舗装の新設・修繕工事が終わったら
全体の流れと事前準備
工事で舗装を敷いたら、その「舗装構成」を舗装DBに登録します。この回は、入力を始める前にそろえておくものをまとめます。
このシリーズでわかること
- 舗装工事のあと、舗装DBに「何を」「誰が」登録するのか
- 登録用ID、box(クラウドストレージ)、入力様式など、始める前の準備(第1回)
- 入力様式「舗装構成」シートの項目ごとの書き方と、CSVの出し方(第2回)
- 仮登録 → 発注者の承認 → 登録完了申請までの手順と、修正の方法(第3回)
全国道路施設点検データベースの仕組みや、登録用IDの申請・支払いの流れは「全国道路施設点検データベース 実務ガイド」で詳しく解説しています。このシリーズは、舗装工事の登録作業だけに絞っています。
舗装DBに登録するもの
舗装DB(全国道路施設点検データベースの舗装分野)は、舗装の諸元、修繕履歴、点検結果、調査結果を、共通の区間情報(路線番号・路線枝番・キロポスト)でつないで蓄積するデータベースです。管理運営は一般財団法人 国土技術研究センター(JICE)です。
新設・修繕工事では、「舗装構成」テーブルに、今回の工事で敷いた層の情報を登録します。
| 情報の種類 | 登録する内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 工事区間・車線 | 路線番号、路線枝番、起終点KP、上り下り、車線 | 複数の車線や上下線をまとめて工事しても、車線ごとに行を分ける |
| 各層の諸元 | 材料、バインダ、上面処理、敷設年月、厚さ、材料の供給元 | 工事で触らなかった下の層は、DBに登録済みのデータや舗装台帳から入れる |
| その他 | 補修理由、施工業者 | 補修理由は発注者に確認して書く |
| 添付ファイル | 工事範囲の平面図、舗装断面図(工事後の構成)、施工写真帳、工事報告書など | 発注者と相談して、今後の維持管理に役立つものを登録する |
記録の単位
| 延長方向 | 工事をした区間。区間の途中で舗装構成が変わる場合は、変化点で行を分ける |
|---|---|
| 横断方向 | 工事をした車線。車線ごとに行を分ける |
| 深さ方向 | 工事で敷いた層 |
| データの時点 | 工事が完了した時点の舗装構成 |
新設・改築工事などで、層ごとに施工業者が違う場合は、表層(第1層)を施工した業者が全層分をまとめて登録します。表層を施工しない業者は、自分が施工した層の情報をまとめ、発注者を通じて表層の施工業者へ渡してください。
全体の流れ
2026年2月のシステム更新で、登録の流れが変わりました。いまは、作ったデータをいったん「仮登録エリア」に入れ、発注者(道路管理者)の承認を受けてから、舗装DB本体に反映されます。
発注者に登録の要否と範囲を確認する
登録が必要かどうかは、工事の契約内容や発注者の指示で決まります。
登録用IDを申請する(日本みち研究所)
このページの③で説明します。
boxアカウントを用意し、舗装DBのフォルダに招待してもらう
写真や図面を登録する場合に必要です。このページの④で説明します。
入力様式をダウンロードし、工事前の舗装構成データを取得する
このページの⑤・⑥で説明します。
入力様式に入力 → 入力チェック → 地図で位置確認 → 登録用CSVを出力
第2回で説明します。
仮登録エリアにCSVを取り込み、発注者に承認を依頼する
第3回で説明します。
承認後、舗装DBへの反映を確認して、登録完了申請をする
承認から最大48時間で舗装DBに反映されます。第3回で説明します。
JICEのページには、工事向けマニュアルが2種類載っています。
- 仮登録機能利用編(2026/10/14版):仮登録エリア → 発注者の承認 という、いまの流れ
- 2025/2/16リリース対応版(2026/09/28版):舗装DBへCSVを直接アップロードする流れ
このシリーズは、新しい「仮登録機能利用編」を中心に説明します。どちらの手順で登録するかは、発注者に確認してください。
準備①:登録用IDを申請する
舗装DBに登録するには、まず日本みち研究所にデータ登録申請をして、ログインID(Gで始まる6桁)とパスワードをもらいます。
- 工事記録(舗装構成)を登録する場合は、1契約=数量1。1つの契約に複数の工区があっても1です。
- 同じ契約で舗装点検もする場合は、点検する車線延長(点検延長×車線数)もあわせて書きます。
令和8年度の登録料は、舗装の新設・修繕工事とも 税込49,500円/件(税抜45,000円) です。正式な金額は登録料金表(令和8年度)で確認してください。
