農林水産省(農業農村整備事業)工事の電子納品で発注者がやること|監督職員の受領確認・検査職員の確認・保管管理【電子納品運用ガイドライン(案)工事編】 | 電子納品サポート

農林水産省(農業農村整備事業)工事の電子納品で発注者がやること|監督職員の受領確認・検査職員の確認・保管管理【電子納品運用ガイドライン(案)工事編】

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発注者向け 実務ガイド

農林水産省(農業農村整備事業)の工事
竣工時の電子納品で発注者がやること

農業農村整備事業の電子納品は、農林水産省の要領・ガイドラインと「農水省版」のチェックシステムを使います。国土交通省の工事と似ていますが、工事完成図・台帳を紙でも受け取る、紙でやり取りした書類も原則電子化する、といったちがいがあります。監督職員・検査職員・事務所の担当者がやることを、発注から保管まで順にまとめました。

2026年11月5日に、農林水産省「電子納品運用ガイドライン(案)【工事編】」(平成31年3月、令和元年6月正誤表対応版)と、同省の電子納品要領等のページ・チェックシステムのページで確認しました。対象は農村振興局所管の国営直轄事業の土木工事です。電気通信設備・機械設備工事は別のガイドラインです。

このページでわかること

  • 使う要領・ガイドラインとチェックシステムの版
  • 発注時と着手時に発注者がやること(発注図の貸与、事前協議)
  • 竣工時に監督職員が工事検査までに確認すること
  • 完成検査で検査職員が確認すること
  • 検査後の保管、問い合わせ先、国土交通省とのちがい
先に結論
  • 工事の電子納品は「工事完成図書の電子納品要領(案)」と「電子納品運用ガイドライン(案)【工事編】」(いずれも2019年3月策定・4月適用・6月正誤表対応)。2026年11月5日時点で、これが公式ページに載っている最新です。
  • チェックは電子納品チェックシステム(農林水産省農業農村整備事業版)。監督職員も最新版で自分でチェックします。
  • 監督職員は工事検査までに、媒体の外観・ウイルスチェック・受注者のチェック結果(エラー0件、境界座標)・中身を確かめ、自分のチェック結果を印刷して検査会場に用意します。
  • 検査の後、発注者は電子媒体の保管に加えて電子納品物保管管理システムへの登録などで長く保存します。

全体の流れと、発注者の出番

発注時設計成果のチェックと発注図の貸与設計業務の電子成果品をチェックし、図面要領(案)に合わせた発注図を作って受注者に貸します。
着手時事前協議協議用チェックシート(工事)で、情報共有の方法と電子納品の対象を決めます。
竣工時監督職員の受領確認工事検査までに、媒体・チェック結果・中身を確かめます。
検査・保管検査職員の確認と保管紙と電子の両方を確かめ、確認を受けた成果品を保管します。

使う要領・ガイドラインとチェックシステム

資料版(公式ページの表示)
工事完成図書の電子納品要領(案)2019年3月策定/2019年4月適用/2019年6月正誤表対応
電子納品運用ガイドライン(案)【工事編】同上。共通編・基本編・参考資料に分かれている
電子化図面データの作成要領(案)・同 作成運用ガイドライン(案)2019年3月策定/2019年4月適用
電子化写真データの作成要領(案)2019年3月策定/2019年4月適用
協議用チェックシート(工事)Excel。事前協議で使う
電子納品チェックシステム(農林水産省農業農村整備事業版)平成31年3月版 Ver.17.0.001.001(2025年6月12日更新)
チェックシステムの注意(公式ページより)
  • XML外部実体参照(XXE)の脆弱性への対応のため、Ver.15.0.001.001 以降を使うよう案内されています(2024年1月23日のお知らせ)。古い版が残っているパソコンは更新します。
  • インストーラは任意のDLLを実行してしまうため、“setup.exe” 以外のファイルがないフォルダで実行するよう注意書きがあります。
  • 要領の年月(平成31年3月版)と、ソフトの版(Ver.17)と、配布の更新日(2025年6月12日)は別の情報です。

発注時に発注者がやること

  1. 発注者

    設計業務の電子成果品をチェックする

    発注図は設計業務の電子成果品から作ります。その前に、設計業務の成果品を最新のチェックシステムでチェックし、要領に合っていること(エラーがないこと)を確かめます。

  2. 発注者

    図面要領(案)に合わせて発注図を作る

    CADデータの修正、図番の変更、表題欄、ファイル名の付け替え、加筆・修正したレイヤ名の変更をします。ファイル名の責任主体は設計の「D」から施工の「C」へ、改訂履歴は「Z」から「0」へ付け替えます。加筆・修正しないレイヤの責任主体は「D」のままです。

