場合、入力した数値データを基に、主構造の3 次元モデルや2 次元データが構築される。そこに、付属物や接続部材、補強部材を加えることで、最終成果物となる2 次元図面が作成される。

 ただし、設計専用ソフトウェアによっては、設計時に簡略化したモデルとして置換された等価モデルが実際の形状と異なる場合がある。この場合、3 次元モデルの形状を正しく修正し、2 次元図面は修正した3 次元モデルを切り出して作成する。ソフトウェアの機能によって、上記方法が実施できない場合は、3 次元モデル及び2 次元図面を各々修正する必要がある。また、CAD ソフトウェアで切り出したものと同じ精度が求められるため、3 次元モデルと2 次元図面の整合性確認が別途必要となる。

 なお、3 次元モデルからの作成が困難な2 次元図面は、2 次元図面を正として単独で作成してもよいが、3 次元モデルとの整合性には十分に留意する必要がある。

図-3 3 次元モデルからの切り出しを元に最終成果物となる

2 次元図面を作成するイメージ(橋梁)

3.3 次元モデル成果物の要件

3-1 納品対象

 本要領に基づいて作成される業務成果は、設計図書で規定された成果品、及び「BIM/CIM 実施計画書」により受発注者で合意した成果品について、「BIM/CIM モデル電子納品要領(案)及び同解説」参5)に準拠して電子納品することとする。
 3 次元モデル成果物の納品は、最終成果品を対象とする。また、要求事項モデル(リクワイヤメントとして、特別な検討のために作成された3 次元モデル)があれば3 次元モデル成果物と併せて納品する。

【解説】
要求事項モデルは、設計-施工間の連携を目的とした4 次元モデル、効率的な照査の実施に利用した3 次元モデル等がある。
電子納品対象となる3 次元モデル成果物の基本構成は、次のとおりである。
 ・3 次元モデル成果物(属性情報を付与)
  <格納フォルダ>「BIM/CIM モデル電子納品要領(案)及び同解説」を参照
 ・土木設計業務等共通仕様書(案)等に基づく設計成果物(参照資料として紐付ける場合)
  <格納フォルダ>「土木設計業務等の電子納品要領」を参照
 ・上記以外のドキュメント(参照資料として紐付ける場合)
  <格納フォルダ>各サブフォルダ「ATTRIBUTE」

図-4 電子納品対象となる3 次元モデル成果物の基本構成

3-2 3 次元モデル成果物の仕様

3-2-1 形状情報の詳細度

本要領に基づく3 次元モデル成果物の形状情報の詳細度は300 を基本とする。ただし、要求事項モデル等の特別な検討のために作成した3 次元モデルの詳細度はこの限りでない。

【解説】
 3 次元モデル成果物の形状情報の詳細度は、表-3~表-7 に示す300 を基本とし、付属物、接続部構造、鉄筋・PC 鋼材等を除いた対象構造物の主構造の形状を正確に表現した3 次元モデルを作成する。なお、本来詳細設計においては詳細度400 を基本とするが、現時点ではデータ作成等の費用対効果を考慮し、詳細度300 とする。
 ただし、過密鉄筋となる箇所や橋梁沓座部のアンカーバー周辺、付属物が集中する支点部付近について設計照査を行う場合は、該当部分の鉄筋やアンカーバー等を3 次元モデル化(形状情報の詳細度400)し、干渉・位置等を元に施工可否を確認する。また、設計照査にて使用した3 次元モデルは、要求事項モデルとして納品する。
 例えば橋梁詳細設計の場合、支承、伸縮装置、落橋防止装置、高欄等の付属物や2次製品は、精密な3 次元モデル作成に時間を要すること、施工時の変更承諾で変わることが考えられるため、本要領ではモデル化の対象とはしていないが、受発注者協議により作成することとなった場合、概形形状が判別でき、おおよその寸法が分かる形状情報の詳細度200 程度の3 次元モデルを作成しておき、詳細な形状を示す必要がある場合、参照資料として最終成果物となる2 次元図面を紐づけておくこと等が考えられる。ここに例示したものの他、他の工種(道路土構造物、山岳トンネル、河川構造物(樋門・樋管、築堤・護岸、水門、堰、排水機場、床止め・床固め)、海岸構造物(海岸堤防護岸、突堤、海域堤防)、砂防構造物・地すべり防止施設)においても、施工時に変更することが一般的である部材についても同様の扱いとする。また、道路土構造物の場合、巻き込み部等を含めて詳細に再現する。
 なお、本要領に準拠して実施される概略設計及び予備設計で適用する形状情報の詳細度は、200 程度を基本とする。

