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道路施設基本データの作り方|作成システムVer.1.3.1・記入シート・新設/改良/撤去の入力とORG999への格納

電子納品 実務ガイド道路施設基本データを、
新設・改良・撤去に分けて作る

国道の工事で、橋・舗装・標識・照明などを新しく作ったり、直したり、撤去したりしたときに納めるのが道路施設基本データです。対象になるかの判断から、作成システムでの入力、ORG999への格納、チェックまでを、受注者の作業順にまとめました。

確認日:2026年11月4日。国土技術政策総合研究所(国総研)の道路工事完成図等作成支援サイト、道路施設基本データ作成システムVer.1.3.1(2025年9月30日公開)、国総研資料第493号の巻末資料3、令和元年度実施説明会資料2を参照。

主に国土交通省(地方整備局・北海道開発局・沖縄総合事務局)の直轄国道の工事を受注した方向けです。道路施設基本データは道路管理データベース(MICHI:ミチ)の元になるデータで、発注者側がMICHIへ登録します。受注者の仕事は、決められた形でデータを作り、電子成果品に入れて納めるところまでです。

1.自分の工事で作るのか確かめる

道路施設基本データは、平面図と違って作らなくてよい工事が少ないのが特徴です。道路工事完成図等作成要領の適用工事の表(説明会資料2の4ページ)では、道路改良・舗装・橋梁・トンネル・共同溝・道路修繕・雪寒の各工事で、道路施設基本データは「作成・電子納品が必須」とされています。

状況道路施設基本データ
直轄国道の施設を新しく作った・直した・撤去した作る
除草・除雪・清掃など、施設に手を加えない道路維持工事作らなくてよい
工事後に市町村などへ管理を移す部分(例:町へ移管する側道)作らなくてよい(直轄国道の施設だけが対象)
完成平面図を作らない工事(例:舗装工を含まない橋梁下部工)平面図がなくても、道路施設基本データだけ作ることがある

対象になる施設は、縦断勾配・舗装・歩道などの道路構造(C020~C110)、橋梁・トンネル・擁壁などの構造物(D010~D120)、防護柵・照明・標識・情報板などの附属物(E010~E350)です。一覧は国総研の「道路施設基本データについて」のページで確認できます(2024年2月8日更新)。

特記仕様書に書かれていないこともあります。

国総研の説明会資料でも、適用工事なのに特記仕様書に書かれていない場合があるとされています。着手時の事前協議で「道路施設基本データを作るか」「どの施設が対象か」を監督職員と決め、打合せ簿に残しておきます。協議の進め方は事前協議チェックシートの書き方を参照してください。

2.着手時に用意する物

  1. 事前協議で対象施設を決める監督職員と
  2. 既存データを借りる改良・撤去する施設の諸元、距離標の資料
  3. 作成システムと記入シートを入れる国総研サイトから
  4. 施設ごとに入力する新設・改良・撤去で分ける
  5. 図・写真・位置図をそろえる
  6. ORG999に出力してチェック

色の意味:発注者と一緒に行うこと 受注者が行う作業

用意する物入手先・注意点
道路施設基本データ作成システム Ver.1.3.1国総研の道路工事完成図等作成支援サイトから。古い版は使わない。解凍してできた「インストーラ」フォルダの中でsetup.exeを実行し、そのフォルダにほかのファイルを置かない。インストーラは再配布できない。
記入シート(道路施設台帳)地方整備局ごとに入力項目が違うため、工事を発注した整備局のシートを使う。シートは更新されることがある(例:2024年2月に四国地方整備局の記入シート、2024年9月に記入シートを更新)ため、着手時に最新をダウンロードする。
改良・撤去する施設の既存データ発注者から借りる。新規に作る施設だけならいらない。移設する照明・標識なども、施設を特定する情報(施設対応番号・距離標・設置箇所・形式など)を正しく書くために資料をもらう。
距離標の資料道路台帳附図などに載っている距離標から、施設までの距離を図上で読む。現地で距離標を測る必要はない。距離標がない区間は測点・工事測点で代用してよい。
整備局の作成要領・マニュアル北海道・東北・中部・中国の各局は、独自の作成要領やマニュアルを公開している。作成支援ツールのページから各局のページへ進める。
2026年10月23日から、道路基準点案内システムが一時停止しています。

