島根県の電子納品のやり方
日本語のフォルダ・SFC・目視チェック・媒体3枚
島根県土木部の電子納品は「国の電子納品を簡易にした方法」です。フォルダ名・ファイル名は日本語、概要書はExcelでXMLは不要、CADはSFC、チェックは目視でチェックシステムは使いません。ガイドラインは簡易版しかなく、国交省方式を選ぶ道は書かれていません。電子納品フォルダは監督職員が県の維持管理システムから出力して渡してくれます。
このページでわかること
- 対象になる工事と、対象外にできる工事
- 国土交通省の方式とのちがい(10項目)
- 電子納品フォルダの中身とファイル名の付け方
- CAD(SFC)の必須レイヤ9つ、写真(整理条件と撮影頻度)
- 維持管理システム登録用フォルダ、事前チェックシート、媒体とラベル、竣工検査
- 対象は島根県土木部(営繕・建築を除く)の工事と業務。電気通信・機械も同じガイドラインです。維持工事(浚渫、土砂リフレッシュ、伐採など)や仮設・応急工事は、監督職員の承諾で対象外にできます。
- 保存するフォルダは、監督職員が維持管理システムから出力し、初回の打合せで渡す物を使います。自分でフォルダを作り直しません。
- フォルダ・ファイル名は日本語(「01平面図.sfc」)。工事概要はExcel(監督職員から渡される様式)で、XMLは作りません。
- CADはSXF(SFC)。レイヤは TTL・BGD・BMK・STR・DIM・HTXT・MTR・CNG・DCR の9つが最低限必須。BFO・DWGは入れてはいけません。
- 電子納品チェックシステムは使いません。電子成果品事前チェックシートで目視確認します。維持管理システム登録用フォルダは、県のチェックツールでも確かめられます(任意)。
- 媒体はCD-RかDVD-Rで、正・副の2枚+写真原本(ネガの代わり)1枚の、原則3枚です。
国土交通省の方式とのちがい
ガイドラインの最後にある「国土交通省の要領・基準との差異」の表です。鳥取県とほぼ同じですが、打合せ簿のフォルダが無い点が違います。
| 項目 | 島根県(簡易版) | 国土交通省 |
|---|---|---|
| フォルダ・ファイル名 | 日本語 | 8.3形式の半角英数字 |
| CADの形式 | SXF(SFC) | SXF(P21) |
| 管理項目 | Excel | XML・DTD |
| チェック | チェックシートによる目視 | 電子納品チェックシステム |
| 工事の適用要領 | すべて統合 | 土木・電気・機械で別 |
| 業務の適用要領 | すべて統合 | 設計・測量・地質で別 |
| レイヤ | 工種・図面によらず統一(9つ) | 工種・図面ごとに取り決め |
| 線種・線色・線幅 | 基本的には任意 | 取り決めあり |
| 発注図フォルダ | なし | あり |
| 打合せ簿フォルダ | なし(情報共有システム等で電子で処理した場合はあり) | あり |
ガイドラインは「受注業者が日々管理するファイル名やレイヤに最低限のルールを決め、そのまま電子納品する」ための物で、チェックシステムでのファイル名・レイヤ名のチェックはせず、受発注者が目視で確かめると書いています。
電子納品フォルダの中身(工事)
| フォルダ・ファイル | 入れる物と決まり |
|---|---|
| 工事概要 | 監督職員から渡される資料に付いている工事概要ファイル(Excel)を編集。様式は変えない。工事番号・工事名・地区名・位置・発注事務所・監督員は維持管理システムから自動で入っている。受注者は会社名、現場代理人・主任技術者・担当者(2名まで)、最終請負金額(¥や円は付けない)、工期、工事概要を書く |
| 01 図面 | 図面目次(Excel)と、最終の各図面をSFCで。当初の図面や出来形検査用の図面は不要 |
| 02 写真 | 整理条件で選んだ写真をJPGで(「01 着手前及び完成」「02 施工状況」など) |
| 03 施工管理 | 「00施工管理資料一覧」と、品質管理・出来形管理などの資料(Word・Excel等のオリジナル) |
