BIMCIM 活用ガイドライン(案)令和4年3月 国土交通省 第5編 道路編【1】1.総則  | 電子納品サポート

BIMCIM 活用ガイドライン(案)令和4年3月 国土交通省 第5編 道路編【1】1.総則 

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【改定履歴】

  ガイドライン名称  年月  備考
BIM/CIM 活用ガイドライン(案) 第 5 編  道路編 令和 3 年 3 月  令和 3 年 3 月  制定
BIM/CIM 活用ガイドライン(案) 第 5 編  道路編 令和 4 年 3 月  令和 4 年 3 月  一部改定

はじめに

「BIM/CIM活用ガイドライン(案)」(以下、「本ガイドライン」という。)は、公共事業に携わる関係者(発注者、受注者等)が建設生産・管理システムの各段階でBIM/CIM(Building/ Construction Information Modeling, Management:ビムシム)を円滑に活用できることを目的に、以下の位置づけで作成したものである。

【本ガイドラインの基本的な位置づけ】

 これまでのBIM/CIM活用業務及び活用工事で得られた知見やソフトウェアの機能水準等を踏まえ、BIM/CIMの活用目的、適用範囲、BIM/CIMモデルの考え方、BIM/CIM活用の流れ、各段階における活用等を参考として記載したものである。
 BIM/CIMモデルの活用方策は、記載されたもの全てに準拠することを求めるものではない。本ガイドラインを参考に、適用する事業の特性や状況に応じて発注者・受注者等で判断の上、BIM/CIMモデルを活用するものである。
 詳細設計における最終的な設計成果物として納品するBIM/CIMモデルの詳細度及び属性情報等については、『3次元モデル成果物作成要領(案)』において示すが、ここで示すものは最終的な設計成果物に至るまでの各段階における目安を示したものであることに留意されたい。
 公共事業においてBIM/CIMを実践し得られた課題への対応とともに、ソフトウェアの機能向上、関連する基準類の整備に応じて、引き続き本ガイドラインを継続的に改善、拡充していく。

【本ガイドラインの構成と適用】

表-1本ガイドラインの構成と適用

構成適用
第 1 編 共通編第 1 章 総論公共事業の各段階(測量・調査、設計、施工、維持管理)で BIM/CIM を活用する際の共通事項について適用する。
第 2 章 測量
第 3 章 地質・土質モデル
第 2 編 河川編河川構造物(築堤・護岸、樋門・樋管)を対象に BIM/CIM を測量・調査、設計、施工、維持管理の各段階で活用する際に 適用する。
第 3 編 砂防及び地すべり対策編砂防構造物(砂防堰堤及び床固工、渓流保全工、土石流対策 工及び流木対策工、護岸工、山腹工)、地すべり機構解析や地 すべり防止施設を対象に BIM/CIM を調査・設計、施工、施設 の効果評価、維持管理の各段階で活用する際に適用する。
第 4 編 ダム編重力式コンクリートダム、ロックフィルダム等を対象に BIM/CIM を測量・調査、設計、施工、維持管理の各段階で活 用する際に適用する。
第 5 編 道路編道路土工・舗装工及び山岳トンネル、橋梁(上部工、下部 工)を対象に BIM/CIM を測量・調査、設計、施工、維持管理 の各段階で活用する際に適用する。
第 6 編 機械設備編機械設備を対象に BIM/CIM を調査・設計、施工、維持管理 の各段階で活用する際に適用する。
第 7 編 下水道編下水道施設のポンプ場、終末処理場を対象に BIM/CIM を調 査・設計、施工、維持管理、改築計画の各段階で活用する際に 適用する。
第 8 編 港湾編港湾施設(水域施設(泊地、航路等)、外郭施設(防波堤、 護岸等)、係留施設等)を対象に BIM/CIM を調査・設計、施 工、維持管理、改築計画の各段階で活用する際に適用する。
第 9 編 電気通信設備編電気通信設備を対象に BIM/CIM を調査・設計、施工、維持 管理の各段階で活用する際に適用する。

第5編 道路編

総則

1.1 適用範囲

 本ガイドラインは、国土交通省直轄事業における道路構造物(道路土工、トンネル、橋梁)のBIM/CIM活用業務及びBIM/CIM活用工事を対象とする。また、点群データの取得等、3次元モデルのみを取り扱う場合であっても、後工程において3次元モデルを活用可能であることから、本ガイドラインを準用する。

【解説】
 道路構造物(道路土工、トンネル、橋梁)を対象にBIM/CIMの考え方を用いて測量・調査、設計段階でBIM/CIMモデルを作成すること、作成されたBIM/CIMモデルを施工段階に活用すること、更には測量・調査、設計、施工のBIM/CIMモデルを維持管理段階に活用する際に適用する。
 施工段階からBIM/CIMモデルを作成・活用する場合も適用範囲とする。また、上記の工種、工法以外への参考とすることを妨げるものではない。

1.2 全体事業におけるBIM/CIM活用の流れ

 BIM/CIM活用業務又はBIM/CIM活用工事の実施に当たっては、前工程で作成されたBIM/CIMモデルを活用・更新するとともに、新たに作成したBIM/CIMモデルを次工程に引き渡すことで、事業全体でBIM/CIMモデルを作成・活用・更新できるようにする。

【解説】
道路構造物の設計、施工において、各段階の地形モデル、地質・土質モデル、線形モデル、土工形状モデル、構造物モデル等の作成、活用、更新する流れと、設計、施工で作成したBIM/CIMモデルを維持管理に活用する流れを図 1-1~図 1-3に示す。

