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港湾・空港工事の電子納品で発注者がやること|工事帳票管理システムのID発行・登録承認、発注者用の検査支援システム、完成検査と保管【港湾空港工事ガイドライン 令和7年3月】

発注者向け 実務ガイド

港湾・空港工事
竣工時の電子納品で発注者がやること

港湾空港関係の工事は、施工中のやり取りに「工事帳票管理システム」を使い、竣工時はそのシステムからのオンライン電子納品が原則です。発注者は、契約直後の受注者情報の登録から、完成検査後の「登録承認」まで、システム上でやることがあります。監督職員・検査職員・事務所の担当者がやることを順にまとめました。

2026年11月5日に、国土交通省港湾局「地方整備局(港湾空港関係)の事業における電子納品等運用ガイドライン【工事編】」(令和7年3月)、「同 オンライン電子納品実施要領」(令和7年3月)、国総研 港湾CALSの関連資料ダウンロードページで確認しました。対象は地方整備局(港湾空港関係)の直轄工事です。個々の工事では特記仕様書と事前協議の結果が優先します。

このページでわかること

  • 使うガイドラインと適用する工事(令和7年4月以降の契約)
  • 契約直後に監督職員がやる、工事帳票管理システムの準備
  • 事前協議で決めること(納品方法・対象書類・紙の扱い)
  • オンライン電子納品の「登録承認」と、媒体で受け取る場合の確認
  • 完成検査、検査後の保管、問い合わせ先、国土交通省の一般土木とのちがい
先に結論
  • 令和7年4月以降に契約する直轄工事は、工事編・資料編・業務編・オンライン電子納品実施要領の令和7年3月版を使います。
  • 監督職員は契約締結後すぐに「受注者情報登録シート」をシステム管理者へ送り、届いた受注者用のIDとパスワードを書面で受注者に通知します。
  • オンライン電子納品では、受注者の登録で成果品が電子納品物保管管理システムに仮登録され、発注者が内容を確かめて登録承認すると本登録になります。登録承認は完成検査に合格した後(完成検査が工期後なら検査前)。
  • チェックは「電子納品物検査支援システム」。公開されている版は受注者用で、発注者は港湾CALSシステム利用マニュアルに載っている末尾が「H」の版を使います。

全体の流れと、発注者の出番

発注時設計成果のチェックと発注図の貸与設計業務の電子成果品を検査支援システムでチェックし、CAD製図基準に合わせた発注図を貸します。
契約直後帳票管理システムの準備受注者情報登録シートを送り、受注者用IDを書面で通知します。
着手時事前協議情報共有の方法、電子成果品の対象、納品方法(オンライン/媒体)を決めます。
竣工・検査・保管確認・検査・登録承認仮登録の内容とチェック結果を確かめ、検査後に登録承認して保管します。

使うガイドラインと対象の工事

資料版・内容
電子納品等運用ガイドライン【工事編】令和7年3月(八版)。発注準備から保管管理までの運用
電子納品等運用ガイドライン【資料編】令和7年3月。港湾構造物のCADデータの属性・フォルダ・形式など
オンライン電子納品実施要領令和7年3月。工事帳票管理システムを使ったオンライン電子納品の手順
事前協議チェックシート【工事編】令和7年3月(Excel)
電子納品物検査支援システム受注者用 Ver.4.0.37(2026年10月20日公開)。発注者は末尾が「H」の版

工事編が対象にするのは、国土交通省地方整備局(港湾空港関係)の直轄事業のうち港湾整備事業・海岸整備事業・空港整備事業の土木工事です。河川・道路・公園事業、官庁営繕、電気通信設備、機械設備の工事は、それぞれ別のガイドラインを使います。

空港の工事で確かめること

上のガイドラインは「地方整備局(港湾空港関係)」の直轄工事が対象です。地方航空局など別の機関が発注する空港関係の工事について、専用の公開資料は今回の調査では見つけられませんでした。その場合は、契約図書・特記仕様書に書かれた要領を確かめてください。

検査支援システムの更新案内(2026年10月)
  • 10月20日:受注者用 Ver.4.0.37 を公開。旧版で作った成果品ZIPはオンライン電子納品でエラーになる場合がある
  • 10月26日:インストール時のファイルアクセス権の脆弱性(JVN#75668103、Ver.4.0.36以前)。最新版への更新を改めて依頼

受注者からオンライン登録のエラーの相談を受けたら、まず受注者側のツールの版(起動直後の「バージョン情報」)を確かめてもらいます。発注者用(末尾H)の版の最新は、公開ページでは確認できないため、港湾CALSシステム利用マニュアルで確かめてください。

発注時と契約直後に発注者がやること

  1. 発注者

    設計業務の電子成果品をチェックする

    発注図を作る前に、設計業務の電子成果品を最新の電子納品物検査支援システムでチェックし、エラーがないことを確かめます。

  2. 発注者

    CAD製図基準に合わせて発注図を作り、貸す

    CADデータの修正、図番・表題欄・ファイル名の付け替え、加筆・修正したレイヤ名の変更をします。ファイル名の責任主体は「D」(設計)から「C」(施工)へ、改訂履歴は「Z」から「0」へ。変更・追加した設計図も含めて電子データで受注者に貸します。