表-3 道路土構造物の形状情報の詳細度(参考)

出典:土木分野におけるモデル詳細度標準(案)【改訂版】 社会基盤情報標準化委員会 特別委員会
(https://www.jacic.or.jp/hyojun/modelsyosaido_kaitei1.pdf)
※スイープ・・・平面に描かれた図形をある基準線に沿って延長させて3 次元化する技法のこと。

表-4 山岳トンネルの形状情報の詳細度(参考)

出典:土木分野におけるモデル詳細度標準(案)【改訂版】 社会基盤情報標準化委員会 特別委員会
(https://www.jacic.or.jp/hyojun/modelsyosaido_kaitei1.pdf)
※スイープ・・・平面に描かれた図形をある基準線に沿って延長させて3 次元化する技法のこと。こでは、トンネル標準横断面を道路中心線形に沿って延長させることにより3 次元モデル化している。

表-5 橋梁(鋼橋上部工構造物)の形状情報の詳細度(参考)

出典:土木分野におけるモデル詳細度標準(案)【改訂版】 社会基盤情報標準化委員会 特別委員会より一部変更
(https://www.jacic.or.jp/hyojun/modelsyosaido_kaitei1.pdf)
※スイープ・・・平面に描かれた図形をある基準線に沿って延長させて3 次元化する技法のこと。

表-6 橋梁(PC 橋上部工構造物の形状情報の詳細度(参考)

出典:土木分野におけるモデル詳細度標準(案)【改訂版】 社会基盤情報標準化委員会 特別委員会
より一部引用及び一部変更
(https://www.jacic.or.jp/hyojun/modelsyosaido_kaitei1.pdf)
参考:CIM によるコンクリート構造物モデル作成ガイドライン(素案) 土木学会・建設コンサルタンツ協会
※スイープ・・・平面に描かれた図形をある基準線に沿って延長させて3 次元化する技法のこと。

表-7 橋梁(RC 下部工構造物)の形状情報の詳細度(参考)

出典:土木分野におけるモデル詳細度標準(案)【改訂版】 社会基盤情報標準化委員会 特別委員会
より一部引用及び一部変更
(https://www.jacic.or.jp/hyojun/modelsyosaido_kaitei1.pdf)
参考:CIM によるコンクリート構造物モデル作成ガイドライン(素案) 土木学会・建設コンサルタンツ協会
※スイープ・・・平面に描かれた図形をある基準線に沿って延長させて3 次元化する技法のこと。

3-2-2 構造物等のオブジェクト及び属性情報

 本要領に基づく3 次元モデル成果物については、附属資料1 に基づく階層1~3 のオブジェクト及び附属資料2 に基づくオブジェクト毎の属性情報を必須とする。ただし、令和4 年度末までの当面の間は階層3 のみで可とする。階層4 のオブジェクトの作成は必須としないが、受発注者により形状情報の詳細度を含めて協議の上、必要に応じて作成する。
 附属資料2 に示す属性情報については、各オブジェクトに付与する属性情報の例に加えて、属性情報の詳細度(LOI)(表-8)100~300 を記載している。これらを元に、必要な属性情報を付与する。

【解説】

(1)階層化したオブジェクト分類

 部材毎に同じ属性情報を付与するような非効率を避けるとともに、属性情報及び参照資料を付与すべきオブジェクトを明確にして設計業務ごとのバラツキを防ぐため、本要領においては階層構造によるオブジェクトツリー(附属資料1)及びオブジェクト毎の属性情報(附属資料2)を設定している。階層の分類は、階層ごとに属性情報を付与するためのものであり、階層3 で扱われる付属物や二次製品の場合、形状情報の詳細度によってはモデル作成自体が不要となる場合もある。その場合、該当するオブジェクトの属性情報も不要となる。なお、令和4 年3 月時点で対応する機能がソフトウェアに備わっているとは限らないため、当該機能の実装が見込まれる令和4 年度末までの当面の間の緩和策として、階層3 のみで良いこととしている。