<< BIM/CIMモデル作成・活用・更新の流れ【道路土工・舗装工】>>


図 1-1BIM/CIMモデルの作成・活用・更新の流れの例【道路土工、舗装工】

<< BIM/CIMモデル作成・活用・更新の流れ【トンネル】>>

図 1-2 BIM/CIMモデルの作成・活用・更新の流れの例【トンネル】

<< BIM/CIMモデル作成・活用・更新の流れ【橋梁】>>

図 1-3 BIM/CIMモデルの作成・活用・更新の流れの例【橋梁】

【参考】鋼橋における詳細設計~上部工工事へのBIM/CIMモデルの連携について

 鋼橋の上部工工事における工場製作では、工場製作側システム(自動生産情報システム)を使用し、詳細設計の2次元成果から入力を行っている。そのため現時点では、設計時に作成したBIM/CIMモデル(計画)を工場製作時に活用できないのが現状である。

 今後は、外部参照属性(「BIM/CIM活用ガイドライン(案)第1編 共通編 第1章 2.1 BIM/CIMモデル」を参照)として、設計者側の「自動設計システム」から施工者側の「自動生産情報システム」に連携可能な情報(数値情報)を定義し、両システムでデータ連携可能な仕組みが考えられる。

 将来的には、設計(計画)時の形状、工場製作時の原寸形状、各段階で付与する属性情報を包含し、一元的にデータ交換可能な橋梁プロダクトモデル(仮称)が望まれる。
※「【参考】鋼橋における詳細設計~上部工工事へのBIM/CIMモデルの連携について」で記載している外部参照属性とは、外部参照する属性情報のことを指す。

○平成29年度時点の詳細設計~上部工工事~維持管理間のBIM/CIMモデルの流れ

○当面のデータ連携実現イメージ:
  外部参照属性(設計情報)による詳細設計~工場製作間の連携

○将来的なBIM/CIMモデル交換実現イメージ:
橋梁プロダクトモデル※(仮称)による詳細設計~上部工工事~維持管理間の連携


  ※プロダクトモデルについて

 製品を製造するために必要な、形状、機能及びその他のデータによって、その製品をコンピュータ内部に実現したモデルである。(JIS B3401)
 プロダクトモデル(Product Model)は、物体を構成する部品をオブジェクトとして扱い、それぞれに形状や材質等の属性情報を持たせ、それらを関連づけていくことによって製品のデータモデルを構築しているのが特徴と言える。飛行機・自動車などのメーカーにとっては、これは既に根幹の技術となっている。造船やプラントの世界でも一般的になりつつある。これらは製品の加工や工場における自動生産(CAM/CAE と呼ばれる)と一体化して使用されるようになっている。一方建設分野においてはどうかというと、プロダクトは「構造物」のことを意味する。構造物の3次元データを設計や施工で利用するためにフェーズを超えた一体的なデータモデルとして定型化したもの、というのがプロダクトモデルの意味になる。

出典:CIM技術検討会「CIMに関する用語集」

(参考資料)「設計情報属性ファイル」によるデータ連携の取組み事例

(出典:一般社団法人日本橋梁建設協会)

1.設計情報属性ファイル交換標準(案)の変遷
 平成29 年度から詳細設計段階から工場製作段階へのデータ連携として、「設計情報属性ファイル交換標準(案)」の作成に取り組んできた。下図に示すように自動設計システムの設計情報を属性として取り込んで、工場製作時の自動生産情報システムに連携することを狙ったものである。
 平成30年度は、鈑桁形式の橋梁について、属性情報の仕様を「設計情報属性ファイル交換標準(案)」として作成した。データ形式は、電子納品でも用いられているXML形式として、少数鈑桁橋及び従来鈑桁橋の主構造に対応した仕様書を作成した。
 令和元年度は、床組構造を仕様書に追加し、鈑桁形式の橋梁について、「設計情報属性ファイル交換標準(案)」を完成させた。このデータを用いることで、自動生産情報システムの入力作業が大幅に削減される。さらに、詳細設計結果と整合した3次元モデルの自動作成にも有用である。これらは、BIM/CIMポータルサイトのリンク集に掲載されている。
 令和2年度は、箱桁形式の「設計情報属性ファイル交換標準(案)」の作成に取り組み中である。

※「自動原寸システム」は「自動生産情報システム」に読み替える。

図 1-4 データ連携実現イメージ

  1. 鈑桁形式の設計情報属性ファイル交換標準(案)
    3次元モデルの管理情報、主桁及び床組構造を構成する要素のツリー構成を下記に示す。

図 1-5 主桁のXML形式によるデータ構成

図 1-6 床組構造のXML形式によるデータ構成

3.鈑桁形式のデータ連携による効果の検証
 日本橋梁建設協会会員11社により、4種類の主な自動生産情報システムで過去に原寸処理した少数鈑桁橋及び従来鈑桁橋を選定し、「設計情報属性ファイル交換標準(案)」の項目を入力不要として、主構造(主桁及び横桁)及び付属物の本体付き金具までの原寸作業時間を机上検討で算出した。 ここで、原寸作業時間の算出は、各社で通常行っている作業範囲とし、特に範囲の限定は行っていない。
 データ連携による原寸作業の効率化の割合を下表に示す。結果の集計は、削減率の最大値と最小値を除いた単純平均の値を示す。

表 1-1 データ連携効果の少数鈑桁と従来鈑桁の比較

 橋梁規模、平面線形の違い、各社の原寸作業範囲の違い等により原寸作業時間にバラツキが出るため、原寸作業時間そのものではなく原寸作業時間の削減率の平均値を示した。入力作業については、主桁、横桁、対傾構及び横構のほぼ全ての設計情報が連携可能となる。
 鈑桁形式の橋梁建設は全体の5割強を占めており、設計情報属性ファイルによるデータ連携により、一層の効率化が図られるものと思われる。

4.設計情報属性ファイルによる3次元モデルの作成
 設計情報属性ファイルのデータは、3次元モデル作成における主要部分を構成しており、自動作成で下図の右側に示すレベルの詳細度とすることが可能であり、3次元モデル作成の手間を大幅に削減できる。

1.3 モデル詳細度

 発注者が事業の各段階で活用するBIM/CIMモデル作成時の指示時、受発注者間での3次元モデル作成の協議時には、本ガイドラインで定義したBIM/CIMモデル詳細度を用いて協議するものとする。
 作成・提出する3次元モデルについて、そのモデルの作り込みレベルを示す等の場合には、本ガイドラインで定義したBIM/CIMモデル詳細度(および必要に応じて補足説明)を用いて表記するものとする。
 地質・土質モデルに対しては、BIM/CIMモデル詳細度を適用しない。

