鳥取県の電子納品のやり方
日本語のフォルダ・SFC・6つのレイヤ・目視チェック
鳥取県県土整備部の電子納品は、国土交通省の方式とは大きく違う県独自の方式です。フォルダ名・ファイル名は日本語、管理ファイルはExcel、CADはSFC、チェックは事前チェックシートによる目視です。ただし、着手時の協議で国交省の要領に準拠して作ることも選べます。どちらで作るかを最初に決めるのが一番大事です。
このページでわかること
- 電子納品の対象になる工事と、県のガイドライン/国交省要領の選び方
- 国土交通省の方式とのちがい(9項目)
- 工事のフォルダ構成とファイル名の付け方
- CAD(SFC)の必須レイヤ、写真、押印書類の扱い
- 事前チェックシート、媒体とラベル、オンライン電子納品、問い合わせ先
- 工事の電子納品は、受注者が電子納品を希望した工事と、情報共有システムを使った工事が対象です。情報共有システムは県土整備部の全工事が対象(受注者が希望しなければ使わなくてもよい)。測量・設計・地質・補償の業務は全部が対象です。
- 着手時協議で、県のガイドラインか国交省の要領のどちらに準拠するかを選びます。工事写真だけを電子納品することもできます(情報共有システムを使う場合を除く)。
- 県のガイドラインで作るなら、フォルダ・ファイル名は日本語(「001 平面図.sfc」)、工事概要書.xlsxを媒体の直下に置き、XMLは作りません。
- CADはどちらで作っても SXF(SFC)。レイヤは TTL・BGD・BMK・STR・HTXT・MTR の6つが最低限必須です。
- 電子納品チェックシステムは使いません。電子成果品 事前チェックシートで受注者と監督員が目視で確かめます。
- オンライン電子納品(My City Construction)は受注者の希望で使えますが、その場合の成果品は国交省の最新の運用ガイドラインに準拠して作ります。
国土交通省の方式とのちがい
ガイドラインの「国土交通省の要領(案)・基準(案)との差異」の表を、そのまま整理しました。
| 項目 | 鳥取県のガイドライン | 国土交通省 |
|---|---|---|
| フォルダ・ファイル名 | 日本語 | 8.3形式の半角英数字 |
| CADの形式 | SXF(SFC) | SXF(P21) |
| 管理ファイル | Excel(工事概要書.xlsx) | XML・DTD |
| チェック | チェックシートによる目視 | 電子納品チェックシステム |
| 工事の適用要領 | すべて統合(1つのガイドライン) | 土木・電気・機械で別 |
| 業務の適用要領 | すべて統合 | 設計・測量・地質で別 |
| レイヤ | 工種・図面によらず統一(6つ) | 工種・図面ごとに取り決め |
| 線種・線色・線幅 | 基本的には任意 | 取り決めあり |
| 発注図フォルダ | なし(入れるなら任意で別フォルダ) | あり |
ガイドラインは「受注者が日々管理するファイル名やレイヤに最低限のルールを決め、そのまま電子納品する」ための物だと説明しています。令和4年11月の改定で、参考にする国交省の要領・基準は「着手時協議の時点で最新の物」になりました。
県のガイドラインか国交省要領かを選ぶ
| 作り方 | どうなるか |
|---|---|
| 県のガイドラインで作る | 日本語のフォルダ・ファイル名、工事概要書.xlsx、目視チェック。このページの3〜6の内容 |
| 国交省の要領で作る | 国交省の方式で作るが、CADはSFC。休日・夜間作業、品質管理、出来形管理、工程管理、写真管理、完成図の資料は OTHRS(その他フォルダ)に入れ、「その他フォルダ日本語名」に「休日・夜間作業届」「品質管理」「出来形管理」「工程管理」「写真管理」「完成図」と書く。各管理ファイルのスタイルシートも必ず作る |
| 両方を混ぜる | 情報共有システムでは県のガイドラインの成果品を自動で作れないため、書類によって準拠する要領を変えてよい(打合せ簿などはシステムが国交省方式で自動作成、施工計画書・施工管理・図面は県のガイドラインで手作業、など)。この場合もCADは必ずSFC |