表-8 オブジェクトの階層分けと属性情報の必要度

階層階層分け の対象階層の定義属性情報付与 の必要度
階層 1構造全体構造物の分類(道路土構造物、山岳トンネル、 橋梁、樋門・樋管 等)必須
階層 2構造体工種に相当する構成要素の集合体必須
階層 3構成要素主部材等に相当する部材要素の集合体必須
階層 4部材個別の部材、部品等に相当する最小の階層任意

(2)属性情報の詳細度(LOI)

 本要領では3 次元モデル(オブジェクト)の形状情報の詳細度及び属性情報の詳細度をそれぞれLOD(Level Of Detail)及びLOI(Level Of Information)として区別する。LOIは、概略設計、予備設計、 詳細設計、施工、維持管理の各フェーズにおいて順次追加され詳細化する。その為、オブジェクトのLODに関係なく各属性情報に割り振られるものである。

 付与される属性情報は、概略設計時はLOI 100、予備設計時はLOI 200、詳細設計時はLOI300 を目安としている。なお、附属資料2 にオブジェクト毎に適用する属性情報の詳細度を示した。

 各階層のオブジェクトに付与する各属性情報については、詳細設計レベルで必要となる規格寸法だけでなく、概略設計や予備設計レベルで付与可能な情報も含まれる。そのため、各フェーズに相当する属性情報のレベルを「属性情報の詳細度(LOI)」として定義し、各属性情報にLOI を併記することで、属性情報の過度な入力や入力不足を防止する。

 ※各フェーズのBIM/CIM モデルに一律に各フェーズのLOI の属性情報が必要ということではない。

表-9 属性情報の詳細度案

属性情報の詳細度(LOI)案
概略設計LOI100概略設計時に決定する情報
予備設計LOI200LOI100+オブジェクトの種類(名称、形式、用途等)
  詳細設計LOI300LOI200+設計仕様(規格、寸法)
LOI350LOI300+後工程で必要な情報 (例 数量、施工区分、塗装、鋼材寸法値等)
施工LOI400LOI300+製品仕様・完成仕様(竣工時の品質等)
維持管理LOI500LOI400+維持管理情報

(3)オブジェクトに付与する属性情報

 階層1~3 については、表8 に示すように属性情報の付与が必須となる。本要領によって作成される3 次元モデル成果物に記載される属性情報は附属資料2 による。階層4 については、付与された属性情報の部材毎の項目や属性情報のユースケースについて共通認識が持たれていないことから、本要領では必須としていない。ただし、構造要素より細分化した部材の単位で属性情報を付与すべき場面があることから、発注者が指定するリクワイヤメントに応じて、受発注者協議により当該オブジェクトに必要となる属性情報を付与する。なお、階層4 のオブジェクトに規格、仕様等の属性情報を付与する場合、検索性等を考慮し、附属資料5 を参考に一定の命名規則によることが望ましい。

 また、「オブジェクト分類名」、「判別情報(名称)」、「規格・仕様」は直接付与とし、それ以外の属性情報は、直接付与するか、あるいは参照資料として付与するかについては任意とする。なお、アンカーボルトや塗装等の3 次元モデル化しないものは、基本的に参照資料として付与する。
 概略設計及び予備設計に本要領を準用する場合、属性情報は付与しなくてもよい。

表-10 属性情報の概要

属性分類摘要
ID各オブジェクトを一意に判別するソフトウェア固有の ID 番号
オブジェクト分類名オブジェクトの名称(例:カルバート、道路土構造物)
判別情報オブジェクトの位置情報など(例:G1 桁、A1 橋台)
種類・形式形状等の種類(例:ボックスカルバート、アーチカルバートなど)、 または工法等(例:現場打コンクリート、プレキャストコンクリ ート)
規格・仕様材料の規格(例:鋼材規格    SM400A、コンクリート規格 普通 21-8-20     N)、または規格で表現できない個別の情報(例:鋼材 の塗装仕様、鉄筋の防錆仕様など)

(4)属性情報の標準化

 属性情報は機械判読可能な標準化された情報とする。データ交換を想定したデータ形式を設定することとし、コードではなくテキストデータを標準化する。テキストデータは、機種依存文字の使用を禁止し、英数は半角のみ、カタカナは全角のみとする。附属資料-5 に具体的な標準化された最低限のテキストデータの一覧を示す。