【解説】
 工種共通のモデル詳細度の定義は、本ガイドライン「第1編 共通編 第1章 2.4 BIM/CIMモデルの詳細度」に示すとおりである。道路分野におけるモデル詳細度の定義を次表に示す。
 BIM/CIMモデルの作成・活用時の受発注者協議等は、次の定義及び本ガイドライン「3 概略、予備設計」~「6 維持管理」を参考に用いるものとする。
 なお、詳細設計の最終成果物として作成するBIM/CIMモデルの詳細度は『3次元モデル成果物作成要領(案)』によるものとする。

表 1-2 BIM/CIMモデルの詳細度(案)【道路(道路土工部)】

詳細度共通定義工種別の定義
土工部(道路)のモデル化
工種別の定義
サンプル
100対象を記号や線、単純な形状でその位置を示したモデル。対象位置や範囲を表現するモデル
(道路)緩和曲線を含まない概略の中心線のモデルで、道路幅員も含まない。
200対象の構造形式が分かる程度のモデル。
標準横断で切土・盛土を表現、または各構造物一般図に示される標準横断面を対象範囲でスイープ※させて作成する程度の表現。
対象による概略の影響範囲が確認できる程度のモデル
(道路)計画道路の中心線形と標準横断面でモデル化。地形情報に応じて盛土・切土もモデル化する。
300附帯工等の細部構造、接続部構造を除き、対象の外形形状を正確に表現したモデル。一般部の土工部の影響範囲が確認できる程度のモデル
(道路)詳細度200に加えて拡幅部や非常駐車帯といった変化部を含む土工部断面を設定し、地形情報に応じた盛土・切土をモデル化する。
また、舗装構成のモデル化も行う。
擁壁や函渠工といった大きな構造物に対しては、その巻き込み形状・配置を含めてモデル化。
交差点においては正確な影響範囲が規定された形状・配置をモデル化する。

400詳細度300に加えて、附帯工、接続構造などの細部構造および配筋も含めて、正確にモデル化する。詳細度300に加えて小構造物も含む全てをモデル化
(道路)排水構造、安全施設、路面標示といった付帯構造物等の形状、配置も含めて正確にモデル化する。


500対象の現実の形状を表現したモデル。設計・施工段階で活用したモデルに完成形状を反映したモデル

出典:土木分野におけるモデル詳細度標準(案)【改訂版】 社会基盤情報標準化委員会 特別委員会
(https://www.jacic.or.jp/hyojun/modelsyosaido_kaitei1.pdf)

※スイープ・・・平面に描かれた図形をある基準線に沿って延長させて3次元化する技法のこと。

表 1-3 BIM/CIMモデルの詳細度(案)【トンネル(山岳トンネル)】

詳細度共通定義工種別の定義
構造物(山岳トンネル)のモデル化
工種別の定義
サンプル
100対象を記号や線、単純な形状でその位置を示したモデル。対象構造物の位置を示すモデル
(トンネル)トンネルの配置が分かる程度の矩形形状又は線状のモデル

200対象の構造形式が分かる程度のモデル。
標準横断で切土・盛土を表現、または各構造物一般図に示される標準横断面を対象範囲でスイープ※させて作成する程度の表現。
構造形式が確認できる程度の形状を有したモデル
(トンネル)計画道路の中心線形とトンネル標準横断面でモデル化。坑口部はモデル化せず位置を示す。
300附帯工等の細部構造、接続部構造を除き、対象の外形形状を正確に表現したモデル。主構造の形状が正確なモデル
(トンネル)避難通路などの拡幅部の形状をモデル化する。
検討結果を基に適用支保パターンの範囲を記号等で、
補助工法は対象工法をパターン化し、記号等で必要範囲をモデル化する。
坑口部は外形寸法を正確にモデル化する。
舗装構成や排水工等の内空設備をモデル化する。
箱抜き位置は形状をパターン化し、記号等で設置範囲を示す。

400詳細度300に加えて、附帯工、接続構造などの細部構造および配筋も含めて、正確にモデル化する。詳細度300に加えてロックボルトや配筋を含む全てをモデル化
(トンネル)トンネル本体や坑口部、箱抜き部の配筋、
内装版、支保パターン、補助工法の形状の正確なモデル化。


500対象の現実の形状を表現したモデル。設計・施工段階で活用したモデルに完成形状を反映したモデル

出典:土木分野におけるモデル詳細度標準(案)【改訂版】 社会基盤情報標準化委員会 特別委員会
(https://www.jacic.or.jp/hyojun/modelsyosaido_kaitei1.pdf)

※スイープ・・・平面に描かれた図形をある基準線に沿って延長させて3次元化する技法のこと。ここでは、トンネル標準横断面を道路中心線形に沿って延長させることにより3次元モデル化している。

【解説】
詳細度300:補助工法や箱抜き形状はモデル化を省略し、その種別などを記号等により設置範囲を示すことでよい。

表 1-4 BIM/CIMモデル詳細度(案)【橋梁(鋼橋上部工構造物)】

詳細度共通定義工種別の定義
鋼橋上部工構造物のモデル化
工種別の定義
サンプル
100対象を記号や線、単純な形状でその位置を示したモデル。
対象構造物の位置を示すモデル
(橋梁)橋梁の配置が分かる程度の矩形形状、若しくは線状のモデル
200対象の構造形式が分かる程度のモデル。
標準横断で切土・盛土を表現、または各構造物一般図に示される標準横断面を対象範囲でスイープ※させて作成する程度の表現。
構造形式が確認できる程度の形状を有したモデル
(橋梁)対象橋梁の構造形式が分かる程度のモデル。
上部工では一般的なスパン比等で主桁形状を定める。モデル化対象は主構造程度で部材厚の情報は持たない。
300附帯工等の細部構造、接続部構造を除き、対象の外形形状を正確に表現したモデル。主構造の形状が正確なモデル
(橋梁)計算結果を基に主構造をモデル化する。主構造は鋼鈑桁であれば床版、主桁、横桁、横構、対傾構を指す。

