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完成平面図の作り方|30地物・専用レイヤ・属性・距離標2点・座標設定まで手順で解説【道路工事完成図等作成要領】

完成図・道路施設データ 実務ガイド

完成平面図の作り方
30地物・レイヤ・属性・距離標

完成平面図は、ふつうの平面図とちがい、維持管理で使う地図データ(道路基盤地図情報)に変換できるように作ります。決まりが細かいので、受発注者で確認することから、作図、属性の入力、チェックまで、作業の順番にまとめました。

2026年11月5日に、国総研「道路工事完成図等作成要領(第2版)」(国総研資料第493号)、令和元年度 実施説明会 資料2、道路工事完成図等作成支援サイトで確認しました。案件の特記仕様書や監督職員の指示がある場合は、そちらに従います。

このページでわかること

  • 完成平面図が必要な工事と、作る範囲
  • 着手時に監督職員と確認すること(発注図の形式、距離標)
  • ファイル形式(SXF Ver.3.x の P21+SAF)と座標の設定
  • 30種類の地物と、地物ごとの専用レイヤ名
  • 作図ルール、属性の入れ方、距離標を2点以上そろえる方法
  • チェックプログラムと目視確認で、提出前に確かめること
ふつうの平面図と大きくちがう3点
  • 地物ごとに決められたレイヤ名(例:車道部は C-STR-STRZ-ROADWAY)に入れる
  • 図形に属性(設置日など)を付けるため、SXF Ver.3.x(図形の P21 と属性の SAF)で作る
  • 位置を固定するため、距離標を2点以上、緯度・経度・高さ付きで入れる

完成平面図が必要な工事と作る範囲

国土交通省の道路工事のうち、次の工事では、要領に従った完成平面図・完成縦断図の作成と電子納品が必須です(説明会資料の表より)。

工事完成平面図・完成縦断図
舗装工事必須
舗装工を含む道路改良工事(仮舗装を除く)必須
共同溝・電線共同溝・情報ボックス工事舗装工を含む工事は必須。仮復旧や一部の舗装だけの工事は不要
道路修繕工事舗装工を含む工事は必須。管内全域で行う簡易な修繕は不要
それ以外従来どおり、受発注者の事前協議で電子化の範囲を決める

1区間の本線表層の舗装面積が100m²以下の簡易な工事は除かれます。工事施設帳票(道路施設基本データ)は、除草・除雪・清掃など道路施設を変えない維持工事を除き、ほぼすべての工事で作ります。作り方は「道路施設基本データの作り方」を見てください。

作る範囲は「施工した所」より広い

延長方向工事起点から工事終点まで
横断方向管理境界から管理境界まで(道路区域全体)。工種に関係なく、範囲内のすべての地物を作る
形設計変更後の最終形。見え消しの部分はすべて消し、完成形だけを描く。出来形の「朱書き」は完成平面図には描かない
舗装工事でも、作るのは車道だけではない

たとえば車道の舗装工事でも、管理境界までの歩道部・植栽・法面なども作成範囲に入ります。説明会資料でも「作成範囲=施工範囲とは限りません」と注意しています。施工した所と既設の所は、別の図形に分けて作ります。

着手時に監督職員と確認すること

  1. 受注者

    作成範囲を確認する

    工区が重なる工事や隣の工事がある場合は、特記仕様書などに示された範囲に従います。

  2. 発注者

    発注図の形式を確認し、データを借りる

    借りる発注図の形式で、受注者の作業量が変わります(下の表)。

  3. 発注者

    距離標の情報を借りる

    距離標の緯度・経度・高さは、監督職員から借りて使います。2点以上そろうか、追加の測量がいるかもここで確かめます。

借りる発注図受注者の作業
要領どおりに作られた CAD データ施工した地物の図形と属性を直す(変更がなければ、そのまま完成平面図として出せる)
要領どおりでない CAD データ(DXF など)30地物を作り、レイヤを分ける。必要なら距離標の測量と入力
紙の図面上に加えて、スキャン・トレースで電子化し、SXF に変換する

発注図の形式にかかわらず、最後は要領どおりの SXF データを作って納品します。発注者が要領どおりのデータを貸せない場合、説明会資料では作成の経費を別に計上するよう発注者に求めています。

距離標データの入手先(2026年11月時点)

距離標のデータは、発注者が「道路基準点案内システム」から取り出して受注者に貸す仕組みです。このシステムは2026年10月23日から一時停止していて、道路工事完成図等作成支援サイトが代わりのダウンロードページを案内しています。