注:ID は各オブジェクトを一意に判別するGuid 等のソフトウェア固有の番号である。

図-5 道路詳細設計におけるオブジェクト分類・属性情報の付与例

※階層1~階層3 への属性情報の付与は必須としているが、使用するソフトウェアがオブジェクトの階層化に対応していない場合は階層3 のみの入力でよい。

注:ID は各オブジェクトを一意に判別するGuid 等のソフトウェア固有の番号である。

図-6 山岳トンネル詳細設計におけるオブジェクト分類・属性情報の付与例

※階層1~階層3 への属性情報の付与は必須としているが、使用するソフトウェアがオブジェクトの階層化に対応していない場合は階層3 のみの入力でよい。

注:ID は各オブジェクトを一意に判別するGuid 等のソフトウェア固有の番号である。

図-7 橋梁詳細設計におけるオブジェクト分類・属性情報の付与例

※階層1~階層3 への属性情報の付与は必須としているが、使用するソフトウェアがオブジェクトの階層化に対応していない場合は階層3 のみの入力でよい。

注:ID は各オブジェクトを一意に判別するGuid 等のソフトウェア固有の番号である。

図-8 樋門・樋管詳細設計におけるオブジェクト分類・属性情報の付与例

※階層1~階層3 への属性情報の付与は必須としているが、使用するソフトウェアがオブジェクトの階層化に対応していない場合は階層3 のみの入力でよい。

注:ID は各オブジェクトを一意に判別するGuid 等のソフトウェア固有の番号である。

図-9 築堤・護岸詳細設計におけるオブジェクト分類・属性情報の付与例

※階層1~階層3 への属性情報の付与は必須としているが、使用するソフトウェアがオブジェクトの階層化に対応していない場合は階層3 のみの入力でよい。

出典:「BIM/CIM 活用ガイドライン(案)第2 編 河川編」p.62

注:ID は各オブジェクトを一意に判別するGuid 等のソフトウェア固有の番号である。

図-10 水門詳細設計におけるオブジェクト分類・属性情報の付与例

※階層1~階層3 への属性情報の付与は必須としているが、使用するソフトウェアがオブジェクトの階層化に対応していない場合は階層3 のみの入力でよい。

出典:「BIM/CIM 活用ガイドライン(案)第2 編 河川編」p.85

注:ID は各オブジェクトを一意に判別するGuid 等のソフトウェア固有の番号である。

図-11 堰詳細設計におけるオブジェクト分類・属性情報の付与例

※階層1~階層3 への属性情報の付与は必須としているが、使用するソフトウェアがオブジェクトの階層化に対応していない場合は階層3 のみの入力でよい。

出典:「BIM/CIM 活用ガイドライン(案)第2 編 河川編」p.87

注:ID は各オブジェクトを一意に判別するGuid 等のソフトウェア固有の番号である。

図-12 排水機場詳細設計におけるオブジェクト分類・属性情報の付与例

※階層1~階層3 への属性情報の付与は必須としているが、使用するソフトウェアがオブジェクトの階層化に対応していない場合は階層3 のみの入力でよい。

出典:大河津分水路「にとこみえ~る館」パンフレットhttps://www.hrr.mlit.go.jp/shinano/bunsui/event/dayori/mie20200909.pdf

注:ID は各オブジェクトを一意に判別するGuid 等のソフトウェア固有の番号である。

図-13 床止め・床固め詳細設計におけるオブジェクト分類・属性情報の付与例

※階層1~階層3 への属性情報の付与は必須としているが、使用するソフトウェアがオブジェクトの階層化に対応していない場合は階層3 のみの入力でよい。

注:ID は各オブジェクトを一意に判別するGuid 等のソフトウェア固有の番号である。

図-14 海岸堤防護岸詳細設計におけるオブジェクト分類・属性情報の付与例

※階層1~階層3 への属性情報の付与は必須としているが、使用するソフトウェアがオブジェクトの階層化に対応していない場合は階層3 のみの入力でよい。

注:ID は各オブジェクトを一意に判別するGuid 等のソフトウェア固有の番号である。

図-15 突堤詳細設計におけるオブジェクト分類・属性情報の付与例

※階層1~階層3 への属性情報の付与は必須としているが、使用するソフトウェアがオブジェクトの階層化に対応していない場合は階層3 のみの入力でよい。

注:ID は各オブジェクトを一意に判別するGuid 等のソフトウェア固有の番号である。

図-16 海域堤防詳細設計におけるオブジェクト分類・属性情報の付与例

※階層1~階層3 への属性情報の付与は必須としているが、使用するソフトウェアがオブジェクトの階層化に対応していない場合は階層3 のみの入力でよい。

注:ID は各オブジェクトを一意に判別するGuid 等のソフトウェア固有の番号である。

図-17 砂防構造物・地すべり防止施設詳細設計におけるオブジェクト分類・属性

情報の付与例(集水井工)