400詳細度300に加えて、付属物、接続構造等の細部構造及び配筋も含めて、正確にモデル化する。詳細度300に加えて接続部構造や配筋を含めてモデル化
(橋梁)桁に対してリブや吊り金具といった部材や接続部の添接板の形状と配置をモデル化する。
また、主な付属物(ジョイントや支承)の配置と外形を含めてモデル化する。
床版内部の配筋は、主に「干渉チェック」を目的としてモデル化を行うものとし、
床版桁端部、支承部、排水桝設置箇所等との干渉部等を中心に必要に応じて作成する。
更に、各付属物の形状と配置を正確にモデル化する。
ボルト、ナット、ボルト孔など接続部はキャラクター等で表現することも可能である。


500対象の現実の形状を表現したモデル。設計・施工段階で活用したモデルに完成形状を反映したモデル

出典:土木分野におけるモデル詳細度標準(案)【改訂版】 社会基盤情報標準化委員会 特別委員会より
一部変更
(https://www.jacic.or.jp/hyojun/modelsyosaido_kaitei1.pdf)

※スイープ・・・平面に描かれた図形をある基準線に沿って延長させて3次元化する技法のこと。

【解説】
詳細度300:架設計画を行う場合は、接続部で分割されたブロック単位で外形形状を正確に表現したモデルとする。
詳細度400:数量算出が必要な場合、鉄筋継手のモデル化は算出精度に配慮して簡易なモデルとしてもよい。

表 1-5 BIM/CIMモデル詳細度(案)【橋梁(PC橋上部工構造物)】

詳細度共通定義工種別の定義
PC橋上部工構造物のモデル化
工種別の定義
サンプル
100対象を記号や線、単純な形状でその位置を示したモデル。対象位置や範囲を表現するモデル
(道路)緩和曲線を含まない概略の中心線のモデルで、道路幅員も含まない。
200対象の構造形式が分かる程度のモデル。
標準横断で切土・盛土を表現、または各構造物一般図に示される
標準横断面を対象範囲でスイープ※させて作成する程度の表現。
構造形式が確認できる程度の形状を有したモデル
(橋梁)対象橋梁の構造形式が分かる程度のモデル。
上部工では一般的なスパン比等で主桁形状を定める。モデル化対象は主構造程度で部材厚の情報は持たない。
300付属物等の細部構造、接続部構造を除き、
対象の外形形状を正確に表現したモデル。
主構造の形状が正確なモデル
PC T桁橋(上部工)であれば、主桁、間詰め床版、端横桁及び中間隔壁を指す。
PC箱桁橋(上部工)であれば、主桁、端横桁、中間支点横桁、隔壁、PC鋼材の定着突起を指す。
鉄筋及びPC鋼材についてはモデル化しない。
横桁モデル(中間支点)

400詳細度300に加えて、付属物、接続構造等の
細部構造及び配筋も含めて、正確にモデル化する。
詳細度300に加えて接続部構造や配筋を含めてモデル化
PC橋(上部工)では、ポストテンション方式ではシースの外形形状をモデル化し、
プレテンション方式ではPC鋼材の中心位置の形状をモデル化する。配筋は、主に「干渉チェック」
を目的としてモデル化を行うものとし、過密配筋部、シース等との干渉部等を中心に必要に応じて作成する。
支承,伸縮装置および排水装置などの付属物については,外形形状をモデル化する。

配筋モデル(中間支点)
500対象の現実の形状を表現したモデル設計・施工段階で活用したモデルに完成形状を反映したモデル。

出典:土木分野におけるモデル詳細度標準(案)【改訂版】 社会基盤情報標準化委員会 特別委員会
より一部引用及び一部変更
(https://www.jacic.or.jp/hyojun/modelsyosaido_kaitei1.pdf)

参考:CIMによるコンクリート構造物モデル作成ガイドライン(素案) 土木学会・建設コンサルタンツ協会
※スイープ・・・平面に描かれた図形をある基準線に沿って延長させて3次元化する技法のこと。

【解説】
詳細度400:数量算出が必要な場合、鉄筋継手のモデル化は算出精度に配慮して簡易なモデルとしてもよい。

表 1-6 BIM/CIMモデル詳細度(案)【橋梁(RC下部工構造物)】

詳細度共通定義工種別の定義
RC下部工構造物のモデル化
工種別の定義
サンプル
100対象を記号や線、単純な形状でその位置を示したモデル。対象構造物の位置を示すモデル
(橋梁)橋梁の配置が分かる程度の矩形形状若しくは線状のモデル。
200対象の構造形式が分かる程度のモデル。
標準横断で切土・盛土を表現、または各構造物一般図に示される
標準横断面を対象範囲でスイープ※させて作成する程度の表現。
構造形式が確認できる程度の形状を有したモデル
(橋梁)対象橋梁の構造形式が分かる程度のモデル。
下部工は地形との高さ関係から概ねの規模を想定してモデル化する。
300付属物等の細部構造、接続部構造を除き、
対象の外形形状を正確に表現したモデル。
主構造の形状が正確なモデル
下部工は外形形状及び配置を正確にモデル化。
橋台(下部工)であれば、壁、底版、翼壁、パラペット、基礎(杭)を指す。(踏掛版を含む)
橋脚(下部工)であれば、柱、底版、はり、基礎(杭)を指す。
鉄筋についてはモデル化しない。

400詳細度300に加えて、付属物、接続構造等の
細部構造及び配筋も含めて、正確にモデル化する。
詳細度300に加えて接続部構造や配筋を含めてモデル化
下部工は配筋モデルを作成すると共に、付属物の配置とそれに伴う開口等の下部工の外形変化を追加する。
橋台・橋脚の配筋は、主に「干渉チェック」を目的としてモデル化を行うものとし、過密配筋部等を中心に必要に応じて作成する。

