2026年11月2日確認。対象:国土交通省・一般土木のCAD製図基準 令和7年12月を使う受注者。電気通信・機械設備編や道路完成平面図の専用仕様は別に確認します。
最初に確認:自分の工事は新基準ですか?
令和7年12月のCAD製図基準は、令和8年4月1日以降に契約する工事・業務から適用されます。それ以前の契約も受発注者の協議で使えますが、作成中の図面を自己判断で一括変更しないでください。まず特記仕様書と事前協議で、適用する年月を確定します。
この記事のゴールは、図面を後から編集・利用する人が「道路の線だけ」「寸法だけ」と切り替えられ、納品時にも内容を説明できる状態にすることです。
図解:新しいレイヤ名の読み方
責任主体
施工段階の例
図面オブジェクト
構造物を表す区分の例
ユーザ定義領域
内容が分かる名称の説明例
C-STR-側溝外形は命名の構造を説明するための例です。案件指定の名称ではありません。ハイフンで区切る前半の責任主体・図面オブジェクトを押さえ、後半で内容を具体的に表します。
責任主体は測量S・設計D・施工C・維持管理M。新基準では、従来の第3階層(作図要素)と第4階層の扱いが見直され、ユーザ定義領域にまとめられました。日本語を使う場合も、使用文字などの規定と、相手のCADで読めることを確認します。
旧基準と何が違う? 作業を変えるポイント
| 見る所 | 令和7年12月での扱い | 受注者がすること |
|---|---|---|
| レイヤ名の後半 | 作図要素の規定を見直し、ユーザ定義領域へ | 旧名を機械的に削らず、図形の意味が伝わる整理にする |
| 図面オブジェクト | 工種別の使用制限をなくし、全工種で利用可能に | 別工種の例でも、描く対象に合う区分かを確認する |
| 付属資料のレイヤ一覧 | 従来の作図要素を用いた参考例 | 一覧だけを唯一の正解として、新しい名前を全部エラー扱いしない |
| 新規レイヤの管理情報 | 登録を任意化 | 納品ソフトの対応版と、必要な管理情報を確認する |
レイヤ分けのやり方:5つの手順
1.受領した図面のコピーを作る
発注図の原本を残し、作業用の複製で進めます。外部参照、画像、座標系、縮尺、既存レイヤを確認してください。見た目が同じでも、図形が別ファイルにある場合があります。
2.「図形の役割」で仕分ける
例えば側溝の詳細なら、外形線・寸法線・文字・中心線をひとまとめにせず、必要に応じて表示を切り替えられるようにします。色だけで分類すると、色を変えた時に意味が分からなくなるため、レイヤ名でも説明できる状態にします。
3.対応表を1枚作ってから移す
| 元のレイヤ | 入っている図形 | 移し先の決め方 |
|---|---|---|
| 0、図形1など | 側溝の外形と寸法が混在 | 外形と寸法を選別し、用途を説明できる区分へ |
| 設計から引き継いだレイヤ | 既設の道路線 | 既設か新設か、編集範囲と責任主体を整理する |
| 追加の文字 | 施工後に確定した寸法や注記 | 施工内容と整合し、必要な文字をまとめる |
これは整理の例です。ソフトの自動変換に任せる前に、混在する図形を人が判別します。名前の一括置換だけではレイヤ分けは完了しません。
4.1レイヤずつ表示・非表示を試す
外形を消したら寸法まで消える、非表示だった不要図形が出てくる、といった混在を探します。修正用の補助線・仮の文字・重複図形も確認します。単に全レイヤを削除・統合する方法は避けてください。
5.SXF出力後の図面で確認する
CADの作業ファイルで合っていても、納品形式への変換で線種・文字・外部参照が変わる場合があります。納品するファイルを開き直し、レイヤ名・表示切替・文字・線・縮尺・座標を確認し、対応する基準を選んだチェックシステムでも検査します。
よくあるつまずき
- 新しいレイヤ名がチェックで引っかかる
- まずソフトの対応基準・適用年月を確認します。旧基準を選んだまま新しい命名を検査していないか切り分け、該当ファイル・レイヤ・メッセージを控えて修正します。通すためだけの全レイヤ統合はしません。
- 完成平面図もこの命名に変えればよい?
- 道路工事完成図等作成要領の完成平面図には、地物・属性・幾何形状など専用の条件があります。一般のCAD命名変更だけで適合したとは判断できません。道路工事完成図等の作成・チェック手順も確認してください。
- 日本語を使えば何でもよい?
- 使用文字・文字数等の規定は残ります。納品先で読める名称と、使用ソフトが対応する形式で作成し、出力後まで確認してください。
提出前チェック
- 案件の適用基準が確定している
- 元図を残し、変更したレイヤを説明できる
- 名前だけでなく図形の分類も合っている
- 納品形式で表示切替・文字・線を確認した
- チェック結果と協議が必要な事項を記録した
公式資料と次に読む記事
根拠:CAD製図基準 令和7年12月「1-5-7 レイヤの名称」「1-5-8 ファイル・レイヤの分類方法」、付属資料2、同改定ポイント。原文は公式一覧から該当する年月の資料を開いてください。
https://www.cals-ed.go.jp/cri_point/
CAD製図基準の改定全体を確認する / 電子納品チェックシステムの使い方 / 事前協議チェックシートの書き方
公式資料を実務向けに整理した独自解説です。案件の特記仕様書・適用基準・受発注者協議を確認してください。資料やソフトの写しは配布せず、発行元の掲載ページへ案内しています。
