【2026年10月 PHP脆弱性】点検DB・コリンズ・国交省サイトなど建設系データベースの停止・再開まとめと、受注者・発注者・自社サイトの対応策 | 電子納品サポート

【2026年10月 PHP脆弱性】点検DB・コリンズ・国交省サイトなど建設系データベースの停止・再開まとめと、受注者・発注者・自社サイトの対応策

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緊急まとめ(2026年11月5日時点)

PHP脆弱性で止まった
建設系データベースと対応策

2026年10月21日、Webサイトを動かすプログラム言語「PHP」に重大な脆弱性が公表されました。国の呼びかけもあって、点検DBや国交省のサイトなど、ふだん仕事で使うデータベースが相次いで止まりました。どこが止まって、いま何が変わっているのか。利用者と、自社サイトを持つ会社がやることをまとめます。

各サイトの状況は2026年11月5日に公式のお知らせで確認したものです。その後に変わっていることがあるので、作業の前には各サイトのお知らせを確認してください。

このページでわかること

  • 今回のPHPの脆弱性(PHP2Shell)で何が起きたのか、3分でわかる要点と時系列
  • 点検DB・コリンズ/テクリス・国交省サイトなど、建設・公共系サイトの停止と再開の状況
  • 停止のあいだに「やり方が変わったこと」と、受注者・発注者が確認すること
  • 自社のホームページや業務システムでPHPを使っている会社がやること
  • 公式のお知らせがどこに載るか(ブックマーク用の一覧)
先に結論
  • データベースを使うだけの人は、パソコン側で何かを入れ直す必要はありません。止まっていた期間に登録・申請したデータが、きちんと反映されているかを確認してください。
  • 自社でホームページ(WordPress など)や業務システムを動かしている会社は、PHP を修正版(8.5.12/8.4.27/8.3.36/8.2.35 以上)にしたかを、今日中にサーバー会社か保守会社に確認してください。
  • PHP 7系・8.1 には通常の修正版が出ていません。使い続けている場合は移行を急ぎます。

何が起きたのか(要点)

名前PHP2Shell(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619 の2件)。深刻度は CVSS 9.2
どんな危険ログインしなくても、外からサーバー上でプログラムを動かされるおそれがあります(リモートコード実行)
対象Web のリクエストを処理するすべての PHP(PHP-FPM、Apache の mod_php、php-cgi、FrankenPHP、LiteSpeed)。PHP 開発元は mod_php が最もリスクが高いとしています
修正版PHP 8.5.12 / 8.4.27 / 8.3.36 / 8.2.35(日本時間 2026年10月21日夜に公開)
修正版がない版PHP 8.1 以前(7系を含む)。開発元は最小限の修正をソースコードで出しただけで、通常の修正版はありません
攻撃の状況JPCERT/CC によると、実証コードが多数公開され、悪用を試みる通信も報告されています。米国 CISA は 10月26日(現地時間)に「悪用が確認された脆弱性」の一覧(KEV)に追加しました

今回の特徴は、国が「すぐ直せないなら、サイトを一時停止するのも有効」と呼びかけたことです。そのため、国の機関、自治体、金融機関、大学、通販サイトなどが、予防のためにサイトを止めました。各社の告知を数えたセキュリティブログの集計では、一時停止した組織は200を超えています。

時系列(日本時間)

日付できごと
10月21日PHP 開発元が重大なセキュリティリリースを予告。IPA が「PHP を使っているものを棚卸ししてください」と事前準備を呼びかけ。昼から一部の民間サービスが予防のために停止
10月21日 夜首相が X で、今夜中の確認と修正の準備、すぐ適用できない場合の一時停止を呼びかけ。国家サイバー統括室も同じ趣旨を発信。PHP の修正版が公開
10月22日IPA と JPCERT/CC が注意喚起を公表。道路橋DB・舗装DBが10時ごろから緊急停止(同日再開)。国交省がホームページの一部を停止。厚生労働省関係は午後3時時点で31サイトを停止と報道
10月23日PHP 開発元が、セッションのアップロード進捗機能に関する追加の案内(CVE-2026-115560)を公表。暫定策として session.upload_progress.enabled=0 を推奨
10月26日財務省が全コンテンツの公開を再開。CISA が KEV に追加(現地時間)。PHP の Windows 版に別件(Brotli)の修正ビルド
10月27日点検DBの基礎DBへの夜間反映処理が再開
10月29日JPCERT/CC が、ある製品で侵害の痕跡が報告されたことを追記
11月2日IPA が、VPN 機器やセキュリティ機器の Web 画面にも PHP が使われていると追記
11月4日点検DB WEB申請システム、日本みち研究所HPの点検DBページが再開