500対象の現実の形状を表現したモデル設計・施工段階で活用したモデルに完成形状を反映したモデル。

出典:土木分野におけるモデル詳細度標準(案)【改訂版】 社会基盤情報標準化委員会 特別委員会
より一部引用及び一部変更
(https://www.jacic.or.jp/hyojun/modelsyosaido_kaitei1.pdf)

参考:CIMによるコンクリート構造物モデル作成ガイドライン(素案) 土木学会・建設コンサルタンツ協会
※スイープ・・・平面に描かれた図形をある基準線に沿って延長させて3次元化する技法のこと。

【解説】
詳細度400:数量算出が必要な場合、鉄筋継手のモデル化は算出精度に配慮して簡易なモデルとしてもよい。

○要素毎のモデル詳細度を設定する場合の指示方法(橋梁の例)
以下にBIM/CIMモデル作成時のモデル詳細度の協議に関する参考例を示す。各工種、各要素のモデル詳細度についてはBIM/CIMモデルの使用目的を考慮し受発注者協議等において決定するものとする。

 施設内においても、要素毎にモデル詳細度を設定することで、効率的なモデル作成が可能となる。例えば、橋梁においては下部工モデル、土留め工モデルはその目的によって詳細度を変えることがモデル作成の効率化に繋がると考えられる。このように、施設毎の全体的な詳細度だけでなく、同一施設内においてもユースケースによって対象要素毎に異なる詳細度でモデルを構築することが現実的である。
 ただし、各工種の統一的な詳細度がこれから試行されていく中で、これよりも更に細かい要素毎の詳細度を現段階で検討することは時期尚早であるため、要素毎の詳細度については定義しないものとする。
 そのため、当面は「BIM/CIMモデル詳細度(案)」を基に案件毎に設定する。その場合において業務で指示する際の対応は以下の通りとする。

【要素毎にモデル詳細度を定義する場合の指示方法】
●発注者は、モデル作成者がその作成意図を理解可能なように、BIM/CIM適用目的と各要素の詳細度を協議書に明示する。
●「BIM/CIMモデル詳細度(案)」の考え方に準じて、各要素の詳細度はモデル作成者が設定して作成する。

 以下に要素毎に詳細度を指定する協議書の参考例を示す。
 なお、詳細度を指定する要素単位は煩雑になる事を避けるためにあまり細かく分類することはせず、主要要素毎(橋梁であれば上部工と下部工)と付属物程度に区分してそれぞれ指定する事が望ましい。ただし、必要があれば要素内の一部(上部工端部や支点部)や、細部要素(ボルトや補剛材など)について指定する。

【ユースケース1】橋梁予備設計での地元協議
・・・・・・・・ 本業務で作成するBIM/CIMモデルは地元協議で用いることを目的として作成する。そのために橋梁のBIM/CIMモデルは以下の詳細度で作成する。
●上部工モデル 詳細度300(構造形式が分かりある程度の外形形状が正確な詳細度とする)
●下部工モデル 詳細度200(構造形式が分かる程度の詳細度)

【ユースケース2】橋梁詳細設計での数量算出および設計照査
・・・・・・・・ 本業務で作成するBIM/CIMモデルは数量算出および設計照査に用いることを目的として作成する。そのため、橋梁のBIM/CIMモデルは以下の詳細度で作成する。
●上部工モデル 詳細度400(要素間の干渉が確認でき、数量算出可能な詳細度)
●下部工モデル 詳細度400( 同上 )
また、詳細度については設計対象物について数量算出要領に準じた区分ができる様に属性情報を付与するものとする。

【ユースケース3】路線全体の橋梁と道路の施工計画
・・・・・・・・ 本業務で作成するBIM/CIMモデルは当該路線における全体施工計画に用いることを目的として作成する。そのために橋梁および道路の施工計画用のBIM/CIMモデルは以下の詳細度で作成する。
<道路部>
●道路土工 詳細度300(盛土・切土位置や擁壁範囲が分かるモデル)
●工事用道路 詳細度200(橋梁施工用の進入ルートおよび幅員が確認できるモデル)
<橋梁部>
●橋梁本体工 詳細度300(架設計画が行えるように主構造の外形形状が正確なモデル)
●仮設工モデル 詳細度200(掘削範囲を明示できる程度の簡易なモデル)

【ユースケース4】道路予備設計(A)での主要構造物計画図(橋梁一般図)作成
・・・・・・・・ 本業務で作成するBIM/CIMモデルは、対象路線中の主要構造物である橋梁範囲を定めるため、想定されるスパンを基に橋梁一般図相当の橋梁BIM/CIMモデルを作成する。そのため橋梁および道路のBIM/CIMモデルは以下の詳細度で作成する。
●上部工モデル 詳細度200(スパンから想定した一般的な工種で概略モデルを作成)
●下部工モデル 詳細度200(下部工の配置と斜角が分かる程度の概略形状のモデル)
●附帯工モデル 詳細度100(必要と想定される安全施設の配置を示す程度のモデル)

出典:土木分野におけるモデル詳細度標準(案)【改訂版】 社会基盤情報標準化委員会 特別委員会
より一部変更
(https://www.jacic.or.jp/hyojun/modelsyosaido_kaitei1.pdf)

1.4 属性情報等

各段階におけるBIM/CIMの活用目的や内容に応じて、必要な属性情報等(属性情報及び参照資料)を3次元モデルに付与する。

【解説】
 属性情報とは、3次元モデルに付与する部材(部品)の情報(部材等の名称、形状、寸法、物性及び物性値(強度等)、数量、そのほか付与が可能な情報)を指す。
 参照資料とは、BIM/CIMモデルを補足する(又は、3次元モデルを作成しない構造物等)従来の2次元図面等の「機械判読できない資料」を指す。
 なお、詳細設計の最終成果物として作成するBIM/CIMモデルに付与する属性情報は『3次元モデル成果物作成要領(案)』、数量に関する属性情報は『土木工事数量算出要領(案)』、事業の各段階での活用における属性情報は本ガイドラインを参考に付与する。