| 写真だけ電子納品 | 情報共有システムを使わない工事で、協議すれば可。写真だけ国交省要領で作る場合は、PHOTOフォルダを「工事写真(撮影頻度)」フォルダの中に入れ、写真管理ソフトで作った写真管理ファイル(XML・DTD)を必ずPHOTOの中に入れる |
選んだ内容は、巻末の「事前協議シート」(準拠するガイドライン、情報共有システムの利用、電子納品の対象範囲、紙で納品する書類、ソフトとバージョン)で監督員と決めます。
工事のフォルダ構成
| フォルダ・ファイル | 入れる物 |
|---|---|
| 工事概要書.xlsx | 媒体の直下。技術企画課のページの様式を使う。媒体の枚数(正・副)、工事番号(工事監理システムによる)、工事名、工事位置、発注機関・担当部局、監督員、受注者・現場代理人・主任(監理)技術者、請負金額、工期、工事概要、特記事項、関連業務工事番号(監督員に確認、最大5業務) |
| 施工計画書 | 「001 当初施工計画」「002 第1回変更施工計画」など提出ごとのフォルダ |
| 工事打合簿 | 「指示」「協議」「承諾」「提出」「報告」の各フォルダの下に、打合せ案件ごとのフォルダを作り、鑑と添付資料を入れる |
| 段階確認 | 段階確認の項目ごとのフォルダに、段階確認書の鑑と添付資料 |
| 品質管理 | 品質管理の項目ごとのフォルダに、品質管理図表など |
| 出来形管理 | 項目ごとのフォルダに出来形管理図表など。出来形数量計算書はフォルダの直下 |
| 工程管理 | 履行報告の月ごとのフォルダに工事履行報告書の鑑と添付資料。実施工程表はフォルダの直下 |
| 図面 | 工事完成図の種別ごとのフォルダに、工事完成図をSFCで入れる。基本は工事完成図だけで、発注図を入れるのは任意(入れるなら別のフォルダ) |
| 工事写真(撮影頻度) | 写真管理基準の撮影頻度で撮った写真を、写真の種別ごとのフォルダにJPGで |
| ICON | i-Constructionのデータ。国交省のi-Construction関連要領を見て必要なフォルダを作る |
| 建設リサイクル | 再生資源利用実施書・再生資源利用促進実施書(Excel) |
| その他 | 資料の種類ごとのフォルダ(休日夜間作業届、創意工夫など)。提示資料チェックリストはフォルダの直下。休日夜間作業届を追記式で作っている場合は最終分だけ |
- 一番上のフォルダ名は固定です。各フォルダの直下には、ファイルを分類するフォルダを必ず作ります(媒体から数えて4階層目まで)。
- 分類フォルダの名前は「NNN フォルダ名」(NNNは001〜999)です。
- 何をどの形式で出すかは、巻末の「電子納品における工事完成図書一覧表」が原則です(工事概要書・建設リサイクルはExcel、打合せ簿・施工管理などは原稿ファイルかPDF、工事完成図はSFC、写真はJPG)。
ファイル名の付け方と押印書類
- ファイル名は「NNN ファイル名称.拡張子」(例:001 平面図.sfc)。NNNは001〜999で、欠番はよいが同じフォルダの中で重複させません。1000以上になったら A01、A02…Z99 と続けます。
- NNNの後ろの名前は、中身がすぐ分かる日本語10文字程度にします。
- 撮影頻度で撮った写真は、この決まりの対象外です(名前を変えなくてよい)。
- 紙で決裁が必要な文書(施工計画書、工事打合簿、段階確認書、履行報告書など)は、押印後の鑑(副本)をスキャンし、添付書類の電子データと一緒に入れます。情報共有システムで電子決裁した物は、電子の印影が付いた鑑をそのまま入れます。
- 契約関係書類、社印が必要な書類、第三者が紙で発行した証明書、日常的に手書きで作る書類は、紙で納品するのが基本です。無駄なスキャンはしません。
- WordやExcelのバージョンは発注者に確認します。PDFはできるだけ元のデータから直接作り、発注者が持っていない専用ソフトの資料はPDFにします。
CAD(SFC)と6つのレイヤ
| レイヤ名 | 描く物 | 参考の色(必須ではない) |
|---|---|---|
| TTL | 外枠・区切り線・文字列など | 黒(背景が黒なら白) |