※階層1~階層3 への属性情報の付与は必須としているが、使用するソフトウェアがオブジェクトの階層化に対応していない場合は階層3 のみの入力でよい。

3-2-3 3 次元モデルから切り出した2 次元平面の位置

3 次元モデルには、2 次元形状データを切り出した平面の位置を示す。

【解説】
 3 次元モデルから切り出し、または投影して作成した2 次元形状データを元に、寸法線や注記情報を加えて、最終成果物となる2 次元図面を作成することを基本としており、この際の2 次元形状データの切り出し位置がわかるよう、3 次元モデルに切り出した平面位置を示す。切り出し位置の表現手法は構造物毎によって異なるが、切り出し位置をアノテーション平面等の矩形にて示すことや、断面番号、断面名称あるいは測点番号等がわかるように表示するのがよい。なお、ソフトウェアの機能等により2 次元形状データを作成できない場合は対象外とする。

図-18 2 次元形状データを切り出した平面の位置及び2 次元図面の表示例(測点番号)

3-2-4 3 次元モデル上における設計条件(建築限界、用地境界、施工影響範囲等)

建築限界範囲、用地境界、施工影響範囲等の設計条件、設計申し送り事項等のうち後工程へ引き継ぐ必要性の高い情報については、関連する3 次元モデル成果物内に(色分け等により)視認可能な状態で明示するとともに、必要に応じて注記、寸法、属性情報の付与、参照資料の紐づけ等を行う。

【解説】
 これまで建築限界、用地境界、施工影響範囲等の設計条件は、2 次元図面では表現が難しく代表断面以外での干渉チェックが困難であった。3 次元モデルを活用することにより、こうした干渉チェックが容易になることが期待される。また、設計申し送り事項を3 次元モデル上で注記等として明示することにより、後工程における適切な対応が期待される。本要領では、これらのうち、必要性の高い情報を空間上のオブジェクトとして作成することを求めている。たとえば施工影響範囲であれば、クレーンの空頭作業範囲、掘削沈下による影響範囲等が考えられる。なお、設計条件等については、一覧化した表形式のデータ、設計意図を表現している設計条件表や標準横断図が作図されている2 次元図面等を参照資料として付与することが方法の一つとして考えられる。

 3 次元モデル上において、既設道路や交通施設の建築限界、用地境界等を精度よく描画するためには、前工程の測量時の座標系や測量時期及びその状況写真等を確認の上、業務開始時の現地踏査により、現状を精度よく反映されているか確認する必要がある。現況地形及び現況地物のサーフェス作成のための点群データ等が不足している場合は、3D レーザースキャナ測量、UAV 測量等による補足測量を提案し、受発注者協議のうえ実施する。

出典:新大宮上尾道路におけるBIM/CIM 活用について 大宮国道事務所
http://www.ktr.mlit.go.jp/soshiki/soshiki00000119.html
図-19 3 次元モデルによる離隔の確認

3-2-5 基準点オブジェクト

 後工程におけるBIM/CIM モデルの正確な重ね合わせ等のため、附属資料4 に基づき、BIM/CIM モデルの位置を定める公共基準点(A)、向きを定める公共基準点(B)の2 点を受発注者協議により選定し、当該公共基準点を基準点オブジェクトとして作成する。基準点オブジェクトは位置情報が関連する全ての3 次元モデル成果物(地形モデル、構造物モデル、土工形状モデル等)内に作成し、BIM/CIM モデル作成事前協議・引継書シートの公共基準点関係の内容を属性情報として付与する。

【解説】

 詳細は附属資料4 による。公共基準点(A)(B)の選定にあたっては、測量成果等に基づき、対象物に最も近い公共基準点から選定する。

 また、基準点オブジェクトの形状は以下が望ましい。

  • 3 次元モデルの場合は逆円錐、逆三角錐、逆四角錐とする。
  • 2 次元形状モデルの場合は円、三角形、四角形を標準とする。
  • 形状は、ズームイン、ズームアウトを行っても視認できるサイズとする。