  3. 発注者

    発注図の電子データを貸す

    変更・追加した設計図も含めて、発注図フォルダ(DRAWINGS)の形で受注者に貸します。貸した電子データが、受注者が作る電子成果品の元になります。貸し方(電子メール、情報共有システム、電子媒体)は事前協議で決めます。

着手時の事前協議で決めること

工事着手時に、協議用チェックシート(工事)を使って、監督職員と受注者で次のことを決めます。電子納品に関する有資格者(RCE・RCI・SXF技術者など)の活用も検討するよう書かれています。

決めることガイドラインの考え方
施工中の情報交換・共有の方法電子的な方法が原則。工事帳票は情報共有システムの活用が原則で、使うシステムの種類と機能を決める。写真はデジタルカメラで撮影して電子データで共有
電子納品の対象書類工事完成図は全ての工事で必要。台帳は有る場合、地質データは地質調査をした場合。対象書類がないフォルダは作らない
紙でやり取りした書類受注者が押印・署名した書類や、材料製造業者などから受け取った紙の書類も、原則として電子納品の対象。土木工事共通仕様書の「工事関係書類一覧表」と協議で対象を確定する
その他発注図の貸し方、工事書類の電子検査をするか、など
受注者に伝える情報

電子媒体のラベルに書く「案件番号」は発注者が定める番号です。発注者機関コード・発注者コード表(令和7年4月適用)と事業所コード表も、同省の「電子納品要領等 関連情報」のページに載っています。受注者が古いコード表を使っていないかも確認します。

竣工時:受け取る物

受け取る物ガイドラインの決まり
電子媒体基本は CD-R か DVD-R。650MB・700MB 以外の CD-R や片面1層(4.7GB)以外の DVD-R は協議で決める。大容量なら協議で BD-R も可。形式は CD-R が Joliet、DVD-R が UDF(UDF Bridge)、BD-R が UDF 2.6
ラベル案件番号、工事名称、作成年月、発注者名、受注者名、何枚目/全体枚数、ウイルスチェックの情報、フォーマット形式、チェック年月日。発注者署名欄は総括監督員(置かない場合は主任監督員)、受注者署名欄は現場代理人
電子媒体納品書受注者が署名・押印して紙で出す。記入例では総括監督員に納品
チェック結果受注者が農水省版チェックシステムでチェックした結果を紙で出す
工事完成図・工事管理台帳の印刷物工事完成図と工事管理台帳は、紙と電子データの両方で納品する成果品とされている

監督職員が工事検査までに確認すること

  1. 監督職員

    媒体の外観を見る

    破損がないこと、ラベルが正しく作られていることを目で確かめます。

  2. 監督職員

    ウイルスチェックをする

    ソフトの指定はありませんが、定義ファイルを最新に更新したソフトで、納品された媒体をチェックします。

  3. 監督職員

    受注者のチェック結果を確かめる

    紙で出されたチェック結果で、エラーが0件であることと、「管理ファイルの有無」の地図上に表示される境界座標が工事場所とずれていないことを確かめます。

  4. 監督職員

    最新のチェックシステムで自分でもチェックする

    画面で、フォルダ構成、工事管理ファイルの工事件名などの基本情報、適用した要領の版とファイルの数を確かめます。監督職員のチェック結果は印刷し、電子成果品・電子媒体納品書・受注者のチェック結果と一緒に、完成検査の会場に用意します。

  5. 監督職員

    中身を確かめる

    事前協議チェックシートと見比べて、決めた物が各フォルダに入っているかを確かめます。

    • 工事完成図(DRAWINGF):SXF(P21/P2Z)は CAD ソフトで見え方がちがうことがあるため、監督職員と受注者の両方で SXF ビューアなどで目視確認。チェックシステムでのデータチェックも行う
    • 台帳(REGISTER)、打合せ簿(MEET)、施工計画書(PLAN):オリジナルファイルを開いて目視
    • 地質(BORING)、情報化施工(NNICT)、写真(PHOTO):各ガイドラインの格納の決まりで確認