1,4,1 属性情報等の付与方法

 BIM/CIMモデルに付与する属性情報等や付与方法については次のとおりとし、具体的な付与方法、付与範囲は、受発注者間協議により決定する。
 属性情報等の付与方法は、「3次元モデルに直接付与する方法」及び「3次元モデルから外部参照する方法」がある。

1,4,2 付与する属性情報等
(1)道路土工

1)設計

 事業の進捗(予備設計、詳細設計等)に伴って取得される属性情報等については後工程(施工段階・維持管理段階)で活用できるよう、BIM/CIMモデルを作成・活用した段階ごとに付与する。
 なお、詳細設計の最終成果物として作成するBIM/CIMモデルに付与する属性情報は『3次元モデル成果物作成要領(案)』によるものとする。

2)施工

 発注者との事前協議結果を踏まえ、施工段階で更新したBIM/CIMモデルに各種の施工段階の属性情報等を付与する。
 属性情報等の付与方法は、「3次元モデルから外部参照する方法」を基本とする。
 例えば、盛土工の3次元モデルに属性情報等を付与するには、3次元モデルの作成に工夫が必要となる。管理対象や利用目的に応じて、盛土各層のサーフェスモデルを作成したり、さらに要素別に細分化したボクセルモデルを作成し、それぞれの3次元モデルに属性情報を付与する場合がある(図 1-9、図 1-10参照)。そのため、施工段階で属性情報等を付与するには、設計段階から引き継がれたBIM/CIMモデルの修正、更新が必要となる。

 施工段階におけるBIM/CIMモデルに付与する属性情報等としては、例えば以下の施工情報やデータを用いた事例がある。
・施工日、施工位置
・施工層、転圧回数
・盛土材料の種別
・土質調査・試験データ

図 1-9 3Dサーフェスモデルの例

出典:「2019施工CIM事例集」(日本建設業連合会)

図 1-10 3Dボクセルモデルの例

出典:「2017施工CIM事例集」(日本建設業連合会)

(2)トンネル(山岳トンネル)

 本項は山岳トンネルを対象としているため、設計対象が開削トンネルやシールドトンネル等、他のトンネルである場合には担当者と協議し、同等となるよう内容を決定する必要がある。

1)設計
 事業の進捗(予備設計、詳細設計等)に伴って取得される属性情報等について、後工程(施工段階・維持管理段階)で活用できるよう、BIM/CIMモデルを作成・活用した段階ごとに付与する。
 なお、詳細設計の最終成果物として作成するBIM/CIMモデルに付与する属性情報は『3次元モデル成果物作成要領(案)』によるものとする。

【解説】
 山岳トンネルの設計は、地質・土質調査の結果等を基に地山分類、支保パターン等の施工条件を決定することが主であり、維持管理段階で有用な情報となる地山情報や、内空変位、湧水等の詳細な情報は施工段階に取得される。
 そのようなことを踏まえ、設計段階では、施工における設計条件検索等の効率化を念頭に、設計段階で計画した支保パターンの変化点が分かるように考慮する(着色表示等)とともに、ロックボルト、覆工コンクリート、鋼製支保工等の材質、寸法、強度、補助工法等について、後工程となる施工段階で活用できるよう、属性情報等をBIM/CIMモデルに付与することとする。

2)施工
 発注者との事前協議結果を踏まえ、施工段階で更新したBIM/CIMモデルに各種の施工段階の属性情報等を付与する。
 事業の進捗(設計、施工、維持管理)に伴って取得される属性情報等について、後工程で活用できるよう、BIM/CIMモデルを作成・活用した段階ごとに付与する。
 まず、設計段階で作成されたBIM/CIMモデルを施工管理ツールとして活用するため、設計段階で付与された属性情報等のうち、3次元モデルを用いて可視化することにより、施工判断の迅速化等に寄与する 有用な情報について、BIM/CIMモデルへの属性情報等として表現する。
 次に、後工程の設備工事や舗装工事、点検を含む維持管理段階の有用な情報について、施工時に取得する方法や属性情報等の内容を発注者との事前協議により決定し、属性情報等として付与する。
 なお、付与する属性情報等は、国土交通省の土木工事共通仕様書や土木工事施工管理基準に記載される地山情報、計測情報、品質管理記録等を参考に、発注者との事前協議により決定する。
維持管理段階の活用を踏まえた属性情報等の例について、次表に示す。

表 1-7 属性項目の例

属性種別属性名称
地山に関する情報切羽観察記録
 切羽画像・スケッチ
 切羽前方探査・追加ボーリング結果
 き裂分布
 崩落岩塊
 岩石・岩盤試験結果
 地下水観測結果
 多量湧水箇所
計測情報A 計測結果
 B 計測結果
品質管理記録等支保パターン
 吹付けコンクリート
 鋼製支保工
 ロックボルト
 覆工コンクリート
 防水工
 初期クラック調査
 追加補助工法

出典 杉浦、後藤、畑、藤岡、山岳トンネル施工CIMから維持管理CIMの流れ山岳トンネル施工CIM納品事例
土木情報学シンポジウム講演集、vol.40、2015

図 1-11 トンネルモデルへの施工情報の付与事例

資料提供:株式会社大林組

図 1-12 トンネルモデルからの施工情報検索事例

資料提供:株式会社大林組

図 1-13 現地での施工情報付与事例

(3)橋梁

1)設計
 属性情報等は、事業の進捗に沿って属性項目を登録する段階(予備設計、詳細設計等)が異なることから、順次、BIM/CIMモデルを引き継いだ段階毎に属性情報等を付与するものとする。
 なお、詳細設計の最終成果物として作成するBIM/CIMモデルに付与する属性情報は『3次元モデル成果物作成要領(案)』によるものとする。
 構造物モデルへの属性情報等の付与は、設計段階で計画された物性情報、維持管理段階での活用情報とする。
 構造物情報として必要とされる属性項目は、『3次元モデル成果物作成要領(案)』に基づくとともに「品質管理基準」、「出来形管理基準」、「道路橋定期点検要領」、「橋梁3次元データ流通に係る運用ガイドライン」等を参考に必要とされる属性項目を選定して整理する。