3-2-6 3 次元モデル成果物のファイル形式

 3 次元モデル成果物のファイル形式については、オブジェクトの性質に応じてBIM/CIM モデル等電子納品要領(案)及び同解説に規定するモデル毎に作り分けることとし、地形モデル、土工形状及び線形モデルはJ-LandXML 形式及びオリジナルファイル形式、構造物モデルはIFC 形式及びオリジナルファイル形式、統合モデルはオリジナルファイル形式とする。

【解説】
 国際標準の採用を念頭に置いて、IFC 形式及びJ-LandXML 形式による納品についても求めている。

3-3 格納フォルダ、ファイル命名規則

 3 次元モデル成果物の格納フォルダ、ファイル命名規則は、BIM/CIM モデル等電子納品要領(案)及び同解説による。

【解説】
 電子納品対象となる3 次元モデル成果物の格納先は、図-20 のとおりである。特別な検討のために作成された3 次元モデル及び関連するドキュメントや外部参照資料については、全てREQUIREMENT フォルダに格納する。

図-20 BIM/CIM 事業における成果品のフォルダ構成

3-4 参考文献

参考文献を以下に示す。( 参1)~参6)は、本文中に記した注記)
参1)BIM/CIM 活用ガイドライン(案) 令和4 年3 月
参2)詳細設計照査要領 平成29 年3 月
参3)土木工事等の情報共有システム活用ガイドライン 令和4 年3 月
参4)CAD 製図基準 平成29 年3 月
参5)BIM/CIM モデル等電子納品要領(案)及び同解説、令和4 年3 月
参6)CIM モデル作成仕様(検討案) 平成29 年3 月

4.後工程における3 次元モデル成果物の活用場面(想定)

本要領に準拠して作成される3 次元モデル成果物は、後工程において以下のような活用場面が考えられる。

(1)工事において考えられる活用場面

  • 設計条件(交差条件、河川条件等)の確認、及び設計照査、施工計画の検討、工事検査における活用
  • 出来形管理での活用(契約図書に準じて活用する場合は、施工者は2 次元図面と3 次元モデル成果物の整合性を確認し、監督職員の了承の下で実施)
  • ICT 活用工事における活用(元データの利用)
  • ICT 活用工事における、契約図書となる2 次元図面の3 次元化作業の軽減

(2)維持管理において考えられる活用場面(※道路の場合)

  • 点検計画の策定(立体的な構造形状と周辺地形をもとに、足場の設置、作業車の配置、点検箇所へのアプローチ、狭隘箇所の点検方法等の検討に活用)
  • 関係者協議(点検や補修工事等の関係者協議に活用)
  • 点検作業や補修工事における安全確認(第三者被害防止措置、地下埋設物の破損対策などの必要な安全対策の検討に活用)
  • 資料の一元管理(3 次元モデルをプラットフォームとして、構造物に施工記録や点検記録(写真、スケッチ等)を紐づけて管理し、検索性を向上)
  • 点検作業の効率化(3 次元プラットフォームで一元管理された情報をタブレットに保管し、点検作業に必要な資料を閲覧)
  • 点検結果の可視化(属性情報を有する画像を3 次元モデルへ紐づけすることにより合理的に可視化)
  • 損傷原因の究明(点検結果の可視化により、損傷と構造物の位置関係を明確化する)
  • ロボット点検(ロボット点検の実施方法の検討や、点検で撮影した膨大な写真等の管理に活用)

【附属資料1】オブジェクトツリー図

【附属資料1】オブジェクトツリー図

【附属資料2】3 次元モデル成果物作成要領(案)における属性情報一覧表

【附属資料2】3 次元モデル成果物作成要領(案)における属性情報一覧表

【附属資料3】3 次元モデル成果物作成要領(案)に基づく3 次元モデルの作成資料

【附属資料3】3 次元モデル成果物作成要領(案)に基づく3 次元モデルの作成資料

【附属資料4】プロセス間連携における基準点の扱いの効果的な運用方法

【附属資料4】プロセス間連携における基準点の扱いの効果的な運用方法

【附属資料5】階層4 のオブジェクトに属性情報を付与する場合の命名規則案

【附属資料5】階層4 のオブジェクトに属性情報を付与する場合の命名規則案