申請からID発行、完了申請、支払いまでの詳しい手順は「データ登録申請の手順(受託業者)」にまとめています。
準備②:boxアカウントを用意して招待してもらう
写真、図面、報告書などの添付ファイルは、舗装DB用のクラウドストレージ(box)に入れます。登録用ID(工事契約)ごとに1つのフォルダが割り当てられます。
boxのアカウントを作る(持っていれば不要・無料)
box アカウント作成(無料)WEBhttps://account.box.com/signup/personal?tc=annual登録後、box社から届くメールの「Verify Email」を押すと完了です。招待申し込みフォームを送る
舗装DBのboxへの招待申し込みフォームWEBhttps://forms.gle/xfrqtHRGvPnNRcn97入力するのは、点検DBのログインID(6桁)、所属(会社名)、名前、boxアカウントのメールアドレスです。
box社からの招待メールで「フォルダに移動」を押す
フォルダの中に「In」と「Out」があります。
| フォルダ | 入れるもの |
|---|---|
| In | 人の顔や車のナンバープレートが写っている可能性がある写真。個人情報のマスキング(ぼかし)処理が行われます |
| Out | 図面や報告書など、マスキングが要らないファイル。In の写真は処理後に同じ名前・同じフォルダ構成でここに出力されます |
登録した添付ファイルは、道路管理者のほか、有料登録した企業や学校などもダウンロードできます。道路台帳附図に書かれた地権者名や、担当者の個人名など、公開に向かない情報は、登録前に消すかマスキングしてください。
準備③:入力様式をダウンロードしてマクロを有効にする
入力様式(マクロ付きExcel)と入力コード表は、JICEの「データの登録支援」ページからダウンロードします。
マクロが動かないときの設定(format.xlsm)
様式集はzip形式です。右クリック →「すべて展開」で解凍してから使います。解凍した format.xlsm は、そのままだとマクロがブロックされることがあります。
format.xlsm を閉じた状態で、アイコンを右クリック →「プロパティ」
「全般」タブの「セキュリティ」で「許可する」にチェックを入れて「OK」
もう一度開き、セキュリティの警告が出たら「コンテンツの有効化」を押す
準備④:工事前の舗装構成データを取得する
工事で触らなかった下の層の情報は、DBに登録済みの過去の記録から取り込めます。そのもとになる「記録単位区間別データ」(10mごとのデータ)を、舗装DBからダウンロードしておきます。
全国道路施設点検データベースにログインし、DB選択画面で「舗装」を選ぶ
全国道路施設点検データベース(ログイン)WEBhttps://road-structures-db.mlit.go.jp/メニューの「データ閲覧」→「登録データ」でデータ検索画面を開く
次の条件で検索し、「CSV出力」を押す
- データ種別:記録単位区間別データ
- 道路管理者:国 - 工事区間を管理する整備局 - 事務所
- 位置:工事区間の路線番号、路線枝番、起終点キロポスト(KP)
取り込み方は第2回で説明します。
準備チェックリスト
- 発注者に、登録の要否・どちらの手順で登録するかを確認した
- 登録用ID(Gで始まる6桁)とパスワードが届いた
- boxアカウントを作り、招待フォームを送り、招待を承認した(添付ファイルがある場合)
- 最新の入力様式集と入力コード表をダウンロードし、マクロを有効にした
- 工事区間の記録単位区間別データをダウンロードした
- 発注者から舗装台帳や標準定規図など、下の層の情報を受け取った
- JICE 全国道路施設点検データベース(舗装) https://www.jice.or.jp/pavement_db
- 02_道路舗装DB登録マニュアル(舗装新設修繕工事向け_仮登録機能利用編、2026年10月14日) https://road-basemap.box.com/s/eic5k4ccgm87yuc9rce0gc4ukwhbeud8
- 全国道路施設点検データベース(舗装)登録・利用マニュアル(舗装新設・修繕工事向け、2026年9月28日) https://road-basemap.box.com/s/lpfbc67eirk2b256fds2a4fa3o5nq7rt
- データ登録料金表(令和8年度) https://www.rirs.or.jp/tenken-db/pdf/entry/touroku_ryoukin_R8.pdf