| BGD | 現況地物・等高線 | 薄めの黒(白) |
| BMK | 基準点・用地境界・文字列など | 橙 |
| STR | 計画線・構造物 | 黒・赤・青・緑・茶など |
| HTXT | 寸法・文字・旗揚げ | 黒(白) |
| MTR | 材料表タイトル・材料表・文字列など | 黒(白) |
- 形式はSXF(SFC)。発注者のCADソフトを用意する必要はなく、OCF検定に合格したCADソフトでSFCに変換します。
- 上の6つのレイヤが最低限必須。それより細かく分けるのは受発注者で決めます(必要以上に分けなくてよい)。枝番は半角英数字で「TTL-1」「STR-2」のように付けてかまいません。国交省の基準にある「S-」「D-」(ライフサイクル)は付けません。
- 線種・線色・線幅は、白黒で印刷して見やすいことだけが条件です。黄色・水色・薄緑、背景が白のときの白は、白黒印刷で見えにくいので注意します。
- 文字はMSゴシックを基本に一般的なフォントを使い、外字は使いません。A1をA3に50%縮小して印刷しても読める大きさにします。
- 図面はA1が標準。最後にSXFブラウザで開き、変換で文字化けがないか確かめます。1ファイルは概ね10MB程度以下(やむを得なくても概ね20MBまで、ICONフォルダは除く)。
- 発注図は、発注者が「001 平面図」のように名前を整理してCD-R等で貸与します。受注者は、発注図が仕様書と同じか、レイヤがガイドラインどおりかを確かめます。ガイドラインに準拠していないCADデータを貸与された場合は、CADの決まりに準拠せずに納品してよいとされています(平成23年9月以前の成果に対する当面の措置)。
- 平面図のレイヤ整理表(平面図レイヤ整理表.xlsx)は、測量・設計等の業務だけで作ります。
工事写真
- デジタルカメラは100〜200万画素程度(1枚300〜500KB程度)。著しく高画質なデータは避け、カメラ側で画質を設定します。
- 撮影頻度で撮った写真は、ファイル名を付け直す必要はありません。カメラから取り出したデータをそのまま、写真の種別ごとのフォルダか写真管理ソフトで整理します。
- 撮った写真は全部、写真原本として入れます(同じ写真が何枚もある物、明らかな失敗は削除)。写真原本は、明るさ補正・回転・パノラマ・つなぎ写真などの編集をしません。
- 写真管理ソフトを使ったときは、閲覧用のビューアも媒体に入れます。
- 日付の記録は必須ではありませんが、カメラの日付を設定しておくことが望ましいとされています。
目視チェックから提出までの流れ
- 受注者・監督員
着手時に事前協議シートで決める
準拠するガイドライン(県か国交省か)、情報共有システムを使うか、写真だけか全部か、紙で出す書類、ソフトとバージョン。
- 受注者
施工中から電子データで作り、完成時にウイルスチェック
ハードディスクの上で成果品を整理した段階で、最新の定義に更新したウイルス対策ソフトでチェックします。
- 受注者・監督員
電子成果品 事前チェックシートで目視確認
受注者が社内確認で使ったシートを、監督員がもう一度チェックします。項目は、ウイルスチェックをして開いたか、フォルダ構成、ファイル名で中身が分かるか、1ファイル概ね20MB以下か、概要欄が具体的か、平面図のレイヤ分け、平面図を白黒印刷して文字化けや不鮮明な線がないか、図面がSFCで概ね10MB以下か、平面図以外の3〜5枚の抜き打ち、写真がJPGで工種ごとに整理されているか。シートの提出義務はなく、工事名や社印も不要です。中身の確認が第一です。
- 受注者
完成検査は電子データで。機器は受注者が用意
検査方法は事前に監督員に確認します。書類検査は基本的に電子データで行い(紙で作った書類は紙で)、ノートパソコン、ディスプレイ、マウス2個(同じメーカーがよい)、延長コードなど閲覧に必要な機器は全部受注者が準備します。中間検査も同じです。
- 受注者・監督員
媒体を作り、ラベルにサイン
媒体はCD-R、DVD-R、HDD、フラッシュメモリー等。ラベルは表面に直接印刷し、主任監督員と現場代理人が油性フェルトペンでサインします。CD-R・DVD-Rに印刷したシールは貼りません(HDD等への貼り付けは可)。ラベルには発注者・受注者、ウイルス対策ソフト名、定義の日付、チェック年月日を書きます。