  3. 監督職員

    契約締結後すぐ、受注者情報登録シートを送る

    工事帳票管理システムを使うには、工事の案件情報と受注者情報をシステムに登録し、受注者にIDとパスワードを発行する必要があります。監督職員は契約締結後ただちに「受注者情報登録シート」を作り、システム管理者へメールで送ります。受注者は現場代理人の氏名とメールアドレスを監督職員に連絡します。

  4. 監督職員

    受注者用のIDとパスワードを書面で通知する

    システムから自動で届いた受注者用のIDとパスワードを、速やかに書面で受注者に通知します。アクセス先のURLも、システムの準備ができ次第、発注者から書面で通知されると書かれています。受注者用の操作説明書は、ログイン後の[情報提供]から入手します。

帳票管理システムを使わない工事もある

ガイドラインでは原則すべての工事で工事帳票管理システムを使うとしつつ、電子化に向かない案件や、少額で電子化すると業務が煩雑になる物は、各地方整備局等の判断で対象外にできるとしています。

着手時の事前協議で決めること

工事着手時に事前協議チェックシート(工事用)を使って、監督職員と受注者で次のことを決めます。

決めることガイドラインの考え方
施工中の情報交換・共有の方法電子的な方法が原則。工事帳票は工事帳票管理システムでやり取りし、完成検査後に出力して電子納品・保管する
紙でやり取りした資料紙のまま保管し、電子化は不要
工事写真デジタルカメラで撮影し、完成時に電子媒体で提出(紙・ネガの提出は不要)
電子成果品の対象書類工事完成図は全ての工事で必要。地質データは地質調査をした場合など。対象がないフォルダは作らない
納品方法オンライン電子納品か、電子媒体による納品か。オンラインが原則
その他電子納品に関する有資格者(RCE・RCI・SXF技術者など)の活用も検討する

竣工時:オンライン電子納品の場合(登録承認まで)

  1. 受注者

    成果品を登録し、登録・承認を依頼する

    受注者は検査支援システムで成果品ZIPとチェック結果PDFを作り、ウイルスチェックをして、工事帳票管理システムに登録します。

  2. 発注者

    登録承認依頼の通知を受け取る

    受注者が登録すると、発注者に電子メールで通知が届き、成果品は電子納品物保管管理システムに仮登録されます。

  3. 監督職員

    仮登録の内容とチェック結果を確かめる

    電子納品物保管管理システムで、仮登録された内容と電子納品チェックの結果を確かめます。オンラインの場合、工事帳票管理システムがセキュリティ要件を満たしているため、監督職員のウイルスチェックは不要とされています。

  4. 発注者

    完成検査の後に登録承認する

    工事帳票管理システムの承認・否認の画面で、チェック結果に問題がないことを確かめて登録承認します。承認すると本登録になり、受注者に結果がメールで通知されます。登録承認は完成検査の合格後ですが、完成検査が工期後になる場合は、検査の前に登録承認します。工事帳票のデータは、発注者の「帳票出力」機能で登録されます。

竣工時:電子媒体で受け取る場合

確認することガイドラインの決まり
媒体基本は CD-R か DVD-R。650MB・700MB 以外の CD-R や片面1層以外の DVD-R は協議で決める
ラベル「工事番号」は発注者が定める案件番号(9桁)。発注者署名欄は主任現場監督員、受注者署名欄は現場代理人。署名欄に印鑑は使わない
外観破損がない、ラベルが正しく作られている
ウイルスチェック監督職員が、定義ファイルを最新にしたソフトでチェックする
電子媒体納品書受注者が署名して、媒体と一緒に紙で出す

監督職員が工事検査までに確認すること(共通)

  1. 監督職員

    受注者のチェック結果を確かめる

    受注者から紙で出された検査支援システムのチェック結果(エラー結果一覧表)で、チェック日時、案件番号、ファイル名、ハッシュ値、エラー結果を確かめます。

  2. 監督職員

    最新の検査支援システムで自分でもチェックする

    画面で、フォルダ構成、工事管理ファイルの工事件名などの基本情報、適用した基準類の版とファイルの数を確かめます。監督職員のチェック結果は印刷し、成果品・電子媒体納品書・受注者のチェック結果と一緒に完成検査の会場に用意します。

  3. 監督職員

    中身を確かめる

    事前協議チェックシートと見比べて、各フォルダを確かめます。

    • 工事完成図(DRAWINGF):SXF(P21/P2Z)はCADソフトで見え方がちがうことがあるため、監督職員と受注者の両方でSXFビューアなどで目視確認。CAD製図基準・CADガイドライン・資料編どおりかを検査支援システムでもチェック
    • BIM/CIMデータ(BIMCIM):3次元モデルを無償ビューワーなどで確認
    • 打合せ簿(MEET)・施工計画書(PLAN)・台帳(REGISTER):ファイルを開いて目視
    • 地質(BORING)、i-Construction(ICON):各要領の格納の決まりで確認