| 04 その他 | ほかのフォルダで管理しない、設計図書で納品が決められた物(情報共有システムで処理した協議打合簿など)。PDFとオリジナルで。無ければフォルダは作らない |
| 10 維持管理システム登録用 | 維持管理システムに登録する帳票(法令台帳・施設台帳・点検記録・修繕記録など)。中の構成は「島根県公共土木施設維持管理システム 法令・施設台帳等作成・登録マニュアル」による |
- 1ファイルは5MBまでが目安、最大10MB(施工管理は最大9.9MB)。不要なデータは入れません。
- Word・Excel・PowerPoint・一太郎・DocuWorks以外はPDFで保存し、バージョンは発注者と確認します。
- 工事概要の「工事概要」欄は、後で検索するので具体的に書きます(例:工事延長100m、コンクリートブロック積 H=3.0m L=20m A=60m2…)。「道路改良工事1式」のような書き方は避けます。
- 電子データにした物を、さらに紙に印刷して出す必要はありません。
ファイル名の付け方
| 対象 | 付け方 |
|---|---|
| 図面 | 「NN図面名称.SFC」(NNは01〜99、100枚以上なら001〜999)。NNの後ろは日本語10文字程度以内。名前で分からない図面は、図面目次の図面名欄に具体的に書く(例:04横断図1 → 横断図(No.1〜No.3)) |
| 写真 | フォルダは「NNフォルダ名」、写真は「NN写真名.JPG」(100枚以上なら3桁)。日本語10文字程度以内。番号は連番でなくてよい(着手前01〜、完成10〜、工種ごとに20番台・30番台など)。サブフォルダは3階層程度まで(ダム・トンネルなど大規模工事は5階層程度まで) |
| 施工管理 | 名前は任意だが10文字程度で中身が分かる名前(良い例「スランプ試験(24-8-20)」、悪い例「資料1」「01」「REPORT」)。紙と電子を合わせた全体の一覧表を「00施工管理資料一覧」として作る(管理区分・資料名・紙か電子か) |
- 紙でしかない試験結果表などを無理にスキャンする必要はありません。出来形管理図面(設計値と実測値を示した図)は紙で出します(現地の検査で使うため)。
- 契約関係書類は紙だけで出します(スキャン不要)。
CAD(SFC)と9つのレイヤ
| レイヤ名 | 描く物 | 参考の色(必須ではない) |
|---|---|---|
| TTL | 外枠・区切り線・文字列など | 黒(白) |
| BGD | 現況地物・等高線 | 薄めの黒(白) |
| BMK | 基準点・用地境界・文字列など | 橙 |
| STR | 計画線・構造物 | 黒・赤・青・緑・茶など |
| DIM | 寸法線・寸法値 | 黒(白) |
| HTXT | 文字・旗揚げ(家屋名・個人名などの個人情報は別レイヤが望ましい) | 黒(白) |
| MTR | 材料表タイトル・材料表・文字列など | 黒(白) |
| CNG | 変更レイヤ | 黒・赤・青・緑・茶など |
| DCR | 発注者着色レイヤ | 赤・青(ハッチング) |
- 形式はSXF(SFC)。作業中の形式は受発注者で決めてよく、納品時にOCF検定に合格したCADソフトでSFCに変換します。県職員用CADのBFO形式やDWG形式のファイルは入れてはいけません。
- Jw_cadなどOCF検定に合格していないソフトでも、①SFCに変換され拡張子がSFC、②SXFブラウザで全図面を見て文字化けがない、③発注者がSXFブラウザで数枚を印刷して文字化けがない、の全部を満たせば使ってよい、とよくある質問で回答しています。
- 9つのレイヤが最低限必須で、それより細かく分けるのは受発注者で決めます。枝番は「TTL-1」「STR-2」のように半角英数字で。国交省のCAD製図基準のライフサイクル「C-」「M-」は付けません。
- 線種・線色・線幅は、白黒で印刷して見やすいことだけが条件。黄色・水色・薄緑、背景が白のときの白は見えにくいので注意します(カラーの図面を白黒コピーすることがあるため)。
- フォントはゴシックを基本に一般的な物を使い、外字は不可。A1を50%縮小したA3でも読める大きさにします。図面はA1が標準(平面図・縦断図は事前に確認)。
