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防衛省(地方防衛局)工事の電子納品で発注者がやること|手引書(令和7年6月以降に完成する工事)・作成支援ツール・受領確認・完成検査・保管のチェックリスト

発注者向け 実務ガイド

防衛省(地方防衛局)の工事
竣工時の電子納品で発注者がやること

防衛省の工事の電子納品は、国土交通省の要領を土台にしながら、「防衛省の作成支援ツールで作った成果品しか受け取らない」「媒体で納める」「コードの入れ方が独自」といった点が大きくちがいます。発注者側の担当者が、特記仕様書の作成から竣工後の保管までに確認することを順にまとめました。

2026年11月5日に、防衛省「防衛施設建設工事に係る電子納品手引書について(通知)」(防整建第3045号 令和7年5月29日)、電子納品物作成支援ツールの配布ページと各マニュアルで確認しました。対象は地方防衛局等が発注する防衛施設建設工事です。個々の工事では特記仕様書と局の指示が優先します。

このページでわかること

  • 今の手引書はどれか、いつの工事から使うか
  • 特記仕様書と着手時の協議で、発注者が決めること・指示すること
  • 竣工時に受け取る物(電子媒体・チェック結果・生成証明書)と確認のしかた
  • 完成検査での電子データの扱いと、検査後の保管
  • 国土交通省の一般土木とのちがい、発注者のチェックリスト
先に結論
  • 今の手引書は令和7年5月29日の通知。令和7年6月1日以降に完成する建設工事等に使います。前の手引書(平成27年10月1日、令和3年2月一部改正)は令和7年5月31日で廃止されました。
  • 成果品は防衛省の「電子納品物作成支援ツール」で作った物だけが対象です。市販ソフトで作っただけの成果品は、基本的に受け取れません。
  • 竣工時に受け取るのは電子媒体(CD-R・DVD-R・BD-R)+チェック結果(紙)+生成証明書(紙)。3つともツールで出力した物です。
  • 発注者は完成検査官の確認を受けた成果品を保管します(媒体は保管庫、データはサーバ)。

全体の流れと、発注者の出番

発注・契約特記仕様書に電子納品を書く手引書は「特記仕様書等に電子納品を実施する旨の記載がある工事」に適用されます。書き忘れると手引書が使えません。
着手時指示と協議媒体での納品と生成証明書の提出を指示し、紙で出す範囲・形式・検査の進め方・容量を協議します。
竣工時受領・確認・署名ツールのチェックでエラーがないことを確かめて受け取り、媒体のラベルに受発注者が署名します。
検査・保管完成検査と保管電子データでの検査を基本に、検査官の確認を受けた成果品を保管庫とサーバで保管します。

手引書の中では、発注側の担当者は「工事監督官」、検査をする人は「工事完成検査官」と書かれています。このページでもその呼び方を使います。

使う手引書と国土交通省の基準(版に注意)

防衛省の手引書は、国土交通省の基準をどう使うかと、防衛省独自の決まりをまとめたものです。手引書に書いていないことは、各章の「適用基準等」の使い方を受発注者で事前に協議します。

工事の種類手引書の章手引書が指定する国土交通省の基準(手引書の記載どおり)
土木工事別紙第1 第2章 土木工事編電子納品等運用ガイドライン【土木工事編】(平成31年3月)、工事完成図書の電子納品等要領(平成31年3月)、CAD製図基準(平成29年3月。防衛施設設計業務に係る電子納品手引書(令和3年2月)の土木設計編で読み替え)、CAD製図基準に関する運用ガイドライン(平成29年3月)、デジタル写真管理情報基準(平成28年3月)。港湾工事関係は港湾空港の工事編ガイドライン(平成30年3月)
建築・電気・機械・通信工事別紙第1 第1章官庁営繕事業に係る電子納品運用ガイドライン【営繕工事編】(平成30年版)、営繕工事電子納品要領(平成30年版)、デジタル写真管理情報基準(平成28年3月)
国土交通省の最新版とは版がちがいます

国土交通省の土木工事は、令和8年4月以降の契約から「工事完成図書の電子納品等要領(令和8年2月)」に変わっています。一方、防衛省の手引書は上の版を指定していて、作成支援ツールのマニュアルも同じ版を参照基準にしています。手引書には「情報の更新に留意すること」とも書かれているので、どの版で作らせるかは特記仕様書と協議で明確にしておきます。

古い案内が残っているので気をつける

防衛施設建設工事電子入札システムセンターの古いページには、令和元年7月の作成要領や平成31年3月のお知らせが残っています。そこでは発注者コードをコード表から選ぶ、国土交通省のチェックシステムで確かめる、と案内されていますが、今の手引書(令和7年5月)では発注者コードは「00000000」、チェックは作成支援ツールです。受注者が古い資料を見て作っていないか、着手時に確認しておくと手戻りを防げます。