完成検査で検査職員が確認すること

対象検査職員が見ること
検査の方法受注者が工事帳票管理システムに登録したデータで検査する。検査会場でシステムから直接データを見られるならオンラインでの検査が原則。できなければオフラインで、電子検査用のパソコンに保存して検査する(保存後のデータ変更は禁止)
工期後の検査受注者は、オンラインで納品したことを示すため、システムで発行される「登録手続完了通知」を検査官に見せる
個別ファイルの確認成果品の個別ファイルを見るには電子納品物保管管理システムへのアクセスが必要なため、発注者が操作するか、オフラインでの検査にする(オンライン電子納品実施要領)
電子媒体(媒体で納品した場合)破損がない、ラベルが正しい、監督職員と受注者の署名がある
電子成果品事前協議チェックシートで地質調査の有無などを把握し、求める項目を確認。電子媒体納品書と、受注者・監督職員のチェック結果を確認。求めるデータが入っているかを画面で確認。工事写真と工事帳票は電子成果品ではないため、それらの媒体の検査支援システムでのチェックは省略できる。CADデータの中身は印刷物で確認しているので画面で見る必要はない
紙の成果品(媒体で納品した場合)工事完成図(CADデータの印刷物)、電子媒体納品書、電子成果品チェック記録(検査支援システムの結果の印刷物)

納品後の保管

納め方・物発注者の保管
オンライン電子納品の成果品・工事帳票工事帳票管理システムから電子納品物保管管理システムに登録される。事務所で媒体が必要なら、保管管理システムからダウンロードして媒体に入れる
電子媒体で納めた成果品検査職員の確認を受けた成果品を、媒体の保管に加えて電子納品物保管管理システムへの登録などで保存する。工事目的物が使われるかぎり保存が必要
工事写真検査職員の確認後、発注者が保管する。契約不適合に係る請求や契約解除ができる期間を限度として保存すべき書類なので、保存期間の満了まで保管する

問い合わせ先

  • 電子納品全般:国土交通省の電子納品Webサイトの Q&A と電子納品ヘルプデスク(下の出典)
  • 港湾空港関係の電子納品:国総研(横須賀庁舎)の港湾CALSのページの「港湾CALSに関するQ&A」からの問い合わせ
  • 地方整備局等が定める手引きなど:各担当部署

国土交通省の一般土木とのちがい

項目港湾・空港(令和7年3月ガイドライン)国土交通省 土木工事(令和8年4月以降の契約)
運用ガイドライン港湾空港の工事編・資料編・オンライン電子納品実施要領(令和7年3月)電子納品等運用ガイドライン【土木工事編】(令和8年2月)
施工中のやり取り港湾空港関係の工事帳票管理システム。監督職員が受注者情報を登録してIDを通知情報共有システム(ASP)
チェック電子納品物検査支援システム(受注者用・発注者用で版が分かれる)国土交通省の電子納品チェックシステム
オンライン納品の受け取り保管管理システムに仮登録→発注者が登録承認で本登録情報共有システムを使ったオンライン電子納品

このほか港湾空港のガイドラインでは、紙でやり取りした資料は紙のまま保管して電子化は不要、工事写真は電子媒体で提出するのが原則、と決められています(農林水産省のガイドラインは、紙でやり取りした書類も原則電子納品とするなど、機関によって扱いが分かれます)。国土交通省の土木工事の内容は「工事完成図書のまとめ方」と「オンライン電子納品の進め方」にあります。受注者向けの進め方は「港湾・空港工事の電子納品のやり方」です。

発注者のチェックリスト

発注・契約直後・着手時

  • 設計業務の成果品を最新の検査支援システムでチェックした
  • 発注図をCAD製図基準に合わせて作り(D→C、Z→0)、受注者に貸した
  • 契約締結後すぐ、受注者情報登録シートをシステム管理者へ送った
  • 受注者用のIDとパスワード(とURL)を書面で通知した
  • 事前協議チェックシートで、情報共有の方法・対象書類・納品方法(オンライン/媒体)を決めた
  • 発注者用の検査支援システム(末尾H)を最新にした

竣工・検査前(監督職員)

  • オンライン:登録承認依頼の通知を受け、保管管理システムで仮登録の内容とチェック結果を確かめた
  • 媒体:外観・ラベル・ウイルスチェックを確かめ、主任現場監督員が署名した
  • 受注者のチェック結果(日時・案件番号・ファイル名・ハッシュ値・エラー)を確かめた
  • 自分でも検査支援システムでチェックし、結果を印刷して検査会場に用意した
  • CADはSXFビューアで、BIM/CIMは無償ビューワーで目視確認した

検査・検査後

  • 検査会場でオンライン検査ができるか確かめた(できなければオフライン、保存後の変更禁止)
  • 完成検査に合格した後に登録承認した(工期後の検査なら検査の前に承認)
  • 工事写真を保存期間の満了まで保管する手配をした

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参照した公式情報(2026年11月5日確認)
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