道路工事完成図等作成支援サイト(お知らせ)WEBhttps://www.nilim-cdrw.go.jp/

ファイル形式と座標を設定する

形式SXF Ver.3.x(説明会資料では Ver.3.1 を推奨)。図形は P21(.P21)、属性は SAF(.SAF)の2つのファイル。P2Z でも可
ファイルの単位原則1工事1ファイル。複数の発注図にまたがる範囲は1つにつなぐ。工区が離れている場合だけ分けてよい
部分図すべての図形を1つの部分図に実寸で描く(部分図が複数あると、見た目は合っていても座標がずれることがある)
座標系世界測地系の平面直角座標系。発注図が日本測地系なら座標変換する
CAD の設定「測地座標系」(南北が X 軸)を基本にする。部分図の原点(0,0)を平面直角座標系の原点に合わせる。P21 に出すときの単位は mm
数学座標系しか使えない CAD のとき

南北方向が Y 軸になるように、X と Y を入れ替えて描きます。この場合、チェックプログラムでは「確認」として表示されます。

形式や SXF のバージョンの基本は「SXF(P21・P2Z)の違いと変換のやり方」にまとめています。

30種類の地物を、決められたレイヤに描く

完成平面図で作る地物は30種類です。1つのレイヤには1種類の地物だけを入れます。

分類地物(図形)とレイヤ名の例
基準になる地物道路中心線(線、C-BMK)、距離標(点、C-BMK-BMKZ-KMPOST)、管理区域界(線、C-BMK-BMKZ-BOUNDARY)、測点(点、C-BMK-BMKZ-STATION)
道路面の地物(9種類・面)車道部 C-STR-STRZ-ROADWAY、車道交差部 …-CROSSING、踏切道 …-RAILROADCROSS、軌道敷 …-TRAMAREA、島 …-ISLAND、路面電車停留所 …-TRAMSTOP、歩道部 …-SIDEWALK、自転車駐車場 …-BICYCLEPARK、自動車駐車場 …-CARPARK
道路面以外の地物植栽 …-PLANT、区画線 …-LINE、停止線 …-STOPLINE、横断歩道 …-CROSSWALK、横断歩道橋 …-PEDESTRIANBRIDGE、地下横断歩道 …-UNDERPASSWALK、建築物 …-BUILDING、橋脚 …-PIER、盛土法面 …-BANK、切土法面 …-CUT、斜面対策工 …-SLOPE、擁壁 …-WALL、ボックスカルバート …-BOX、シェッド …-SHED、シェルター …-SHELTER、橋梁 …-BRIDGE、トンネル …-TUNNEL

「…」は C-STR-STRZ の省略です。各地物を点・線・面のどれで描くか、色、細かい定義は、要領の巻末資料1「完成平面図における地物作成仕様」で確認します。

CAD製図基準の新しいレイヤ名ではなく、要領のレイヤ名を使う

CAD製図基準(令和7年12月版)は、道路工事完成図等については国総研の要領を適用するとしています。説明会資料でも、CAD製図基準が改定されても「従来どおり本要領で定めたレイヤ名を使用すること」としています。完成平面図では、上の表のレイヤ名をそのまま使ってください。表題欄・寸法・旗上げ・地形図などの地物以外のデータは、CAD製図基準のレイヤ(C-TTL、C-BGD、C-STR-DIM、C-SUV など)に入れます。一般の図面のレイヤ分けは「CAD製図基準のレイヤ分けのやり方」を見てください。

作図ルール

図形守ること
点座標1点だけを持つデータ。表示は○か□。色は地物ごとの指定
線直線と円弧だけで描く。楕円弧・スプラインは使わない(折れ線に変換する)。途切れた線、自分と交差するねじれた線は作らない
面領域を塗りつぶすハッチングで作る(SXF Ver.3.x の既定義ハッチング)。ブロックなどのテンプレート図形は使わない
道路面の地物となり合う面の境目をぴったり合わせる。重ねたり、すき間をあけたりしない。橋梁やトンネルがあっても、車道部などの面は切らずに続けて作る
図形の分け方施工した所と既設の所は別の図形にする(設置日の属性がちがうため)。同じ区分の線や面は、なるべく分割せずにつなげて作る
対応した CAD を使うと楽になる

OCF の「道路基盤地図情報交換属性セット」の検定に合格した CAD なら、地物ごとのレイヤや色、属性の入力欄が自動で用意されます。面の境目の重なりを調べるなど、作りながらチェックできる機能を持つソフトもあります。合格ソフトは OCF の認証ソフト一覧の「道路基盤地図情報交換属性セット」の欄で確かめます。

OCF検定 認証ソフトウェア一覧WEBhttps://ocf.or.jp/kentei/soft_ichiran

地形図の扱い

発注図の地形図がラスタ(画像)ならラスタのまま、ベクタならベクタのまま使います。紙しかない場合はスキャンしてラスタにします。ラスタの地形図は C-SUV レイヤに置き、CAD データと同じフォルダに入れます。ラスタをわざわざベクタに変換する必要はありません。