完成検査で検査職員が確認すること

対象検査職員が見ること
紙の成果品各種図面・台帳を見比べ、設計図書が求める内容が正しく書かれ、互いに整合しているか
電子媒体破損がない、ラベルが正しい、監督職員と受注者の署名がある
電子成果品事前協議チェックシートで地質調査の有無などを把握し、求める項目を確認。電子媒体納品書と、受注者・監督職員のチェック結果を確認。求める電子データが媒体に入っているかを画面で確認。CADデータや台帳データの中身は紙で確認しているので、画面で見る必要はない
工事書類(紙)受注者が検査会場に持ってくる。検査後は受注者が持ち帰って保管し、電子納品の対象は電子化して納める。監督職員は受注者から出された工事書類を整理・保管する
工事書類(電子)電子検査をするかは事前協議で決め、機器は受注者が用意。写真は写真管理ソフトなどで表示し、工事帳票は情報共有システムでやり取りした電子データを使う。施工計画書などの計画書類は受注者が紙に印刷して用意する

納品後の保管

発注者は、工事完成検査で検査職員の確認を受けた電子成果品を保管します。工事目的物が使われるかぎり長く残す電子データです。ガイドラインは、電子媒体の保管に加えて、電子納品物保管管理システムへの登録などの手段で長期保存するよう求めています。理由として、CDなどの媒体は紙より劣化しやすいこと、読み取る機器やソフトが進歩して古い物が使えなくなることを挙げています。

ガイドラインの例では、事務所で担当者がチェックし、さらに上位の機関(技術事務所など)でもチェックして、媒体は保管庫、データはファイル共有サーバや保管管理システムへ、という流れが示されています。実際の登録手順は所属の農政局の決まりに従ってください。

問い合わせ先

  • まず同省の電子納品のページの Q&A(質疑応答、エラー・注意メッセージ集)を確認します。
  • 農村振興局 整備部 設計課 施工企画調整室(ダイヤルイン 03-3591-5798)。公式ページは、受注者が問い合わせる場合は発注者の農林水産省職員と協議の上でとしています。受注者から相談を受けるのは、まず監督職員です。
  • ガイドラインには、各地方農政局の電子納品担当として、東北・関東・北陸・東海・近畿・中国四国・九州の各農政局 土地改良技術事務所 企画情報課が挙げられています。

国土交通省の一般土木とのちがい

項目農林水産省(農業農村整備事業)国土交通省 土木工事(令和8年4月以降の契約)
要領・ガイドライン農林水産省の要領(案)・ガイドライン(案)(2019年3月策定)工事完成図書の電子納品等要領・電子納品等運用ガイドライン(令和8年2月)
CAD・写真の決まり電子化図面データの作成要領(案)、電子化写真データの作成要領(案)CAD製図基準、デジタル写真管理情報基準
チェック農水省版チェックシステム(Ver.17.0.001.001)国土交通省の電子納品チェックシステム
工事完成図・台帳紙と電子の両方で納品原則電子。紙は事前協議で紙と決めた物など

このほか、紙でやり取りした書類を原則として電子納品の対象にする点、媒体のラベルに総括監督員(または主任監督員)と現場代理人が署名する点も、農林水産省のガイドラインの決まりとして押さえておきます。港湾・空港のガイドラインでは、紙でやり取りした資料は紙のまま保管し電子化は不要とされていて、機関によって扱いが分かれます。

国土交通省の最新版で作らせない

国土交通省の要領が令和8年2月に改定されても、農林水産省の要領が同じように変わるわけではありません。受注者が国土交通省の版や国土交通省のチェックシステムで作っていないか、着手時の協議で確認します。受注者向けの進め方は「農水省の電子納品のやり方」にあります。

発注者のチェックリスト

発注・着手時

  • 設計業務の電子成果品を最新のチェックシステムでチェックした
  • 発注図を図面要領(案)に合わせて作り(D→C、Z→0)、貸し方を決めて貸した
  • 協議用チェックシート(工事)で、情報共有の方法と電子納品の対象を決めた
  • 紙でやり取りする書類の電子化を、工事関係書類一覧表と照らして決めた
  • 案件番号と、使う要領・チェックシステムの版を受注者に伝えた

竣工・検査前(監督職員)

  • 媒体に破損がなく、ラベルが正しく、総括監督員(または主任監督員)が署名した
  • 最新の定義ファイルでウイルスチェックをした
  • 受注者のチェック結果がエラー0件で、境界座標が工事場所とずれていない
  • 自分でも最新の農水省版チェックシステムでチェックし、結果を印刷した
  • 事前協議チェックシートと見比べて、各フォルダの中身を確かめた(CADはSXFビューアで目視)
  • 電子成果品・電子媒体納品書・受注者と監督職員のチェック結果・工事完成図と台帳の印刷物を検査会場に用意した

検査後

  • 検査職員の確認を受けた成果品を、媒体の保管と電子納品物保管管理システムへの登録などで保管した

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参照した公式情報(2026年11月5日確認)