建設・公共系データベースの状況一覧

電子納品やデータ登録でよく使うサイトについて、公式のお知らせを確認しました。通常はいま使える、は使えるが確認や予定に注意、という意味です。

サイト・システム今回の動き11/5時点
道路橋DB・舗装DB
全国道路施設点検データベース
PHP の脆弱性を受けて、10月22日10時ごろから閲覧・登録を含むすべての機能を予防停止。安全確認のあと、同日中に再開。不正アクセスや情報漏えいは確認されていないとのこと通常
基礎DB(夜間反映処理)PHP の脆弱性対応のため、10月22日の夜間処理から、各DBで更新した内容を基礎DBへ反映する処理を停止。10月27日から再開
停止中の更新が反映されたか確認
点検DB WEB申請システムシステムの改修が完了し、11月4日に再開
止まっていた申請の確認
日本みち研究所HP(点検DBのページ)11月4日に再開通常
附属物DB(登録機能)横断歩道橋は10月21日から、標識・照明は10月28日から、11月4日午前まで登録を停止。理由は一元化機能のリリースと不要データの削除で、PHP とは別件通常
コリンズ・テクリス
JACIC
10月22日に検証を実施。一部の外部サービスで PHP を使っているが、提供者の対応が完了済みで、HP も含めて安心して使えると告知。停止はなし通常
JACIC NETJACIC のトップページで「緊急メンテナンスのため一時停止中」と告知(理由の記載はなし)
JACICクラウドメンテナンスのため 11月14日(土)9:00〜18:00 に停止予定。JACICルーム、コリンズ・テクリス検索とコブリス・プラスのシングルサインオン、入札公告時資料閲覧が使えません。期間中は各システムのHPから直接ログイン
国土交通省ホームページ10月22日、PHP で動くコンテンツの一部を停止し、緊急点検と修正を実施したと報道通常
国土数値情報10月21日と22日にシステムメンテナンスを実施(お知らせに PHP の記載はなし)通常
国土地理院(基盤地図情報など)11月4日のシステム更新のあと、基盤地図情報ダウンロード、地図・空中写真閲覧、測量成果ワンストップなどを再開(お知らせに PHP の記載はなし)通常
電子入札(e-BISC)10月23〜26日に定期メンテナンス。次は11月20日(金)18:00〜11月24日(火)8:30(PHP の記載はなし)
電子納品に関する要領・基準
cals-ed.go.jp
PHP 関連のお知らせはなし通常
KuniJiban・NETIS・水文水質DB・ハザードマップポータルPHP 関連のお知らせはなし通常
ほかの省庁の例

財務省は PHP で動くコンテンツの一部を止め、10月26日にすべての公開を再開しました。厚生労働省関係では、10月22日午後3時の時点で、同省と関係する独立行政法人などの31サイトが止まったと報じられています。

停止で「やり方が変わった」こと

サイトが止まっただけでなく、データの流れや使い方が一時的に変わったものがあります。とくに点検DBにデータを登録している人は確認してください。

  1. 基礎DBへの反映が5日ほど止まっていた

    10月22日夜から10月26日夜までの間、道路橋DB・舗装DBなどで更新した内容は、基礎DBにすぐには反映されませんでした。処理は10月27日に再開しています。この期間に更新したデータは、基礎DB側にも反映されているか確認しておくと安心です。

  2. 点検DB WEB申請システムが改修後に再開した

    11月4日に、システムの改修が終わって再開しました。停止中に出せなかった登録用IDの申請などがあれば、あらためて手続きします。画面や手順が変わっていないかも、最初に一度確認してください。申請の流れは「データ登録申請の手順」にまとめています。

  3. JACICクラウドのシングルサインオンが11月14日に使えない

    11月14日(土)9時〜18時は、JACICクラウドからコリンズ・テクリス検索システムやコブリス・プラスへ入るシングルサインオンが止まります。この日に使う人は、各システムのホームページから直接ログインします。

受注者・発注者がやること

データベースを「使う側」の人は、PHP の更新作業をする必要はありません。やることは、止まっていた期間の影響の確認と、だましへの注意です。

  1. 止まっていた期間に登録・申請したデータを確認する

    10月21日〜11月4日の間に、点検DB(道路橋DB・舗装DB・附属物DB・基礎DB)や WEB申請システムで作業した場合は、仮登録のままになっていないか、内容が反映されているかを確認します。舗装DBの登録手順は「舗装DB登録 実務ガイド」にまとめています。

  2. 提出期限にかかった場合は、発注者に早めに相談する

    システムが止まって登録や申請ができなかった場合は、停止のお知らせの日時を控えたうえで、発注者(監督職員)に相談します。打合せ簿などで記録を残しておくと、後で説明しやすくなります。

  3. 「PHP対応のため」をうたうメールや偽サイトに注意する

    大きなニュースのあとは、「緊急対応のためパスワードを再設定してください」といった、だましのメールが増えがちです。ログインはブックマークした正しい URL から行い、メールのリンクからは入らないようにします。点検DBのトップページにも、偽サイトへの注意が載っています。

  4. 止まったときの代わりの手段を知っておく

    点検DBの無償公開データを見るだけなら、ログイン不要の「全国道路施設点検データベース~損傷マップ~」が使えます。見方は「データの閲覧・取得とAPI」で紹介しています。