- 最後はOCF検定に合格したSXF対応ソフトで開き、文字化けがないか確かめます。図面は概ね5MB程度以下(やむを得なくても10MBまで)。
- 発注図は、発注者が「01平面図」のように名前を整理してCD-R等(少なければメール)で、SFC形式で渡します。電子データは契約図書ではないので、入札時のPDFと必ず照合します。簡易ガイドラインに準拠していない古いCADデータを貸与された場合は、CADの決まりに準拠せずに納品してよい(当面の措置)とされています。
写真:整理条件と撮影頻度を分ける
| 区分 | 入れ方 |
|---|---|
| 整理条件(電子納品の写真) | 撮影頻度で撮った写真から、写真管理基準の「整理条件」で示す物を選んで「02 写真」に入れる。類似の写真を何枚も入れない。不可視部(配筋・基礎部など)は適切な枚数を入れる。写真管理ソフトは使ってはいけない(日本語のフォルダ・ファイル名で整理) |
| 撮影頻度(写真原本) | ネガの代わりとして、別の媒体1枚で出す。電子納品の決まりに従う必要はないが、必ず工種単位などでフォルダか写真管理ソフトで整理する。日本語フォルダ、国交省のデジタル写真管理情報基準を参考にした格納(XMLは任意)、市販ソフトとビューアでもよい。仕分けせずに1つのフォルダに入れるのは不可(再提出) |
- 画素数は100〜200万画素程度(300〜500KB程度)。高画素で撮ってからリサイズするのは認められていません。撮る前にカメラの設定を変えます(よくある質問の回答)。
- 編集は原則不可。明るさ補正・回転・パノラマ・つなぎ写真はよいが、ファイル名の後ろに「補正」などと書き、補正内容をまとめて入れます。
- 小規模な工事(会計検査の対象外)や工種が少ない工事は、整理条件と撮影頻度に分けなくてもかまいません。撮影頻度程度の写真を上の決まりで整理して入れれば、写真原本の媒体は不要です(施工計画書の施工管理計画にその旨を書く)。
維持管理システム登録用フォルダとチェックツール
- 「10 維持管理システム登録用」には、島根県公共土木施設維持管理システムに登録する法令台帳・施設台帳・点検記録・修繕記録などを入れます。対象の施設・帳票と作り方は「法令・施設台帳等作成・登録マニュアル」を見ます。
- 令和5年10月の改定で、このフォルダを県の「法令・施設台帳等作成チェックツール」で確認できるようになりました。使うのは必須ではありませんが、目視より効率的に確かめられます。チェックツールは技術管理課のページから入手します。
- 令和5年10月1日以降に契約した工事・業務の電子成果品は、監督員が維持管理システムへ移します(9月30日以前の契約分は従来どおり県の共用ファイルサーバー)。
事前チェックから竣工検査までの流れ
- 受注者・監督職員
着手時に協議し、電子納品フォルダと発注図を受け取る
電子納品をするか、使うCADソフト、メールの容量制限、Word・Excelのバージョン、電子にしない書類を決めます(打合せ簿やメールで確認)。監督職員は維持管理システムから電子納品フォルダを出力し、図面などの設計図書と一緒に渡します。
- 受注者
施工中から電子データで作り、ウイルスチェック
Eメールで書類を出した場合の格納方法は別のマニュアル(Eメールを用いた書類提出マニュアル)によります。
- 受注者・監督職員
焼く前に電子成果品事前チェックシートで確認
受注者が社内確認で使ったシートを、監督職員がもう一度チェックします。項目は、ウイルスチェックをして開いたか、フォルダ構成、ファイル名で中身が分かるか、1ファイル10MB以下、工事概要が具体的か、平面図のレイヤ分け、平面図を白黒印刷して文字化けや不鮮明な線がないか、図面がSFCで概ね5MB以下か、平面図以外の3〜5枚の抜き打ち、写真がJPGか、撮影頻度の写真が工種単位で整理されているか、維持管理システム登録用フォルダをチェックツールか目視で確認したか。シートの提出義務はなく、社印も不要です。監督職員は検疫パソコンでもウイルスチェックをします。
- 受注者・監督職員
CD-RかDVD-Rに焼き、ラベルにサイン