属性を入れる

地物入れる属性
距離標設置日、路線番号、現旧区分、上下区分、接頭文字、距離程、種別、緯度、経度、高さ
測点設置日、測点番号、追加距離、高さ、横断勾配(左)、横断勾配(右)
そのほかの28地物設置日
  • 設置日:施工した地物はこの工事の完了日。既設の地物は、前の完成平面図に完了日があればその日、分からなければ「不明」。
  • 測点:道路中心線上に、貸与された縦断図と同じ間隔で置きます。高さと横断勾配は縦断図・横断図の計画値(計画路面高は T.P.)を使い、貸与がなければ出来形測量の値を使います。横断勾配は、起点から終点に向かって左右の車線の値を入れ、中央から外へ下る場合は「-」を付けます。

距離標を2点以上そろえる

距離標は、完成平面図の位置と向きを決める大事な点です。1ファイルにつき2点以上必要です。

  1. 工事区間内の距離標をすべて点で描く

    監督職員から借りた距離標の緯度・経度・高さ(T.P.)を、そのまま属性に入れます。道路修繕工事で距離標を移した場合は、移した後の位置で描きます。

  2. 2点に満たないときは、区間外の近くの距離標を使う

    工事区間の外にある、いちばん近い距離標を描いて2点にします。

  3. それでも足りないときは、監督職員と協議して測る

    計測された距離標が足りない場合は、工事区間の起終点近くの百米標2点を測ることを監督職員と協議します。精度は4級基準点測量と同じレベル(TS 法や GPS 法)で、高さは距離標のすぐ近くの路面高を測ります。

  4. 新設で距離標がまだない場合は、測点で代わりにする

    新設の舗装工事で距離標が未設置なら、測点の情報で距離標を作れます(緯度・経度・高さは設計の座標と計画路面高から求めてよい)。

百米標の高さ

1km ごとの地点標を補う百米標は、CAD 上の座標から変換した緯度・経度を入れ、高さは「9999.999」と入れてよいことになっています。

チェックと提出

  1. 道路工事完成図等チェックプログラムで、エラー0件にする

    部分図と座標系、作図ルール、属性の値、レイヤ、距離標の位置などを調べます。現在の版は Ver.3.3 で、Windows11 でも基本的な動作は確認済みとされています。「確認」が出た所は、目で見て正しいか確かめます。

    チェックプログラム類のダウンロード(国総研)WEBhttps://www.nilim-cdrw.go.jp/dl_tool_quality.html同じページに、地理院地図と重ねて位置のずれを確かめる「完成平面図の位置ずれチェック方法」もあります。
  2. 要領の表20で目視チェックする

    プログラムでは分からない所を、現場の技術者の目で確かめます。

    • 作成範囲の距離標をすべて点で作り、2点以上ある
    • 施工した地物も、施工していない地物も、線・面をすべて作っている
    • 出来形測量の計測値と、図形上の距離の差が計測延長の0.5%以内
    • 発注図の形と、それをもとに作った図形の差が実寸で10cm以内
    • 地物名が、施工した工種・施設と合っている
    • 距離標の属性(特に緯度・経度)が現地の値どおり。設置日が正しい
  3. 結果をまとめて監督職員に出す

    チェック結果記録(様式1)、「完成平面図」チェック結果記録(様式2)、チェックプログラムの結果ログを、工事完成時に監督職員へ提出します。図形の P21 と属性の SAF は、同じフォルダ(DRAWINGF)に入れます。提出前の確認の流れは「道路工事完成図の提出前チェック」にまとめています。

ファイル名は今のCAD製図基準の形で付ける

2008年の要領の「4-4 完成平面図ファイル命名規則」には C0PL001Z.P21 のような並びの例がありますが、CAD製図基準は平成29年3月版でファイル名の付け方が変わりました。今は CAD製図基準(令和7年12月版も同じ)の形で付けます。

  • 並び:図面番号(3桁)+ライフサイクル(施工は C)+整理番号+図面種類(平面図は PL)+改訂履歴(最終成果は Z)。例:001C0PLZ.P21(後ろに「-完成平面図」などのユーザ定義領域を付けてもよい)
  • 属性ファイル(SAF)は、図形ファイルと拡張子以外を同じ名前にする。例:001C0PLZ.SAF
  • ラスタの地形図の名前も、CAD製図基準のラスタファイルの命名規則に従う

名前の決まりの詳しい表は「CAD製図基準(令和7年12月版)受注者がやること」にあります。

よくある質問

質問答え
発注図が要領どおりで、地物に変更がない場合も作り直す?要領どおりの発注図で、30地物に変更がなければ、発注図の平面図をそのまま完成平面図として出せます
完成平面図と道路施設基本データは、いつも両方出す?道路施設基本データだけを出す工事もあります。どれを出すかは、要領の表1と特記仕様書で確かめます
CAD製図基準が新しくなったら、レイヤ名を新しい付け方に変える?完成平面図の地物は、要領で決められたレイヤ名を使います
SXF Ver.2.0 で作ってもいい?要領は Ver.3.x を基本とし、Ver.2.0 は対応 CAD が普及するまでの暫定の扱いとしています(巻末資料2)。属性を付けられる Ver.3.x で作るのが基本です

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参照した公式情報(2026年11月5日確認)
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