国総研サイトのお知らせでは、道路基準点が必要な方は「道路基準点データ ダウンロードページ」から入手するよう案内されています。距離標の座標が必要な完成平面図の作業でも、まずこのお知らせを確認してください。

3.作る物は4つ

道路施設基本データは、次の4種類で1組です。CSVだけ出して終わりにしないよう、最初に全体を押さえておきます。

作る物中身形式
① 道路施設基本データ詳細情報施設の諸元(寸法・形式・設置年月など)。施設ごと、情報の種類ごとに1ファイル。例:情報板2基ならE06001.CSVとE06002.CSV。CSV(1行目が項目名、2行目が値。各欄を"で囲む)
② 道路施設一般図施設と道路の位置関係、幅員、高さ方向がわかる図。完成図書の図面から条件に合うものを選んでよい。JPEG、またはSXF(P21)
③ 現況写真延長のある施設は起点から終点に向かって、点在する施設は車の進行方向に向かって撮る。最大5枚。JPEG
④ 道路施設基本データ位置図道路台帳附図などに、施設名・施設対応番号・距離標とそこからの距離、工事名・工事番号を書き込んだ図。PDF(例:I001.PDF)

施設対応番号は、位置図ごとに、その図に旗上げする施設の数だけ連番にします。例えば1枚目の位置図ならI001-001、I001-002…となります。橋の途中で位置図が2枚に分かれても、データを2つに分けず、起点側が載っている位置図1枚に合わせます。

4.新設・改良・撤去で何が変わるか

作業量がいちばん変わるのはここです。施設ごとに「新設」「改良」「撤去」のどれかを決め、管理ファイル(ORG999.XML)の工事区分にも同じ区分を入れます。

新設

その施設の諸元をすべて新しく入力します。整理番号1~3と補助番号は空欄のままにします。

例:標識1基 → 標識基本(E050)を1つと、板の数だけ各板諸元(E051)。照明3基 → 照明(E020)を3つ。

改良

発注者から借りた既存データを使い、工事で変わった項目だけを直します。借りた番号は変えません。補修した記録(補修歴)が対象なら、それを新しく作ります。

例:舗装を打ち換えて舗装種別が変わった → その項目だけ直し、借りたレコードは全部納める。

撤去

借りた既存データを、直さずにそのまま納めます。一般図・現況写真のイメージデータは作りません。

例:古い情報板を撤去 → 借りた情報板のデータを撤去として納める。

既存データがなく、すべて新しく入力する施設は「新設」です。借りたデータに道路施設基本データの対象外の項目まで含まれている場合は、必要な項目だけを使います。

5.入力のつまずきやすい所

項目入れ方例
路線4桁の路線番号国道4号 → 0004
現旧区分現道1、旧道2、新道31
百米標・距離施設の位置を、近くの距離標(キロポスト)と、そこからの距離(m)で表す。延長のある施設は起点(自)と終点(至)の両方。百米標75.5、距離10
平面線形線形の区間ごとに作る。直線区間の曲り区分は該当なしの*直線・曲線・直線・曲線・直線なら5データ
舗装の幅員幅員が変わるたびに分けて入力車道・歩道の幅が途中で変わる区間
標識種類番号規格に当てはまらない標識は999独自の案内標識など
供用・未供用工事完了時に道路の利用を始めるなら「供用」と供用年月、始めないなら「未供用」―

例の数字は説明のためのもので、実際の値は道路台帳附図・借りた資料・出来形で確かめます。入力する選択肢は地方整備局の記入シートで違うことがあるため、ほかの局の入力例をそのまま写さないでください。

舗装工事は、条件でイメージデータや補修歴の要否が変わります。
  • 道路の形を変えない舗装工事では、一般図・写真のイメージデータは作らなくてよい。
  • 新設の舗装工事では、補修歴は作らない。
  • 橋面の再舗装をした場合は、橋梁の補修歴を作る。
  • すべり止め舗装も作成対象。舗装種別は主となる舗装(例:アスファルト舗装)を選ぶ。
  • 本線でなくランプだけの舗装でも、施工した箇所のデータを作る。