発注・着手時に発注者がやること

  1. 発注者

    特記仕様書に電子納品の事項を書く

    手引書は「特記仕様書に電子納品に関する事項を必ず記載すること」としています。適用する手引書と基準、提出物、媒体を書いておきます。

  2. 発注者

    受注者に指示する(土木工事編)

    ①電子媒体(CD-R・DVD-R・BD-R)で納品すること、②原本性を証明するため、作成支援ツールで出力した「生成証明書」を納品時に提出すること、を指示します。

  3. 発注者受注者

    協議して決める

    土木工事編が挙げる協議事項は次の6つです。

    • 紙で出す範囲:公印が必要な書類など、やむを得ない物は紙を認める
    • 電子納品する範囲:要領・基準に示す範囲。ただし無理な電子化(スキャニングなど)はさせない。検査のためだけに電子化させない
    • 電子データのファイル形式(ソフト名・バージョンなど)
    • 検査のときの対応
    • 印刷物の準備
    • 電子データの容量

    建築・電気・機械・通信工事では、手引書の「属紙」にある工事関係資料(施工計画書、工程表、打合せ簿、完成図など)を原則として電子納品の対象にし、電子化が著しく非効率な物は協議で紙にできます。工事写真を入れる媒体のフォーマットは工事監督官と協議して決めます。

  4. 発注者

    受注者に伝える情報を用意する

    受注者が管理ファイルに入れる情報のうち、発注者が答える物があります。

    • 発注者名の書き方:発注者コードは半角数字「00000000」。土木工事では発注者の大分類・中分類・小分類に、発注した局等・実施した機関等・基地や駐屯地等を入れます(例:北関東防衛局/陸上自衛隊/市ヶ谷駐屯地)。建築などは発注者名称に半角スペースでつないで書きます
    • 建築物の番号(建物番号):手引書は「必ず工事監督官に確認すること」としています
    • 基準点の位置情報(建築・設備など):同じ施設に複数の位置情報が付かないよう、受注者は既に付いているかを監督官に確認します。付いていれば発注者が提示し、なければ監督官の確認を得て新しく取得します
受注者がまちがえやすい防衛省独自の決まり(着手時に伝えると早い)
  • 工事番号はコリンズ登録番号。1つの工事に複数の職種があるときは、01から始まる2桁の枝番を付ける(例:12345678901)
  • 施設識別コード・建築物識別コードは半角数字「999999」
  • CADのファイル名は半角英数字だけ(国土交通省の基準で認められている日本語のファイル名は不可)。ICON や CIM のファイル名・フォルダ名も半角英数字で、ファイル名を含めて100文字以内
  • 写真は1枚500KB程度。完成写真と重要な施工写真を抜き出して区別する
  • 1つの工事に複数の基地・駐屯地が入るときは、基地・駐屯地ごとに分けて作る。1ファイルは4GB未満

電子納品物作成支援ツール(2026年11月5日の最新版)

項目内容
最新版電子納品物作成支援ツール(工事版)Ver1.1.2、(業務版)Ver1.1.2
役割手引書を満たす成果品を作り、電子納品保管管理システムに必要な情報を付ける。データチェック、媒体イメージ・チェック結果・生成証明書の出力、ラベル作成まで行う
注意Ver1.0.3 に XML外部実体参照(XXE)の脆弱性。Ver1.0.4 以降は対応済み。一定期間で使えなくなる仕組みがあり、防衛省が期間を更新した版を出す
配布・マニュアル防衛施設建設工事電子入札システムセンターの電子納品のページ(下の出典)。インストールマニュアル・工事版利用マニュアルもここにある

ツールのデータチェックでは、管理ファイルの必須項目、全角・半角、ファイル名の重複、写真の大きさ(500KBを超えない)、図面やICONのファイル名に日本語がないか、などを確かめます。受注者が出したチェック結果は、この結果です。

竣工時:受け取る物と確認のしかた

受け取る物形発注者が確かめること
電子成果品CD-R・DVD-R・BD-R破損がない、ラベルが正しい、エラーのない状態で出されている。媒体1枚にまとめるのが基本
チェック結果紙(ツールで出力)エラーがないこと
生成証明書紙(ツールで出力し受注者が署名)媒体の内容の原本性を証明する書類。署名があること
  1. 発注者

    ツールでチェックしてから受け取る

    建築・電気・機械・通信工事編には「受注者はチェックを行った上で提出し、発注者はチェックを行った上で電子成果品を受領する」とあります。フォルダ構成や管理ファイルは作成支援ツールでチェックします。

  2. 発注者受注者

    内容を確かめてラベルに署名する

    土木工事編では、受発注者が相互に内容を確認した上で、電子媒体のラベルに直接署名します。受注者は生成証明書に署名して媒体と一緒に出します。電子媒体納品書の書式例も手引書にあり、提出先は監督官です。