一度しか書き込めないCD-RかDVD-Rだけを使います。ラベルは表面に直接印刷し、監督員と受注者の主担当者が油性フェルトペンでサインします。印刷したシールは貼りません。写真原本の媒体には「(写真原本)」と分かるように書きます。
- 受注者
正・副と写真原本、電子媒体納品書、紙の資料を出す
電子媒体納品書(工事用の様式)に署名して一緒に出します。枚数/総枚数には写真原本の媒体を含めません。紙で管理した資料は1部。
- 受注者・検査員
竣工検査は紙と電子の併用
電子で検査するのは写真管理資料・施工管理資料・維持管理システム登録資料(情報共有システムを使った場合は施工計画書・打合簿・段階確認なども)。契約図書と出来形管理図面は紙で検査します。発注者の事務所で検査するときは機器は基本的に発注者が、現場事務所などでは受注者がノートパソコンとマウス2個を用意します。中間検査・出来形検査も同じで、検査する資料を入れた媒体を別に作ります。
問い合わせ先
- 各事務所等のCALS担当、または島根県 土木部 技術管理課 長寿命化推進室(ガイドライン記載の窓口)。技術管理課のページでは、公共土木施設の老朽化対策・i-Constructionは建設DX推進室 電話 0852-22-6014 と案内しています。
- 電子納品をする範囲や紙で出す書類は、着手時に監督職員と協議します。
提出前チェックリスト
- 監督職員から渡された電子納品フォルダを使い、工事概要(Excel)の様式を変えずに書いた
- 図面は最終の物だけをSFCで、「NN図面名称」の名前と図面目次を作った(BFO・DWGは入れていない)
- TTL・BGD・BMK・STR・DIM・HTXT・MTR・CNG・DCRのレイヤに分け、SXFブラウザで文字化けを確認した
- 写真は100〜200万画素で撮影(リサイズしていない)、整理条件の写真を写真管理ソフトを使わずに整理した
- 撮影頻度の写真原本を工種単位で整理し、別の媒体にした(小規模工事で不要とした場合は施工計画書に記載)
- 「00施工管理資料一覧」で紙と電子の別を書き、出来形管理図面は紙で用意した
- 維持管理システム登録用フォルダをチェックツールか目視で確認した
- 1ファイル10MB以下(図面は概ね5MB以下)
- 電子成果品事前チェックシートで監督職員と確認した
- CD-RかDVD-Rで正・副+写真原本、ラベルは直接印刷(シール不可)、監督員と主担当者のサイン、電子媒体納品書
あわせて読みたい
- 都道府県の電子納品 一覧表(完成図の要否・CAD形式・独自チェック)
- 鳥取県の電子納品のやり方(同じく日本語のフォルダ・目視チェック)
- 大分県の電子納品のやり方(日本語のフォルダ・目視チェック)
- SXF(P21・P2Z・SFC・SFZ)の違いと変換のやり方
- 島根県 技術管理課「電子納品」(島根県の電子納品の特徴、ガイドライン、記入シート、事前チェックシート、電子媒体納品書、保管管理・利活用マニュアル) https://www.pref.shimane.lg.jp/infra/kouji/kouji_info/cals_ec/denshi_nohin.html
- 電子納品運用ガイドライン(簡易版)〔島根県土木部〕【業務編・工事編】令和5年10月(1、3【工事編】、4〜6) https://www.pref.shimane.lg.jp/infra/kouji/kouji_info/cals_ec/denshi_nohin.data/guide_dobokuR510.pdf
- R5.10改定内容 https://www.pref.shimane.lg.jp/infra/kouji/kouji_info/cals_ec/denshi_nohin.data/guide_kaitei_R510.pdf
- 島根県 よくある質問と回答(電子納品運用ガイドライン) https://www.pref.shimane.lg.jp/infra/kouji/kouji_info/cals_ec/faq.html
- 島根県 法令・施設台帳等作成チェックツール https://www.pref.shimane.lg.jp/infra/kouji/kouji_info/rokyuka/manual.html