6.ORG999に入れて、チェックする

道路施設基本データは、電子成果品のOTHRS(その他)フォルダの中のORG999に入れます。フォルダ名は「999」で固定です。中のフォルダやファイル名は作成システムが規則どおりに作るので、手でフォルダを作ったり名前を変えたりしないのが基本です。

OTHRS/
  OTHRS.XML        その他管理ファイル(ORG999も登録する)
  OTHRS05.DTD      令和8年2月版のDTD
  ORG999/          道路施設基本データ(名前は固定)
    ORG999.XML     道路施設基本データ管理ファイル
    ORG99901.DTD
    SYOGEN/        道路施設の諸元データ
      E060/        施設の種類(この例は道路情報板)
        E06001/    1基目
          E06001.CSV   詳細情報
          E0600101.JPG 一般図・現況写真など

上はわかりやすくするための一例です。位置図(I001.PDFなど)を含む実際の配置は、作成システムの出力と利用マニュアルで確認してください。

  1. OTHRS.XMLにORG999を登録する。サブフォルダ名ORG999、日本語名(例:道路施設基本データ)、中のORG999.XMLとORG99901.DTDを記入します。電子納品ソフトの「その他」の入力画面で登録するのが一般的です。フォルダ構成全体は電子納品のフォルダ構成とINDEX_C.XMLの書き方にまとめています。
  2. 道路工事完成図等チェックプログラム(Ver.3.3)でチェックする。完成平面図と道路施設基本データを確認するためのプログラムです。基本の動作はWindows11でも確認済みとされています。
  3. 電子納品チェックシステムでも確認する。成果品全体の管理ファイルや構成を確かめます。2つのチェックの違いは道路工事完成図の提出前チェックを参照してください。
  4. 目視で中身を確かめる。チェックプログラムは形式を確かめるものです。施設の数、新設・改良・撤去の区分、距離標の位置、写真の向きと枚数は、現場の技術者の目で確かめます。
「確認」が出たら、必ず理由を確かめる。

チェックプログラムの「確認」は、エラーではなく注意です。例えば橋梁補修では、作らなくてよいファイルについて「確認」が出ることがあります。作る必要があるかは、整備局の問合せ窓口(データ作成支援機関)に確かめ、不要とわかれば対応は要りません。わからないまま放置しないでください。

7.よくある疑問

市販のチェックソフトで「その他オリジナルフォルダ名が連番ではありません」と出ます。

ORG999は001からの連番になっていないため、市販ソフトによってはエラーになります。国総研のQ&Aでは、国土交通省の電子納品チェックシステムはOTHRSの中身を確認しないとしたうえで、道路工事完成図等チェックプログラムの合格と、事前協議に基づく電子納品チェックシステムの合格を確かめて納品すればよいとしています。発注者が市販ソフトを使っている場合は、このことを監督職員と共有しておきます。

写真を6枚以上入れたいときは?

現況写真は最大5枚です。施設によって5枚では足りない場合は、データ作成支援機関に確認を取ります。6枚以上入っているとチェックプログラムが「確認」を出します。

完成平面図がSXF Ver.3なら、道路施設基本データも変わりますか?

変わりません。SXFの版は完成平面図の話で、道路施設基本データの中身とは関係しません。一般図をSXF Ver.3対応のCADで作っても、属性の入力は要りません。

どこに質問すればよいですか?

まず国総研サイトのQ&Aを読み、解決しなければ工事を発注した地方整備局(北海道開発局・沖縄総合事務局を含む)の問合せ窓口へ連絡します。窓口は国総研サイトの「各地方整備局のお問合せ窓口」に載っています。

公式資料の入手先

公式資料を自分の言葉で整理した解説です。入力項目は地方整備局ごとに異なるため、案件の特記仕様書・事前協議と、発注した整備局の記入シート・作成要領を優先してください。ソフトや資料は当サイトで再配布していません。過去の解説は道路施設基本データ 作成手順(2022年の記事)にもあります。

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