- 受注者
正・副の2部と電子媒体納品書を提出
原本性を証明するため、電子媒体納品書(所定様式)に署名・押印して媒体と一緒に出します。
- 発注者
正は発注機関、副は技術企画課へ
各発注機関が月ごとに副をまとめて技術企画課へ送り、技術企画課がデータベースに登録します。
オンライン電子納品(試行)
- 県土整備部が発注する電子納品対象の土木工事と測量等業務で、受注者が希望すれば、媒体の代わりにインターネットで納品できます(オンライン電子納品試行要領、令和6年6月12日施行)。紙の報告書は求められません。
- システムは(一社)社会基盤情報流通推進協議会の My City Construction(https://mycityconstruction.jp )。
- このときの電子成果品は、国土交通省の最新の電子納品運用ガイドラインに準拠して作ります。日本語フォルダの県方式ではない点に注意してください。
- 手順:発注者と事前協議 → 利用実績がなければ組織ユーザの作成申請とユーザ登録 → 成果品を登録 → 発注者が確認・承認(不備は差し戻し)→ 完了検査はシステム上の閲覧が原則 → 指摘があれば修正して再登録。
- データは原則「非公開」。ただし3次元点群データ(LAS形式等)や3次元設計データ(XML形式)は、そのデータだけ原則「公開」にします。
- 共同企業体は代表者のアカウントで登録し、基本情報の受注機関名に共同企業体の名前を入れます。個別の登録方法は社会基盤情報流通推進協議会へ問い合わせます。
問い合わせ先
- 鳥取県 県土整備部 技術企画課 電話 0857-26-7407(ページ記載の窓口)。
- 案件ごとの準拠するガイドラインや対象範囲は、着手時に監督員と協議します。
提出前チェックリスト
- 事前協議シートで、県のガイドラインか国交省要領か、写真だけか全部かを決めた
- 工事概要書.xlsx を媒体の直下に置き、工事番号・関連業務工事番号を監督員に確認した
- 固定のフォルダの下に「NNN フォルダ名」の分類フォルダを作った(4階層まで)
- ファイル名を「NNN 日本語10文字程度」で付けた
- 工事完成図はSFCで、TTL・BGD・BMK・STR・HTXT・MTRのレイヤに分け、SXFブラウザで文字化けを確認した
- 押印した鑑はスキャンし、電子決裁の物はそのまま入れた
- 写真は100〜200万画素程度、編集せず全部を原本として整理し、ソフトを使ったならビューアも入れた
- 電子成果品 事前チェックシートで受注者と監督員が目視確認した
- 媒体は正・副の2部、ラベルは直接印刷(CD-R・DVD-Rにシール不可)、主任監督員と現場代理人のサイン、電子媒体納品書
- オンライン電子納品にする場合は、国交省の運用ガイドラインで作り、My City Construction に登録した
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- 電子納品チェックシステムの使い方とエラーの直し方(国交省方式で作る場合)
- 鳥取県 技術企画課「電子納品・情報共有運用ガイドライン」(改定の経緯、ガイドライン、各種様式集、電子成果品事前チェックシート) https://www.pref.tottori.lg.jp/171188.htm
- 鳥取県電子納品・情報共有運用ガイドライン(令和6年10月10日一部改定)(取扱い2、電子納品編1.4・3.1〜3.6・4、巻末・別紙2・3) https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/623170/gaid20241010.pdf
- 鳥取県 技術企画課「オンライン電子納品」 https://www.pref.tottori.lg.jp/318010.htm
- オンライン電子納品試行要領(令和6年6月12日施行) https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/1360139/onlien_shikou.pdf