2)施工
 属性情報等は、事業の進捗に沿って属性項目を登録する段階(設計、施工、維持管理)が異なることから、順次、BIM/CIMモデルを引き継いだ段階毎に属性情報等を付与する。
 施工段階では、国土交通省の土木工事共通仕様書や土木工事施工管理基準に基づき、表 1-8に記載する品質記録や緊張管理図等を参考とし、付与する属性情報等の詳細や付与方法については、発注者との事前協議により決定する。
 表 1-8は例示であるため、実際に付与する属性情報等は、発注者との事前協議により決定する。

出典:一般社団法人日本建設業連合会「2015施工CIM事例集」

図 1-14 モデルへの施工情報付与事例

(属性項目の例)
○部材情報(共通)
  モデルの部材単位で、その部材を示す名称等を属性情報として付与する。これは、全ての部材で共通する属性項目とし、属性管理を行う上での基本項目となる。
  『3次元モデル成果物作成要領(案)』に基づき設定する。

○コンクリート属性項目
  国土交通省品質管理基準を参考に、生コンクリート製造者及び施工者におけるコンクリートの品質検査項目、設計時の項目に適用基準(道示年度)や塩害対策区分を付与する。

○鉄筋属性項目
  現場搬入される鉄筋の製造のメーカーによる品質検査項目、ミルシート記載項目を付与する。

○PC鋼材属性項目
  設計時の部材情報、PC鋼材種別及びシースの呼び径などを付与する。
  施工時の情報として、PC鋼材緊張時の試験記録(PCケーブル試験成績表、主ケーブル緊張管理図)及びPCグラウトの材料に関する項目を付与する。

○定着具属性項目
  現場搬入される定着具の製造のメーカーによる品質検査項目、ミルシート記載項目を付与する。

○鋼構造物属性項目
  設計時では、製作できる情報の大項目を設定した。また、施工時の情報としては、維持管理時に材料、商品、施工方法、品質管理項目が特定できる項目を設定した。

○付属物属性項目
  付属物としては、支承、落橋防止装置、伸縮装置、排水装置(排水桝、排水管)及び検査路を対象とする。その他の付属物(例えば、標識柱等)については、適宜属性情報等を付与するものとする。
  現場搬入される付属物の製造のメーカーによる品質検査項目、ミルシート記載項目を付与する。

 なお、必要に応じて属性情報等は任意に追加するものとする。表 1-8は例示であるため、実際に付与する属性情報等は、発注者との事前協議により決定する。

表 1-8 属性項目の例

詳細設計の最終成果物に付与する属性情報は『3次元モデル成果物作成要領(案)』によるものとする。
ここで示す属性情報の例も参考に付与する項目を選定する。

●プロジェクト情報

工程属性種別属性名称
設計時、施工 時プロジェクト情報路線名
道路規格(種級区 分)
設計速度
計画交通量

●現況地形

工程属性種別属性名称
設計時、 施工 時地形情報出典出典
測量年度
測量業務名
座標系

●航空写真

工程属性種別属性名称
設計時、 施工 時航空写真出典出典
箇所
撮影年月日
測量業務名
精度
座標系

●測量基準点

工程属性種別属性名称
施工時基準点情報等級
  基準点名
  基準点制定日
  X座標
  Y座標
  Z座標

●監視基準点

工程属性種別属性名称
施工時橋梁 3 次元データ流 通に係る運用 ガイ ドライン規定情報位置
計測日
X座標
Y座標
Z座標

●コンクリート

工程属性種別属性名称
設計時部材情報ID
構造物名称
部材名称 1
部材名称 2
部材名称 3
設計時、施工時施工手順打設ロット
設計時品質管理基準情報規格(設計基準強 度)
施工時圧縮強度
単位重量
単位水量
コンクリート温度
打設時外気温
水セメント比
スランプ
塩化物含有量
空気量
コンクリート引渡 し時の品質試験結 果 (ミルシート情報)セメント種類
セメント生産者
セメント配合量
細骨材種類
細骨材産地
細骨材配合量
粗骨材種類
粗骨材産地
粗骨材配合量
粗骨材最大寸法
混和剤種類
混和剤商品名
混和剤配合量
プラント名
製造日
製造業者名
備考 1
備考 2
ファイル添付 (ミルシート等)ファイルリンク 1
ファイルリンク 2
ファイルリンク 3
維持管理時橋梁基本情報橋梁管理番号
点検履歴情報点検時期
点検業務名
点検業者
点検区分
点検対象部材
損傷種別情報損傷の種類
損傷程度
対策区分の判定
健全度の診断
損傷状況情報損傷図
損傷写真
補修・補強履歴情報補修時期
補修対象部材
補修工法
備考 1
備考 2
点検台帳等添付ファイルリンク 1
ファイルリンク 2
ファイルリンク 3

●鉄筋

工程属性種別属性名称
設計時部材情報ID
構造物名称
部材名称 1
部材名称 2
部材名称 3
鉄筋番号
設計時、施工 時施工手順ロット
設計時 規格(材質)
鉄筋径
単位重量
鉄筋重量
施工時鉄筋 引渡し時の 品 質試験結果(ミルシ ート情報)降伏点
引張強度
伸び
曲げ性
製鉄業者名
製造日
製鋼番号
備考 1
備考 2
ファイル貼付 (ミルシート等)ファイルリンク 1
ファイルリンク 2
ファイルリンク 3
維持管理時橋梁基本情報橋梁管理番号
点検履歴情報点検時期
点検業務名
点検業者
点検区分
点検対象部材
損傷種別情報損傷の種類
損傷程度
対策区分の判定
健全度の診断
損傷状況情報損傷図
損傷写真
補修・補強履歴情報補修時期
補修対象部材
補修工法
備考 1
備考 2
点検台帳等貼付ファイルリンク 1
ファイルリンク 2
ファイルリンク 3