  3. 発注者

    ウイルス対策を確かめる

    完成検査の内容確認に「ウイルス対策を実施していること」が入っています。受注者が書き込み後にウイルスチェックをしたことと、ラベルの記載を確かめます。

保管管理システムに登録できない成果品に注意

防衛省は平成31年3月のお知らせで、適切な基準で作られていない成果品が電子納品保管管理システムに登録できない状況があると案内しています。手引書の版と作成支援ツールで作られているかを、受け取る前に確かめます。

完成検査での電子データの扱い

場面手引書の決まり
何で検査するか協議で効率よく検査できると判断した成果品は、受注者に過度な負担をかけない範囲で電子データで検査する。当面、報告書は電子データで書類検査する(土木)。建築などは電子データでの検査が原則で、紙と電子が混ざる時など紙の方が効率的なら紙でもよい
紙が必要な時発注者が紙での検査が必要と判断したら、原則として受注者が印刷する。照査に使った印刷物でもよいが、納品データと同じであることに注意。検査用の印刷物は成果物ではない
機器の準備電子での書類検査の機器環境は原則として発注者が準備。協議で受注者に準備させることもできる(土木)
内容確認必要な書類が要領・基準どおり作られ格納されている/フォルダ構成・管理ファイルが正しい/書類検査で確認した書類と同じ物が格納されている/ウイルス対策をしている

納品後の保管

手引書の総則は「発注者は、工事完成検査官の確認を受けた電子成果品を保管する」とし、解説で電子媒体は保管庫に、電子データはサーバに保管するとしています。電子データの保管先は防衛省の電子納品保管管理システムで、作成支援ツールはそのために必要な情報を成果品に付けています。登録の具体的な操作は公開資料では確認できなかったため、局の担当部署の手順に従ってください。

国土交通省の一般土木とのちがい

項目防衛省(手引書 令和7年5月)国土交通省 土木工事(令和8年4月以降の契約)
作るソフト防衛省の電子納品物作成支援ツールで作った物だけ要領どおりなら作るソフトの指定はない
チェック作成支援ツール国土交通省の電子納品チェックシステム
納め方電子媒体(CD-R・DVD-R・BD-R)オンライン電子納品か電子媒体
紙で添える物チェック結果、生成証明書電子媒体納品書、チェック結果など
工事番号コリンズ登録番号(複数職種は2桁の枝番)CCMS設計書番号
発注者コード「00000000」と、局・機関・基地等の名前発注者コード表から選ぶ
ファイル名CAD・ICON・CIMも半角英数字のみ一部で日本語のファイル名を認める
写真1枚500KB程度、完成写真と重要な施工写真を区別デジタル写真管理情報基準どおり
適用する要領の版平成31年3月版など(手引書で指定)令和8年2月版

国土交通省の令和8年2月版の内容は「令和8年2月版の変更点」にまとめています。

発注者のチェックリスト

発注・着手時

  • 特記仕様書に電子納品の事項(手引書、基準、提出物、媒体)を書いた
  • 媒体での納品と、生成証明書の提出を受注者に指示した
  • 紙で出す範囲、ファイル形式、検査の進め方、印刷物、容量を協議した
  • 適用する基準の版を受注者と確認した(国土交通省の最新版と混同しない)
  • 発注者名の書き方、建築物の番号、基準点の位置情報を受注者に伝えた
  • 受注者が作成支援ツールの最新版(2026年11月5日時点 Ver1.1.2)を使うことを確認した

竣工・検査時

  • 電子媒体・チェック結果・生成証明書の3点がそろっている
  • 作成支援ツールでチェックし、エラーがないことを確かめて受け取った
  • 媒体のラベルに受発注者が署名した(土木)
  • 電子での書類検査の機器を用意した(協議で受注者が用意する場合を除く)
  • 書類検査で確認した書類と同じ物が媒体に入っている

検査後

  • 検査官の確認を受けた媒体を保管庫に、データをサーバ(保管管理システム)に保管した

よくある質問

質問答え
令和7年5月より前に契約した工事は?新しい手引書は「令和7年6月1日以降に完成する建設工事等」に適用すると通知されています。契約日ではなく完成日で決まる書き方なので、工期が令和7年6月以降に終わる工事は新しい手引書の対象です
受注者が市販の電子納品ソフトで作った成果品は?作成支援ツールのマニュアルに「本システム以外で作成された電子納品物は、受領できません」(基本的に)とあります。市販ソフトで作ったデータを作成支援ツールに取り込んで、成果品として出し直してもらいます
ツールの使い方の問い合わせ先は?インストールマニュアルに、DFISヘルプデスク(電話 03-5961-7720、平日9時〜17時、メール helpdesk@dfismod.info)が載っています。まず電子納品のページの手引書・マニュアル・Q&Aを確認します
設計業務・調査業務も同じ?手引書の別紙に、設計業務・調査業務の章が別にあります。このページは工事(別紙第1)の内容です

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参照した公式情報(2026年11月5日確認)
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