公式のお知らせが載る場所(ブックマーク用)

全国道路施設点検データベース(トップの「お知らせ」欄)WEBhttps://road-structures-db.mlit.go.jp/道路橋DB・舗装DB・附属物DB・基礎DBのお知らせは、トップページの一覧にまとめて載ります(個別のページはありません)。
コリンズ・テクリス お知らせWEBhttps://cthp.jacic.or.jp/
JACIC(重要なお知らせ)WEBhttps://www.jacic.or.jp/
電子入札コアシステム(e-BISC)メンテナンス情報WEBhttps://www.e-bisc.go.jp/
国土地理院 サービスの停止・再開のお知らせWEBhttps://www.gsi.go.jp/MAP/service_notice_00002.html
国土数値情報 お知らせWEBhttps://nlftp.mlit.go.jp/i_news.html

自社でPHPのサイト・システムを持つ会社がやること

建設会社や設計事務所のホームページは、WordPress など PHP で動いていることがよくあります。採用ページ、施工事例、問い合わせフォーム、社内の工事管理システムも要注意です。WordPress 本体やプラグインを更新しても、この脆弱性は直りません。直すのはサーバーの PHP そのものです。

  1. 自社

    PHP を使っているものを洗い出す

    ホームページ、問い合わせフォーム、社内システム、レンタルサーバー上のサイトを書き出します。IPA は、VPN 機器や UTM などのセキュリティ機器の管理画面にも PHP が使われていることがあると注意しています。機器はメーカーのお知らせを確認します。

  2. 自社

    PHP のバージョンを確認する

    レンタルサーバーなら、管理画面の「PHP バージョン設定」などで確認できます。WordPress なら、管理画面の『ツール-サイトヘルス-情報-サーバー』にも表示されます。8.5.12/8.4.27/8.3.36/8.2.35 以上なら修正済みです。

  3. サーバー会社・保守会社

    修正版になっていなければ、更新を依頼する

    レンタルサーバーでは、サーバー会社が同じ系統の PHP を順次更新していることが多いので、サーバー会社のお知らせを確認します。自社で管理しているサーバーや、保守会社に任せているシステムは、更新日と更新後のバージョンを書面やメールで返してもらいます。

  4. 自社

    7系・8.1 を使っていたら、移行を決める

    PHP 7系と 8.1 には通常の修正版がありません。8.2 も 2026年12月31日でサポートが終わるので、移行するなら 8.3 以上を選びます。古いテーマやプラグインが動かないことがあるので、テスト用のサイトで確かめてから切り替えます。

  5. 自社

    すぐ直せないときは、暫定策かアクセス制限・一時停止

    PHP 開発元が示した暫定策は、session.upload_progress.enabled=0 を設定し、すべての PHP ワーカーを再起動することです(ini_set() や .user.ini での設定は不可)。ただし開発元は「完全な緩和策はなく、更新だけが安全」としています。社内向けのシステムなら、接続元 IP の制限や VPN の内側に置く、それもできなければ一時停止を検討します。

  6. 自社

    更新したあとも、侵入の跡がないか調べる

    JPCERT/CC は、異常に長い PHPSESSID の Cookie、不審な multipart/form-data のリクエスト、メモリ上限エラーや HTTP 500 の急増、PHP ワーカーの異常終了などを確認するよう呼びかけています。修正前に入り込まれている可能性があるためです。

保守会社への確認メールに書くこと
  • 対象のサイト・システム名と URL
  • 現在の PHP のバージョンと、修正版(8.5.12/8.4.27/8.3.36/8.2.35 以上)への更新日
  • 7系・8.1 の場合の移行の予定
  • JPCERT/CC の注意喚起にある侵害の確認をしたかどうか
Windows のパソコンで PHP を使っている場合

開発や社内ツールで Windows 版の PHP を使っている場合は、10月26日に別件(Brotli の脆弱性)の修正ビルド(8.5.12-1 など)も出ています。PHP 公式サイトのニュースを確認してください。

よくある質問

質問答え
点検DBやコリンズを使っていたが、自分のパソコンは危ないの?今回の脆弱性はサーバー側の PHP の問題です。サイトを見たり登録したりした利用者のパソコンに、直接の対応は必要ありません
停止したサイトから情報は漏れたの?道路橋DB・舗装DBは、停止の時点で不正アクセスや情報漏えいは確認されていないと告知しています。今後の続報は各サイトのお知らせを確認してください
CAD や電子納品チェックシステムに影響はある?パソコンにインストールして使うソフトは、今回の脆弱性の対象ではありません。電子納品の要領・基準のサイトにも、PHP 関連のお知らせは出ていません
自社の WordPress を更新したから大丈夫?WordPress 本体やプラグインの更新では直りません。サーバーの PHP のバージョンを確認してください

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参照した公式情報・報道(2026年11月5日確認)