●鋼構造物

工程属性種別属性名称
設計時部材情報ID
構造物名称
設計条件
部材名称
部材寸法
断面寸法
継手形式
材質
製作情報線形座標値
キャンバー値
溶接方法
施工時品質管理基準情報 (工場)鋼材規格
ボルト規格
溶接材料規格
部材名称
溶接材料
材料会社
塗装仕様
部材名称
塗料名
塗料会社
品質管理基準情報 (現場)現場継手
現場予備試験
現場塗装仕様
部材名称
塗料名
塗料会社
無収縮モルタル
部材名称
圧縮強度
出来形
支間長
そり
通り
架設時架設方法
施工手順
鋼橋製作結果 ⇒ファイルリンク溶接試験結果
塗装試験結果
メッキ品質検査結果
仮組測定結果
ボルト試験結果
ファイル貼付 (ミルシート等)ファイルリンク 1
ファイルリンク 2
ファイルリンク 3
維持管理時橋梁基本情報橋梁管理番号
点検履歴情報点検時期
点検業務名
点検業者
点検区分
点検対象部材
損傷種別情報損傷の種類
損傷程度
対策区分の判定
健全度の診断
損傷状況情報損傷図
損傷写真
補修・補強履歴情 報補修時期
補修対象部材
補修工法
備考 1
備考 2
点検台帳等貼付ファイルリンク 1
ファイルリンク 2
ファイルリンク 3

●PC鋼材

工程属性種別属性名称
設計時部材情報ID
構造物名称
部材名称 1
部材名称 2
部材名称 3
PC鋼材部材形状
部材種類
材質
呼び径
単位重量
シースシース管呼び径
シース管単位重 量
シース管外径
シース管内径
シース管厚
シース管材質
施工時PCグラウト材料
圧縮強度
単位重量
空隙率
PCケーブル試験 成績表メーカー名
種類の記号
最大試験力
0.2%永久伸びに 対する試験力
シースの試験結果メーカー名
種類の記号
シースの試験成 績
主ケーブル緊張管 理図緊張年月日
緊張順序
最大緊張力
伸び(μ)
その他備考 1
備考 2
ファイルリンク 1
ファイルリンク 2
ファイルリンク 3
維持管理時橋梁基本情報橋梁管理番号
点検履歴情報点検時期
点検業務名
点検業者
点検区分
点検対象部材
損傷種別情報損傷の種類
損傷程度
対策区分の判定
健全度の診断
損傷状況情報損傷図
損傷写真
補修・補強履歴情報補修時期
補修対象部材
補修工法
備考 1
備考 2

●定着具

工程属性種別属性名称
設計時部材情報ID
構造物名称
部材名称 1
部材名称 2
部材名称 3
定着具定着具の種類
グリッド筋(径、形 状)
スパイラル筋(径、 形状)
グラウトキャップ (材質、形状)
施工時定着具の試験成績 表メーカー名
種類の記号
補強筋の試験成績
グラウトキャップ の試験成績
その他備考 1
備考 2
ファイルリンク 1
ファイルリンク 2
ファイルリンク 3

●支承

工程属性種別属性名称
設計時、施工 時部材情報ID
構造物名称
部材名称 1
部材名称 2
部材名称 3
支承番号
支承情報種別
製造業者
製品名
支承条件
最大反力
死荷重反力
最大水平力
移動量
主要材料
ファイル添付 (カタログ等)ファイルリンク 1
ファイルリンク 2
ファイルリンク 3

●落橋防止装置

工程属性種別属性名称
設計時、施工 時部材情報ID
構造物名称
部材名称 1
部材名称 2
部材名称 3
落橋防止装置番 号
落橋防止装置情報種別
製造業者
製品名
設計反力
移動量
主要材料
ファイル添付 (カタログ等)ファイルリンク 1
ファイルリンク 2
ファイルリンク 3

●伸縮装置

工程属性種別属性名称
設計時、施工 時部材情報ID
構造物名称
部材名称 1
部材名称 2
部材名称 3
部材番号
伸縮装置情報種別
製造業者
製品名
形式
種類
温度変化
地震時移動量
コンク リート 強 度
ファイル添付 (カタログ等)ファイルリンク 1
ファイルリンク 2
ファイルリンク 3

●検査路、その他付属物

工程属性種別属性名称
設計時、施工 時部材情報ID
構造物名称
部材名称 1
部材名称 2
部材名称 3
部材番号
検査路、その他付属 物情報種別
製造業者
製品名
種類
長さ
材質
ファイル添付 (カタログ等)ファイルリンク 1
ファイルリンク 2
ファイルリンク 3

●排水装置(排水管)

工程属性種別属性名称
設計時、施工 時部材情報ID
構造物名称
部材名称 1
部材名称 2
部材名称 3
部材番号
排水装置情報種別
製造業者
製品名
材質
長さ
ファイル添付 (カタログ等)ファイルリンク 1
ファイルリンク 2
ファイルリンク 3

●既製杭

工程属性種別属性名称
設計時、施工 時部材情報ID
構造物名称
部材名称 1
部材名称 2
部材名称 3
杭番号
既製杭情報種別
製造業者
製品名
継手有無
杭工法
杭先端処理方法
外径
厚さ
長さ
鋼管厚
鋼管材質
ファイル添付 (カタログ等)ファイルリンク 1
ファイルリンク 2
ファイルリンク 3

●排水装置(排水桝)

工程属性種別属性名称 
設計時、施工 時部材情報ID
構造物名称
部材名称 1
部材名称 2
部材名称 3
部材番号
排水装置情報種別
製造業者
製品名
材質
寸法
ファイル添付 (カタログ等)ファイルリンク 1
ファイルリンク 2
ファイルリンク 3

出典        土木学会・建設コンサルタンツ協会「CIM  によるコンクリート構造物モデル作成ガイドライン(素案)」